ランス・ストロール F1批判に擁護の声「息子に楽をさせたなどとんでもない!」

ストロールは今年、2度のF1ワールドチャンピオンであるフェルナンド・アロンソと並んで3シーズン目を迎え、輝かしい経歴を持つチームメイトとポイントで並んでいる。
しかしこのカナダ人ドライバーは、チームオーナーであるローレンス・ストロールの息子であることから、評論家やメディアから厳しい精査や批判にさらされることが多い。
ストロール・シニアは億万長者で、2018年に経営難に陥っていたフォースインディアを買収するコンソーシアムをまとめ上げ、チームをレーシングポイントへと変貌させ、2021年には名門アストンマーティンへとブランドを再編した。
息子は2019年からこのチームで走っており、これまでセバスチャン・ベッテル(アストンマーティンが獲得したもう一人のワールドチャンピオン)やセルジオ・ペレス、アロンソといったハイプロファイルなチームメイトを相手に、時に不安定なパフォーマンスを見せてきたため、他のドライバーがあまり享受できない雇用の安定性を持っているという見方が生まれてきた。
ストロールはチーム内では高く評価されており、今年はアロンソに引けを取らない実力を示すことで一段ギアを上げ、ハンガリーGPではタイトでテクニカルなハンガロリンクでの競争力を発揮したAMR25で7位フィニッシュという前半戦を締めくくった。
彼はこれまでに3度の表彰台を獲得しており、2023年と今年初めに手首の負傷からの早期回復に奮闘し、今年の夏に痛みが再発した際も欠場は1戦だけにとどめた。
ポッドキャスト番組『Pitstop』に出演した、1990年代からスクーデリアでのキャリアをスタートさせた元フェラーリ・マネージャーのジーノ・ロザートは、アストンマーティンにおける父子関係について問われると、ストロールが他の同世代とは異なるF1キャリアを歩んできたという考えを笑い飛ばした。
「これはまた、ちょっとイラッとくる話だ。」
「いつも人々が話している同じくだらないことに戻る。」
「『ランス・ストロールは金でそこに来た』。F1に来るのに金やマネージャー、スポンサー、チームなしで来たドライバーを一人でも挙げてみろ。」
「金の話はやめないか?」
「誰だってそこに来るには金が必要だということに同意するなら、それでいいだろ?」
「カナダはスポンサーや資金を見つけるにはおそらく最適な場所ではない。だから父親が金を持っていて、『じゃあそこに入れよう』となった。」
ストロールにまつわる一般的な誤解を口にしながら、ロザートはこう言った。
「『ああ、カート時代に最高の機材を全部持っていた』とかね。」
「どんなマネージャーだって――俺は全員に会ってきたが――自分の才能ある息子や選手のために最高の機材を望まない者なんていない。」
「彼はすべてのカテゴリーを経験し、必要なところで戦ってきた。」
「『ああ、でも父親が助けたいんだろ』とか言うけどな。」

ストロールのF1での最初のチームメイトは高く評価されていたフェリペ・マッサで、その後、父親のチームでのチームメイトとして4度のF1ワールドチャンピオン、セバスチャン・ベッテルが加入。ドイツ人が2022年限りでF1からの引退を選んだ後は、強敵である2度のF1ワールドチャンピオン、アロンソが加入した。
これらの人選において、ロザートはストロール・シニアが息子に楽な道を与えているわけではないことを証明していると述べた。
「本当に? 自分の息子をフェリペ・マッサ、セバスチャン・ベッテル、フェルナンド・アロンソと対峙させて、それでこの男を助けたいって?」
「このかわいそうな奴が、毎週サーキットに行って、こんなくだらないことを言われているのを想像してみろ。」
「なぜ人々は彼を助けようとしているなんて言うんだ?」
「ベッテル、アロンソ、マッサと良い思いをしたドライバーを他に挙げてみろ。」
「この連中は大物フロントランナーだ。」
「毎週アロンソと向き合うんだ。」
「ベッテルとだってそうだ、そこから学ぶんだ。」
「でも、精神的には、このかわいそうな奴は……毎週マイク・タイソンと戦うようなものだ!」
「息子に楽をさせたなんてとんでもない!」
今年5月には、2026年の大改革を前にアストンマーティンに加入した名車デザイナーのエイドリアン・ニューウェイも、このカナダ人ドライバーはもっと評価されるべきだと語っている。
ニューウェイはこれまで、ベッテル、マックス・フェルスタッペン、ミカ・ハッキネン、キミ・ライコネンといったワールドチャンピオンドライバーと仕事をしてきた人物で、こう述べた。
「ランスは不当に悪い評価を受けていると思う。」
「彼がこれまで比較されてきたチームメイト――チェコ(セルジオ・ペレス)、ニコ・ヒュルケンベルグ、セバスチャン(ベッテル)、そして今のフェルナンド――と比べても、十分にそこにいる。」
「F1にたどり着くドライバーは誰だって明らかに優れているが、ランスは人々が与えている評価以上にずっと優れていると思う。」
カテゴリー: F1 / ランス・ストロール / アストンマーティンF1チーム