ピレリ:F1アブダビGPプレビュー
ピレリが、F1アブダビGPが開催されるヤス・マリーナ・サーキットサーキットをタイヤメーカーの観点から解説した。
ヤス・マリーナ・サーキットは、昨年のシーズン終了直後、各チームがP Zeroコンパウンドを初めてテストした場所であり、ピレリにとって非常に大きな意味のある場所。その2日間のテストや、その他のピレリによるテストセッションも含めると、これまでに幅広い種類のP Zeroタイヤをテストしており、全長5.554kmのサーキットはピレリにとって最もF1経験の多い場所だと言える。
21のコーナーと2本の長いストレートで構成されるこのサーキットに、ピレリは、P Zeroホワイト・ミディアム・タイヤとP Zeroイエロー・ソフト・タイヤを持ち込む。
アブダビGPは他とは異なり、夕暮れの中でスタートし、夜間にフィニッシュを迎える。したがって、路面温度は下降し、その後は安定するため、タイヤの寿命は延びる。レース週末を通して、周囲の砂漠から飛んで路面に積もっていた砂が清掃されることもあり、ある程度の路面の良質化もむ。ただし、砂は夜間に再び路面に舞い落ちるため、路面は毎日汚れた状態からの再スタートとなる。
長いストレートは、タイヤのショルダー内部に大きな負荷を生じさせる。ラップ序盤のターン2、3、4と流れるように続くコーナーの連続も、タイヤ性能を試す良い試練となる。
通常、各チームには、レース週末に11セットのスリックタイヤ(ミディアム6セット、ソフト5セット)、4セットのインターミディエイト・タイヤと3セットのウエット・タイヤが供給される。今回は、金曜フリー走行時に、試験用のソフト・コンパウンドが2セット追加提供される。
レース後には、11月15日〜17日まで、3日間の若手ドライバーのテストが行なわれる。各チームは、4種類のスリックタイヤを、各チーム年間100セットというテスト用タイヤの枠組みの中で自由に選ぶことができる。それに加えて、ピレリは2012年に向けたプロトタイプのタイヤをいくつかテストする予定となっている。
ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
「シーズンのこの段階において、我々が重要視しているのは来年に向けたタイヤ選択の微調整です。フリー走行や若手ドライバー・テストに新型タイヤをいくつか投入するのは、そのためなのです。シーズン中にはテスト機会がほとんどありませんから、今年とは少し異なる特性となる2012年に向けたタイヤを開発する上で、これは我々にとって重要なデータ収集の機会なのです。我々は、テスト地としてヤス・マリーナ・サーキットには非常に精通しています。ですから、今週末のタイヤ選択は、サーキット特性に適していると自信を持っています。アブダビは、本当に素晴らしい設備を備えており、オーバーテイクポイントもいくつかあります。我々の1周年をここで迎えられて、非常に嬉しく思っています」
ペドロ・デ・ラ・ロサ (マクラーレン・メルセデス)
「シーズン開幕前にピレリのテストをして、アブダビには素晴らしい思い出があるよ。多くを学び、今シーズンがどのようになってくかを感じ取り、とてもポジティブな仕事ができたんだ。今シーズンのF1が成功した理由のひとつは、ピレリとタイヤのデザインによるところが大きい。去年よりもピットストップ回数が増え、デグラデーションが大きくなったことでレースがさらにエキサイティングになったんだ。アブダビはスムーズな路面で、タイヤにはそんなに厳しくない。特にリアには厳しくなくて、デグラデーションも限定されている。だから、ハード側のコンパウンドのウォームアップには時間がかかるかもしれないし、ソフト・タイヤの方が上手く機能すると思う。ソフトがレースで多用されることになるだろう。でも、最新のF1マシンは、僕たちがテストに使用していたクルマに比べれば、ダウンフォースの量も大幅に増えているから、状況も変わってくるかもしれないね。今年僕が学んだことのひとつは、心を広く持ち、レース中タイヤの変化に対して極めて迅速に対応しなければならない、ということだ。韓国GPでもそうだった。スーパーソフトとソフトという選択は、みんながアグレッシブ過ぎると思っていたけど、ピットストップは2回だけで、実際には素晴らしい選択だったんだからね。みんなアブダビでのレースを今回も楽しめるだろう。2つのオーバーテイクポイントがあり、素晴らしいサーキットだよ。いくつか高速コーナーもあり、シケインへのヘビーブレーキングや、低速で技術的に難しい最終セクターもある。アブダビでもうひとつ優れているのは、良質なアスファルトのランオフエリアが多くて、非常に安全だという点だね。だから、大きなリスクを冒すことなく、何かを試したりもできるんだ」
関連:F1-Gate.com YouTubeチャンネル
