マックス・フェルスタッペン マクラーレンF1優位の理由は「タイヤだけではない」

今季ここまで14戦中11勝を挙げたマクラーレンは、コンストラクターズ選手権とドライバーズ選手権のダブル制覇に向けて視界良好。夏休み突入時点でフェルスタッペンは、オスカー・ピアストリとランド・ノリスにそれぞれ97点、88点差をつけられている。
パドックではMCL39の優れたタイヤ劣化抑制性能が注目されてきたが、フェルスタッペンは同マシンの強みはそれだけではないと指摘する。
中速コーナーでの驚異的パフォーマンス
先週末のハンガリーGPでフェルスタッペンは、特にインターミディエイトタイヤにおけるタイヤ管理能力でのマクラーレン優位を認めつつ、中速コーナーでの圧倒的な速さも勝敗を分ける要素だと強調した。
「確かにタイヤには優しい。タイヤを良い状態で保てるんだ。それはウェットでインターミディエイトを履いた時に顕著に分かる。あのタイヤはよりデリケートで、オーバーヒートしやすいけど、彼らはそれを完全にコントロールしている」
「同時に、中速域でのパフォーマンスは他の誰よりも驚異的だ。リアを失わずにフロントアクスルを回し込む回頭性は本当に素晴らしい。我々もそれを実現しないといけない」
今季序盤にはマクラーレンに「タイヤの水冷システムが搭載されているのでは」との疑念が浮上し、FIAが否定した経緯もあるが、4度の王者は噂よりもテレメトリーデータが雄弁だと話す。

ステラ代表「データが証明している」
マクラーレン代表のアンドレア・ステラも、フェルスタッペンの指摘を真っ向から受け止めた。
「GPSデータを見れば一目瞭然だ。いくつかのチームと速度を比較すると、中速コーナーにおいてマクラーレンは最も高いミッドコーナースピードを生み出せる。マックスの評価は正しい」
「もちろん弱点もある。非常に高速なコーナー、例えば(シルバーストンの)コプスや(スパの)プーオンでは最速ではないし、非常に低速な区間でも最速ではない」
「しかし、シーズンを通じて多くのコーナーは中速域に属しており、その領域では我々のマシンがデータ上ベストだ」
フェルスタッペンは今季鈴鹿やイモラといった高速サーキットで勝利を挙げているが、さまざまなレイアウトでの一貫性ではレッドブルはマクラーレンに及んでいない。
2025年シーズン後半戦に向け、レッドブルを含む他チームにとっての最重要課題は、マクラーレンが中速コーナーで示す「フロントのグリップとリアの安定性の絶妙なバランス」をいかに再現するかにある。
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