F1 レッドブル・ホンダ ホンダF1
レッドブル・ホンダは、F1イギリスGPで表彰台こそ獲得できなかったが、ライバルであるフェラーリと戦えるという手応えを掴んでシルバーストンを後にした。

レッドブル・ホンダは、前戦オーストリアGPでマックス・フェルスタッペンが今季初優勝。勝利は勝利だが、それはレッドブル・リンクと異例の高温という特数な環境のなかで達成されたものだった。

そのため、F1イギリスGPは高速特性のより従来型のシルバーストンでどれだけの速さを見せられるかレッドブル・ホンダの真価を問われるレースとなった。

予選では、マックス・フェルスタッペンがポールポジションのバルテリ・ボッタス(メルセデス)から1.78秒、3番手のシャルル・ルクレール(フェラーリ)から約0.1秒差の4番手タイムを記録。ターボラグの問題さえなければ、ポールポジションを争えていたはずだと自信を語っていた。

マックス・フェルスタッペンは、ホンダのF1エンジンが進歩を続け、マシンセットアップも洗練されていることで、ストレートでのスピードは低くなったと感じているとレース前に語っていた。

「このコースのストレートに最適なウイング角を見つけられている」とマックス・フェルスタッペンはコメント。

「今週末、コーナリングとストレートスピードの間で妥協点を見い出した。ウイングを見れば、今年はもう少し減らして走行している。だから、ストレートでそこまで離されていないし、それでも僕たちのクルマは高速コーナーで本当にうまく機能している。昨年、ウイングを減らしても、追加のストレートでのパフォーマンスは得られなかった」とマックス・フェルスタッペンはその理由を語っている。

レース序盤は、シャルル・ルクレールの抜きあぐんでいたマックス・フェルスタッペンだが、「まだレースの先は長かったので、あまりリスクを負うような無理はせずにいた。明らかに僕たちのほうが速かったため、仕掛ける正しいタイミングを探りながらのバトルはとても楽しかった」と振り返る。

セーフティカー後のリスタートでマックス・フェルスタッペンとセバスチャン・ベッテルとの差は約2秒あったが、その差を縮めてオーバーテイクに成功。結果としてベッテルの追突によって表彰台のチャンスは潰えたが、コース上でのバトルでフェラーリを捕えた。

一方、チームメイトのピエール・ガスリーも今回のレースでは力強いパフォーマンスをみせる。スタートでこそセバスチャン・ベッテルに抜かれたガスリーだが、タイヤの違いはあったとは言え、12周目にポジションを奪い返すことに成功している。

アンダーカットを誘ったピットインにフェラーリが応じなかったことでセーフティカー時にベッテルに前に出られてしまったガスリーだが、リスタートでは再びベッテルを捕えかけるパフォーマンスを披露。最終的に2ストップでタイヤが新しいシャルル・ルクレールに抜かれた1ストップのガスリーだったが、ルクレールから0.4秒差の4位でレースをフィニッシュしている。

「ベッテルやルクレールとのバトルなど、レースを通してたくさん見応えのあるアクションを見せられたと思う。表彰台に立つためにまだ改善すべき点は残っているが、そう遠い現実ではないと感じている」とピエール・ガスリーは語った。

これまでマックス・フェルスタッペンのパフォーマンスに匹敵できていなかったピエール・ガスリーだが、シルバーストンでは大きな前進を果たした。

「物事が良くなっていると自信を持っている。チームと一緒に欠けていたパズルのピースと見つけることができた」とピエール・ガスリーはコメント。

「リセットしたとは思わない。先週と比べて運転を大きく変えたとは思わない。より多くのことがまとまっていると思うし、それがうまく機能しているように思う。まだいくつか必要なものはあるけど、あるゆる点で今週末は前進したと思う」

パワーとダウンフォースが必要となるシルバーストンでフェラーリと互角の戦いができたことはレッドブル・ホンダにとって大きな収穫となった。

フェラーリのF1チーム代表を務めるマッティア・ビノットも、レッドブル・ホンダのパッケージはほぼ互角だと危機感を募らせている。

「我々のパッケージと彼らのパッケージは非常に拮抗していると思うし、過去2レースでそれが示されたと思う。彼らが2番手か?我々が2番手? 我々はかなり拮抗していると思う」とマッティア・ビノットはコメント。

「最終的にそれは我々にさらなる後押しを与えてくれると思う。我々はさらなる改善が必要であり、どのサーキットでもすべてのレースで1位を争える実力が必要だ。ここではそうではなかったし、その点では失望しているのは確かだ。予選後は今日はもっと良い結果を期待ていたが、ペースは十分に良くなかったし、改善しなければならない部分はたくさんある」

ホンダF1は、今後のレースで“スペック4”エンジンの投入を予定しており、現状の課題である予選での改善を目指している。

田辺豊治は「他と比較して予選ではギャップは大きいと思っています。レースでもまだ遅れを取っていますが、予選ほどではありません」とコメント。

「なので、我々が追いつく必要がある次のステップは予選モードということになります」

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / ホンダF1