ホンダF1 スクーデリア・トロ・ロッソ レッドブル・レーシング F1
レッドブル・レーシングとトロ・ロッソの両方を監督する対場にああるモータースポーツアドバイザーのヘルムート・マルコが、2017年シーズンを振り返るとともに、2018年シーズンへの展望を語った。

レッドブル・レーシングは、シーズン後半には勝利を争えるポジションまで挽回したものの、スタートで出遅れ、ルノーのF1パワーユニットにトラブルが多発したこともあり、コンストラクターズ選手権を3位で終えた。

「シーズンのスタートは良いものではなかった」とヘルムート・マルコはレッドブルの2017年シーズを振り返る。

「我々は相関関係に問題を抱えており、競争力に欠けるシャシーでシーズンをスタートせざるを得なかった。我々はヨーロッパシーズンの初戦となるバルセロナでそれを変えることができた。ブダペスト以降は競争力のあるシャシーを持っていたと言える。傑出したシャシーを持っていたと言っても過言ではないだろう! エンジン面では多くの信頼性問題を抱えていたことは秘密ではないし、それがエンジンメーカーのさらなるパワー開発を妨げていた」

「ドライバーに関しては、リカルドはシーズン前半に少し苦しんでいたが、その後は適応し、いくつかの場面では、マックスと同じ、時には速いこともあった。私の意見では、二人のドライバーは昨シーズンから発展している。彼らはお互いを次のレベルへと押し上げたし、来年はトップへと進むことを期待している」

「状況によって・・・もしくは運と言っておこう・・・我々は10以上のDNFがあった。想像してみてほしい! この抜きんでた記録がそれ自体を物語っている。それがなければ、我々は両方のチャンピオンシップでさらに上位にいただろう。おそらく2位は我々のものだっただろう」

ヘルムート・マルコは、ダニエル・リカルドよりもダニール・クビアトを評価していると見られているが、「マックスをひいきしたことはない!」と反論。

「だが、予選では大部分で彼の方が速かった。彼のシーズンは7つのDNFによって簡単ではなかったし、実際、彼の士気が下がっていたこともあった。だが、それは彼にとって険しい学習プロセスだったが、彼は以前よりも向上した。2つの勝利がその証拠だ。我々にはナンバー1はない。二人のドライバーが同等の扱いを受けている。順位関係を定義するのは彼ら次第だ。私は常に速い方を好むだろうがね!(笑)

トロ・ロッソは、シーズン途中に二人のドライバーを交替することになり、最終的にルノーに逆転されてコンストラクターズ選手権を7位で終えている。

「トロ・ロッソはそれなりのスタートを切った。そのあと、彼らは信じられないような信頼性問題に遭遇した。信じられないくらいのね!」とヘルムート・マルコはコメント。

「クルマの開発という面でも、本来の開発ができなかった。彼らは今、来年、そして、ホンダとの協力に集中している。発表以来、すべての努力が注ぎ込まれている」

「ドライバー? シーズンをスタートしたドライバーは最後にはいなくなってしまった!(笑) カルロス(サインツ)はルノーにローン移籍となり、(ダニール)クビアトはいなくなったので、トロ・ロッソはシーズン途中に2枚の白紙のページとともに再スタートしなければならなかった。環境を考えれば、(ピエール)ガスリーとブレンドン(ハートレー)は本当にうまくやったと思う。良いニュースは、もうブランドンはポルシェとF1の間で行ったり来たりしなくてもいいということだ。来年、トロ・ロッソには非常に有望なドライバーラインナップがいると確信している」

ダニール・クビアトは自分自身にプレッシャーをかけて自滅したが、「残念ながら、我々には理由はわからない」とヘルムート・マルコは語る。

「おそらくそれが原因で我々はそれ治すことができなかった。F1での初年度に彼は覚醒したし、しばしばリカルドよりも速かった。それが理由で我々は彼をレッドブル・レーシングに昇格さえた。だが、その後、突然に彼は下降していった。残念ながら、そのようなことは起こるものだ。我々は1度ならず彼に公正なチャンスを与えたが、彼は自分のポテンシャルを生かすことができなかった。そのようなことは起こるものだ」

また28歳というトロ・ロッソにしては遅咲きでのF1デビューを果たすことになったブレンドン・ハートレーについては「我々には準備ができているジュニアドライバーはいなかったので、周りを見渡し始めた。実際、ブレンドは20歳のように見える。ティーンネイジャーにさえ見えるかもしれない!(笑) それでも、そうだね、ブレンドンを雇うのは標準外のことだった。異なるストーリーだ。我々は彼に満足している」とヘルムート・マルコは語る。

2018年にトロ・ロッソはホンダのエンジンを搭載する。そして、2019年にはレッドブル・レーシングがホンダのエンジンを搭載する可能性も取り沙汰されている。

「我々はトロ・ロッソとホンダの協力に非常に満足している」とヘルムート・マルコは語る。

「トロ・ロッソは、競争力のあるシャシーを造ることに全力を注いでいる。我々はホンダを信じている。そうでなければ、契約を締結することはなかった。彼らの施設と勝利への決意にはとても感銘を受けている。すべてをまとめられるかどうかの問題であり、その瞬間は皆が予想しているよりもはやく訪れると信じている。我々は非常に密接に観察していくことになる。2018年以降はすべてがオープンだ!」

2018年、ルノーのカスタマーにはマクラーレンが加わる。レッドブルのルノー製F1パワーユニットを搭載するチームのなかでトップの座を維持できるだろうか?

「これまでルノーは常に我々に対してフェアだった」とヘルムート・マルコは語る。

「我々は今年の教訓から学んだ。我々はバルセロナのテストで競争力のあるシャシーを示すことができなかった! 我々はスケジュールや冬の準備の方法を変更した。F1は競争だ。彼らが良くなるのであれば、我々はさらに懸命に作業しなければならない」

「信頼性のあるパワーユニットが得られれば、良いパフォーマンスを発揮できるはずだ。より多くの馬力があれば、我々はメルセデスにもっと近づけるはずだ。実際、ヴォルフは水晶玉でそのようなシナリオを見ることになるだろう。エキサイティングなシーズンになるだろ。それは確かだ」

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / トロロッソ / ホンダF1