カテゴリー: F1 / ピレリ
ヤス・マリーナ・サーキットは、昨年のシーズン終了直後、各チームがP Zeroコンパウンドを初めてテストした場所であり、ピレリにとって非常に大きな意味のある場所。その2日間のテストや、その他のピレリによるテストセッションも含めると、これまでに幅広い種類のP Zeroタイヤをテストしており、全長5.554kmのサーキットはピレリにとって最もF1経験の多い場所だと言える。
21のコーナーと2本の長いストレートで構成されるこのサーキットに、ピレリは、P Zeroホワイト・ミディアム・タイヤとP Zeroイエロー・ソフト・タイヤを持ち込む。
アブダビGPは他とは異なり、夕暮れの中でスタートし、夜間にフィニッシュを迎える。したがって、路面温度は下降し、その後は安定するため、タイヤの寿命は延びる。レース週末を通して、周囲の砂漠から飛んで路面に積もっていた砂が清掃されることもあり、ある程度の路面の良質化もむ。ただし、砂は夜間に再び路面に舞い落ちるため、路面は毎日汚れた状態からの再スタートとなる。
長いストレートは、タイヤのショルダー内部に大きな負荷を生じさせる。ラップ序盤のターン2、3、4と流れるように続くコーナーの連続も、タイヤ性能を試す良い試練となる。
通常、各チームには、レース週末に11セットのスリックタイヤ(ミディアム6セット、ソフト5セット)、4セットのインターミディエイト・タイヤと3セットのウエット・タイヤが供給される。今回は、金曜フリー走行時に、試験用のソフト・コンパウンドが2セット追加提供される。
レース後には、11月15日〜17日まで、3日間の若手ドライバーのテストが行なわれる。各チームは、4種類のスリックタイヤを、各チーム年間100セットというテスト用タイヤの枠組みの中で自由に選ぶことができる。それに加えて、ピレリは2012年に向けたプロトタイプのタイヤをいくつかテストする予定となっている。
ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
「シーズンのこの段階において、我々が重要視しているのは来年に向けたタイヤ選択の微調整です。フリー走行や若手ドライバー・テストに新型タイヤをいくつか投入するのは、そのためなのです。シーズン中にはテスト機会がほとんどありませんから、今年とは少し異なる特性となる2012年に向けたタイヤを開発する上で、これは我々にとって重要なデータ収集の機会なのです。我々は、テスト地としてヤス・マリーナ・サーキットには非常に精通しています。ですから、今週末のタイヤ選択は、サーキット特性に適していると自信を持っています。アブダビは、本当に素晴らしい設備を備えており、オーバーテイクポイントもいくつかあります。我々の1周年をここで迎えられて、非常に嬉しく思っています」
ペドロ・デ・ラ・ロサ (マクラーレン・メルセデス)
「シーズン開幕前にピレリのテストをして、アブダビには素晴らしい思い出があるよ。多くを学び、今シーズンがどのようになってくかを感じ取り、とてもポジティブな仕事ができたんだ。今シーズンのF1が成功した理由のひとつは、ピレリとタイヤのデザインによるところが大きい。去年よりもピットストップ回数が増え、デグラデーションが大きくなったことでレースがさらにエキサイティングになったんだ。アブダビはスムーズな路面で、タイヤにはそんなに厳しくない。特にリアには厳しくなくて、デグラデーションも限定されている。だから、ハード側のコンパウンドのウォームアップには時間がかかるかもしれないし、ソフト・タイヤの方が上手く機能すると思う。ソフトがレースで多用されることになるだろう。でも、最新のF1マシンは、僕たちがテストに使用していたクルマに比べれば、ダウンフォースの量も大幅に増えているから、状況も変わってくるかもしれないね。今年僕が学んだことのひとつは、心を広く持ち、レース中タイヤの変化に対して極めて迅速に対応しなければならない、ということだ。韓国GPでもそうだった。スーパーソフトとソフトという選択は、みんながアグレッシブ過ぎると思っていたけど、ピットストップは2回だけで、実際には素晴らしい選択だったんだからね。みんなアブダビでのレースを今回も楽しめるだろう。2つのオーバーテイクポイントがあり、素晴らしいサーキットだよ。いくつか高速コーナーもあり、シケインへのヘビーブレーキングや、低速で技術的に難しい最終セクターもある。アブダビでもうひとつ優れているのは、良質なアスファルトのランオフエリアが多くて、非常に安全だという点だね。だから、大きなリスクを冒すことなく、何かを試したりもできるんだ」
ピレリ:ヤス・マリーナ・サーキット解説(F1アブダビGP)
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