ピレリ F1アメリカGP
ピレリが、2012年 第19戦 F1アメリカGPが開催されるサーキット・オブ・ジ・アメリカズでのレースをタイヤメーカーの観点から解説した。

今週末、F1チームとピレリは、初めてレースが行われる新設サーキットのサーキット・オブ・ジ・アメリカで開催される初のアメリカGPに臨む。

ピレリは、F1アメリカGPにP Zeroシルバー・ハードタイヤとP Zeroホワイト・ミディアムタイヤを持ち込む。

これはタイヤ性能に関して多くの未知の要素が存在するサーキット用として、適度に保守的な選択となっている。

また、全く新しいこのサーキットについて習熟するため、各チームには、金曜日に行われる2回のフリー走行セッション用に1セットのハードタイヤが追加供給される。

ひとつ確実なことは、このテキサスのサーキットが高速であり、高い気温がタイヤにメカニカルな要求を課す厳しいサーキットであること。全長5.515kmのトラックは高低差があり、低速でテクニカルなセクションと高速セクションを併せ持っている。路面は非常にスムーズである。

ラップ序盤のセクターが特に厳しく、ターン1にユニークに配置されたヘアピンや、シルバーストンやスパを思い起こさせるターン4〜6の急速で連続した方向転換がある。このセクターでは、特にコーナリング時の荷重の大半を受け止めなければならない外側のタイヤ構造に大きな負荷がかかる。低速コーナー脱出時の適正なグリップを見出すために、トラクションもアメリカGPでのタイヤ性能の不可欠な要素となる。

オースティンのサーキットに関する過去のデータは存在しないため、ピレリは先進的なシミュレーション技術を使用してこのサーキットでのタイヤ動作を予測。各チームは、レース戦略イメージを構築する際に過去の類似したデータを使用すると思われるが、今回のフリー走行で得られる情報は通常よりも大きな重要度を持つことになる。各チームは、様々な燃料搭載量で、できる限り多くのタイヤデータの収集を試みようとし、追加供給されるハードタイヤが各チームの最大限の走行を可能にする。

ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
「オースティンは、バーレーンやホッケンハイムとともに今年のF1グランプリにおいて、我々にとって初めてとなる3つのサーキットのひとつですが、バーレーンでは過去にテストを実施しており、ホッケンハイムではGP3の経験があります。したがって、あらゆる意味で、アメリカGPは我々にとって今シーズンで最も大きなチャレンジとなります。しかし、我々は未知の領域へ入っていくことには慣れています。昨年は、ほとんどのサーキットが我々にとって初めてだったのですから。収集したアスファルトのサンプルとシミュレーションデータから、ここは非常に厳しいサーキットであると判断したため、ハードコンパウンドとミディアムコンパウンドを選択しました。初体験のサーキットにおいてあらゆる可能性をカバーしようとすると、当然、やや保守的な選択となりますが、アブダビでは保守的な選択の中でも、今シーズン最もエキサイティングなレースのひとつを見ることができました。私たちはF1とともにアメリカに戻ってきたことを本当に嬉しく思います。アメリカは我々にとって重要なマーケットですし、ファンも非常に熱狂的です。このレースの大きな盛り上がりを感じています。チャンピオンシップが大接戦となっているため、これ以上ない最高のレースとなるでしょう」

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カテゴリー: F1 / ピレリ / F1アメリカGP