レッドブル・ホンダF1 分析:ストレート重視の構成でセクター3に課題 / F1アブダビGP 金曜フリー走行
レッドブル・ホンダF1は、2020年のF1世界選手権 F1アブダビGP初日のフリー走行でメルセデスに対してセクター3が課題であることが浮き彫りになった。

日中に行われたFP1でマックス・フェルスタッペンはトップタイムを記録。だが、ナイトレースとして開催されるF1アブダビGPのため、FP1は代表的なコンディションではない。

今大会では新型コロナウイルスに感染して前戦F1サヒールGPを欠場していたルイス・ハミルトンが復活。だが、両方のセッションでブレーキペダルとギアボックスに複数の問題が発生し、リズムを取り戻すのに少し時間がかかっていた。

そのため、レッドブル・ホンダF1とメルセデスとの実際の比較はFP2の内容から読み取るしかない。

マックス・フェルスタッペン、ルイス・ハミルトン、バルテリ・ボッタスは、ミディアムタイヤでロングランを実施。だが、このロングランでマックス・フェルスタッペンはバルテリ・ボッタスに対して約0.8秒遅かった。

その後、3名のドライバーはソフトタイヤによる予選走行を実施。だが、3人ともラップをまとめることができなかった。バルテリ・ボッタスは新品タイヤでのアタックでターン1でコースオフ。ルイス・ハミルトンはトラックリミット超過によってタイムを抹消され、マックス・フェルスタッペンはセルジオ・ペレス(レーシング・ポイント)に引っかかってしまいセクター3でラップを中断した。

したがって、3名のドライバーはミディアムタイヤでのラップがベストタイムとなった。マックス・フェルスタッペンは最初の2つのセクターではメルセデスと互角のタイムを出していたが、多くのコーナーがあるセクター3では後れを取った。

アブダビのオーバーテイクは主にストレートで行われるため、コーナースピードよりもストレートスピードが重要となる。そのため、レッドブル・ホンダF1は、ストレートを重視した小さなウイングを搭載しており、ストレートが多き最初の2つのセクターではメルセデスエンジンに匹敵することができたが、以前から得意としていたセクター3でその妥協が現れた。

マックス・フェルスタッペンは、セクター1では0.1秒速く、セクター2で0.2秒遅かった。チームメイトのアレクサンダー・アルボンもメルセデスに対して0.1秒差に留まっていた。しかし、セクター3では、マックス・フェルスタッペンとアレクサンダー・アルボンは、セクターベストを出したルイス・ハミルトンにそれぞれ0.4秒、0.7秒を失っていた。

 セクター1セクター2セクター3仮想ベスト
ルイス・ハミルトン17秒27241秒20637秒6041分36秒082
バルテリ・ボッタス17秒28941秒27937秒7081分36秒276
マックス・フェルスタッペン17秒17341秒42038秒0581分36秒651

レースペースについては未知数だ。マックス・フェルスタッペンはソフトとミディアムでロングラップを実施してフィールドでは最速だったが、メルセデス勢はピレリの2021年のテストタイヤでロングランを実施していた。さらにキミ・ライコネンのマシントラブルによる赤旗で中断を余儀なくされた。

それでも、今大会ではメルセデスが優勝候補だ。ハイブリッド時代にメルセデスはアブダビで一度も負けたことがない。問題はマックス・フェルスタッペンがどこまでメルセデス勢に近づけるかにかかってくるだろう。

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / ホンダF1 / F1アブダビGP