2020年 F1イタリアGP 決勝:ピレリ タイヤ戦略解説
ピレリが、2020年のF1世界選手権 第8戦 F1イタリアGP 決勝でのタイヤ戦略を振り返った。

アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーが、全3種類のピレリタイヤを使用して、モンツァでF1初優勝を飾った。26周目に発生した赤旗中断に伴い、ドライバーたちはピットでタイヤ交換を行った。16:20に再スタートしたイタリアグランプリは、残り27周のスプリントレースの様相を呈することとなった。

レーシングポイントのランス・ストロールは赤旗によるフリーピットストップを有効に活用し、3位を獲得した。ストロールは、赤旗中断前にただひとりピットストップを行っていなかった。

メルセデスのルイス・ハミルトンは、ポールポジションからのスタート後トップを走行していたが、10秒のストップ・アンド・ゴーペナルティを科された。ハミルトンは、イエロー・ミディアムタイヤでの再スタート後、このペナルティを実行しホワイト・ハードへのタイヤ交換を行った。最下位でコースに戻ったハミルトンは、最終的に7位でフィニッシュした。

赤旗前にも多様なタイヤ戦略が展開されていたが、再スタート時には、全3種類のコンパウンドが登場するなど、広範囲に渡るタイヤの使用が見られた。そのようななか、トップ6はミディアムタイヤで再スタート後のスティントを走行した。

再スタート後、ピットストップは発生しなかった。ルノーのエステバン・オコンは、レッド・ソフトで27周を走行し、8位でフィニッシュした。

温暖なドライコンディションが継続し、再スタート時の気温は30度、路面温度は41度だった。

■各コンパウンドのパフォーマンス
【ハードC2】
ルイス・ハミルトンはファイナルスティントで、優勝したガスリーは赤旗中断前の第2スティントでハードを使用した。

【ミディアムC3】
大半のドライバーが再スタート時にミディアムを選択した。スピードと耐久性をあわせ持つミディアムは、高速スプリントレースでその特徴を実証した。

【ソフトC4】
再スタート時、アルファロメオの両ドライバーとルノーのオコンがソフトを装着した。また、レーススタート時のグリッドトップ10は、全員ソフトを装着していた。

マリオ・イゾラ (ピレリ カーレーシング責任者)
「全3種類のコンパウンドが良好に機能していました。レース戦略は、赤旗によってリセットされました。セーフティカー導入後の赤旗中断が、極めて予測不可能かつ魅力的なグランプリを演出しました。実質的に27周のスプリントレースになったことで、ドライバーたちは、レース後半を走り切るタイヤをマネージメントする必要がありました。記憶に残る完璧にマネージメントされた優勝を達成したピエール・ガスリーとアルファタウリをはじめ、表彰台を獲得したマクラーレンのカルロス・サインツ、レーシング・ポイントのランス・ストロールを祝福したいと思います。このトップ3はまったく異なる戦略を使用していました」

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カテゴリー: F1 / ピレリ / F1イタリアGP