レーシングブルズF1に罰金 CDS不備でローソン車両の赤旗回避できず
リアム・ローソン(レーシングブルズ)は、2026年F1カナダGPのFP1でマシントラブルによりコース上にストップし、セッションは赤旗中断となった。この件についてFIAは調査を行い、レーシングブルズに3万ユーロ(約555万円)の罰金を科した。

ただし、そのうち2万ユーロ(約370万円)は今後12か月以内に同様の違反がないことを条件に執行猶予となるため、実際にチームが支払う金額は1万ユーロ(約185万円)となる。

FIA(国際自動車連盟)は、クラッチ解除システムが規則どおりに機能していれば、赤旗ではなくバーチャルセーフティカーで対応できた可能性があったとして、この問題を「重大」と位置づけた。

ローソン車両のCDSが作動せず赤旗に発展
FP1でローソンはパワーステアリングの喪失を報告し、第1シケインでコースオフ。その後、第2シケインを抜けた先でマシンを停止させた。当初はバーチャルセーフティカーで対応されていたが、マーシャルによる回収作業が難航し、最終的に赤旗へと切り替えられた。

FIAの調査では、ローソンのVCARB 03に搭載されていたCDS(クラッチ解除システム)が規則どおりに作動しなかったことが問題視された。CDSは、エンジンが停止した状態でマシンを動かせるようクラッチを解除するための装置だが、今回のケースではマーシャルが作動させてもクラッチが解除されず、マシンを移動できなかった。

油圧漏れが発端、CDSの二重用途にもFIAが懸念
FIA文書によると、今回のトラブルはジョイントの破損による油圧漏れが原因で発生した。チーム側は、同車のCDSが本来のクラッチ解除機能に加え、アンチストールシステムにも関係する二重の役割を担っていると説明した。

スチュワードは、この設計についてFIA技術代表が懸念を示したことも明らかにしている。さらに、レーシングブルズは2025年にもCDSシステムの設計について警告を受けていたとされ、今回の判断ではその経緯も重く見られた。

ローソンはマーシャル対応にも疑問を提示
一方で、ローソンはスチュワードに対し、現場での対応について2点の懸念を示した。ひとつは、自身の指示や一般的な手順に反して、マーシャルが停止中のマシンを押そうとしたこと。もうひとつは、CDSを作動させようとしたマーシャルが、実際にはCDSボタンではなくオンボードカメラのボタンを押そうとしていたことだった。

FIAはこの点について、シングルシーター回収仕様に関する明確な文書を配布しているとしつつも、文書だけでは不十分であり、主催者側による実地訓練の補強が必要だと認めた。

スプリント予選欠場にもつながった痛いトラブル
この一件は、レーシングブルズにとって罰金だけでなく競技面でも大きな痛手となった。ローソンのマシンはスプリント予選までに修復が間に合わず、同セッションを欠場。FP1でマーモットと接触して大きな損傷を負ったウィリアムズのアレックス・アルボンとともに、スプリント予選に出走できなかった。

ローソンのトラブルは単なるマシン停止にとどまらず、回収手順、CDS設計、マーシャル訓練という複数の問題を浮き彫りにした。FIAが「重大」と表現した背景には、赤旗中断そのものだけでなく、本来なら短時間で処理できたはずのインシデントが、システム不備によってセッション全体に影響を及ぼしたという判断がある。

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カテゴリー: F1 / ビザ・キャッシュアップRB / F1カナダGP