ピレリ 2025年F1残り10戦のタイヤ選定を発表 … 戦略多様化へ変更多数
ピレリは2025年F1シーズンの残り10戦に向けたタイヤコンパウンドの選定を正式発表し、戦略の多様化とレース中のアクション増加を狙った複数の重要な変更を導入する。

この発表はFIAおよびF1と連携のもと行われたもので、ザントフォールトやバクーでのソフト寄りの選定を含み、他の数戦でもラインアップが見直されている。年間を通して収集したデータ、シミュレーション解析、そして複数回のピットストップを促すという継続的な目標に基づき決定された。

■ ザントフォールト:2024年より1段階ソフトに
オランダGPでは、昨年のC1〜C3(最もハードな組み合わせ)から一段階ソフトなC2(ハード)・C3(ミディアム)・C4(ソフト)が選定された。昨年は1ストップが主流だったが、今年は戦略にバリエーションが生まれる可能性がある。

■ バクー:新コンパウンドC6を再投入
バクーでは、2025年から導入されたC6がソフトとして使用され、C4(ハード)・C5(ミディアム)との組み合わせとなる。2024年のC3〜C5構成よりソフト化されたことで、低デグラデーションかつセーフティカーの多いバクーにおいても戦略幅が広がる見込みだ。

■ オースティン&メキシコ:"段差"構成を再採用
スパで試験的に導入された「段差」のある構成が、アメリカGPとメキシコGPでも導入される。具体的には、ミディアムとソフトは昨年と同じながら、ハードタイヤを1段階ハード側に変更。オースティンではC2→C1、メキシコではC3→C2へと見直される。

■ サンパウロ:C5除外で安定性重視
2024年にC5がレースに適さなかったことを受け、ブラジルGPでは昨年同様のC2〜C4を使用し、超ソフトなC5は排除される。

■ その他の開催地は昨年と同様
以下の5戦では2024年と同じコンパウンド構成が維持される:

・モンツァ
・シンガポール
・ラスベガス
・アブダビ
・カタール(高い横Gと摩耗に対応するため、C1〜C3の最もハードな組み合わせ)

タイヤ F1

■ マリオ・イゾラのコメント
ピレリのモータースポーツ部門責任者マリオ・イゾラは、次のように語った。

「すべての残りレースに向けてコンパウンド選定を事前発表するのは、チームにとって最適な準備を可能にするためだ」

「変更点はいずれもFIAとプロモーターと協議し、データとシミュレーション解析に基づいて決定された。常に一貫した目的があり、それは1ストップと2ストップ戦略のバランスを取り、エキサイティングで見応えのあるレースを提供することにある」

「唯一の正解があるわけではないが、現実のレース状況を見つめなければ、確かな答えは得られない」

C6コンパウンドは今年初めにデビューし、ピレリのドライ用スリックタイヤのラインアップは7種類に拡充。これにより、各サーキットの特性や戦略目標に応じた柔軟な選定が可能になっている。

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カテゴリー: F1 / ピレリ / FIA(国際自動車連盟)