レッドブル・ホンダF1 分析:“運も実力のうち”なダブル表彰台 / F1バーレーンGP 決勝
レッドブル・ホンダF1は、2020年のF1世界選手権 第15戦 F1バーレーンGPでダブル表彰台を獲得。ホンダのF1エンジンを搭載して初めてレッドブルのドライバーの二人が表彰台に立った。

ここ数戦とは異なり、“通常”のサーキットでの開催となったF1バーレーンGPは、各チームの実力通りに週末が進んでいった。

レッドブル・ホンダF1は、メルセデスに次ぐ2番目に速いマシンであり、予選ではポールポジションのルイス・ハミルトンとマックス・フェルスタッペンとの間には0.414秒の差がついた。レッドブル・ホンダF1は新型ノーズを含めて新しいパーツを投入しているというトピックはあるものの、対メルセデスの差で言えば、序盤戦からそこまで大きな変化はない。

メルセデスF1は、金曜日の2回のフリー走行をピレリの2021年タイヤの評価にあてており、現行タイヤでロングランができていないことから、決勝に向けて不安要素になるという期待もあったが、杞憂だった。

分析と題してはいるが、ペース面でもタイヤ面でもそれほど大きな要因はないレースだった。メルセデスは両方のタイヤでレッドブル・ホンダよりも0.3~0.5秒速かった。

スタートは基数列が有利で偶数列が不利なことが如実に現れた。バルテリ・ボッタスはスタートに失敗し、アレクサンダー・アルボンもセルジオ・ペレスにポジションを奪われた。

ポールポジションのルイス・ハミルトンは好スタートを決め、3番グリッドのマックス・フェルスタッペンはやや出遅れたものの、意地で5番グリッドから好スタートを切ったセルジオ・ペレスの追撃をかわして2番手を守った。

さらにバルテリ・ボッタスは、リスタート時にデブリを踏んでスローパンクチャーを起こしてピットインを余儀なくされた。これで2位のスポットが空いた。

だが、マックス・フェルスタッペンがルイス・ハミルトンのDRSが使用可能になって以降、圏内である1秒以内に入った場面は一度もなかった。レースペースでは0.3秒~0.5秒の差があり、それはハミルトンがトップでタイヤをマネージングし始めてからも変わらなかった。

先に動いたのはメルセデスだった。ハミルトンが19周目にミディアムに交換し、フェルスタッペンは20周目にハードに交換した。タイヤの違いがあったが、第2スティントで5秒という間隔はほぼ変わらなかった。

2回目のピットストップではレッドブル・ホンダが先に仕掛けたが、ピットストップで手間取ってアンダーカットならず。その差は3秒台となったが、レッドブル・ホンダは優勝ではなく、ファステストラップ狙いに切り替えて46周目に再びフェルスタッペンをピットインさせて終了。53周目にセルジオ・ペレスがリタイアしてセーフティカーが導入されるまでに20秒の差がついていた。

マックス・フェルスタッペンは「あれ以上できることはあまりなかったけど、残念ながら僕たちにはスピードが足りなかった。もう少しプレッシャーをかけられたかもしれないけど、マシンのペースを考えれば結局は2位が今日のベストな結果だったと思う」と語る。

一方、アレクサンダー・アルボンはほぼ同じタイヤ戦略を採ったセルジオ・ペレスと戦うことができなかった。53周目には10秒の差がついていたが、ペレスのマシンが自滅した。そのチャンスを生かせるポジションにいられたことは大事だが、真っ向勝負では3位は難しい状態だった。

アレクサンダー・アルボンは「今日の結果は運の要素があったことは否定しないし、セルジオはいいレースをしていた。ただ、僕らも何かが起こったときに、チャンスをつかみ取ることができる位置にいたからこその結果なので、とてもうれしい」と語った。

結果的に勝利の可能性はまったく見えなかったレースだったが、バルテリ・ボッタス、セルジオ・ペレスが自ら戦線離脱してくれたおかげで、マックス・フェルスタッペンとアレクサンダー・アルボンは初めて揃って表彰台に立った。

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / ホンダF1 / F1バーレーンGP