セルジオ・ペレス、待望のF1初優勝「この瞬間を何年も夢見てきた」 / レーシング・ポイント F1サヒールGP 決勝
レーシング・ポイントのセルジオ・ペレスは、劇的な展開となった2020年のF1世界選手権 第16戦 F1サヒールGPで待望のF1初優勝。F1参戦から10年目、190戦目という史上最長となるF1初勝利だった。

オープニングラップでシャルル・ルクレール(フェラーリ)に衝突された最後尾まで順位を落としたとき、パルクフェルメでセルジオ・ペレスがマシンから落りて拳を突き上げている姿を誰が想像できただろう。

新型コロナウイルス感染による2レースの欠場、2021年のセバスチャン・ベッテルの加入によるレーシング・ポイントのシート喪失など、30歳のセルジオ・ペレスによって厳しいシーズンだった。

「ちょっと言葉が出ないよ」と目に涙を浮かべたセルジオ・ペレスは語った。

「夢じゃないことを願っている。この瞬間に何年も夢を見てきた。10年、10年かかった。信じられない。なんて言っていいかわからない」

2020年に2回、通算10回目の表彰台となったセルジオ・ペレスは5番グリッドからレースをスタート。オープニングラップで3番手にチャレンジした。しかし、マックス・フェルスタッペンをイン側からオーバーテイクしようとしたシャルル・ルクレールがタイヤをロックさせ、ターンインしてきたセルジオ・ペレスに衝突。

シャルル・ルクレールとマックス・フェルスタッペンはリタイアしたが、セルジオ・ペレスは続行することができ、セーフティカー中にピットインして新品タイヤに交換。最後尾から追い上げることになった。

だが、62周目にジャック・エイトケン(ウィリアムズ)がクラッシュしてセーフティカーが導入されたときに状況は急変する。メルセデスはダブルストップを敢行するが、ジョージ・ラッセルは間違ってバルテリ・ボッタスのタイヤを装着されたことで再ピットインを余儀なくされ、そのせいでバルテリ・ボッタスはタイヤを交換することができず大きくタイムロス。セルジオ・ペレスはトップに躍り出た。

「1周目の後、『またレースは終わってしまった。先週末と同じだ』と思った」と1週間前に同じ会場でMGU-Kの故障によってレース終了間際に表彰台の可能性から一転してリタイアに追い込まれていたセルジオ・ペレスは語る。

「でも、諦めないことが重要だった。挽回ずにそれを目指すこと、とにかく可能な限りベストを尽くそうとした。今シーズンは運が悪かったけど、やっと運が巡ってきた」

ジョージ・ラッセルは、余分なピットストップの後、セルジオ・ペレスの後方2番手まで順位を上げていた。しかし、スローパンクチャーが発生して再びピットインを余儀なくされ、優勝争いから脱落した。

しかし、セルジオ・ペレスは決勝でのマシンを“リムジン”と表現し、ジョージ・ラッセルがパンクに見舞われることがなかったとしても勝てるペースがあったと考えている。

「今日、僕たちは実力で勝ったと思っている。確かにメルセデスはいくつか問題を抱えていたけど、最終的に僕のペースは今日素晴らしいレースをしていたジョージ(ラッセル)を十分に抑えられる強さがあった」

「最初のセーフティカー中に大きなミスを犯した。左フロントタイヤをひどくロックさせてしまい、第1スティント全体で非常に多くのバイブレーションが発生していた。でも、第2スティントでそれはすぐに解消されたし、チーム『このマシンはまるでリムジンのようだ。振動もなく楽に運転できる』とチームに伝えた。ペースは素晴らしかったし、週末を通して僕たちはレースをかなりうまく読むことができたと思う。2ストップになると思ってここに来たけど、金曜日のロングランの直後に今日何をしなければならないかを僕たちは分かっていた」

必然的に今日のパフォーマンスが2021年のF1シートを確保するために十分であるかに話は向けられた。セルジオ・ペレスにとってレッドブル・ホンダが唯一の現実的な着地点だが、それでもレッドブルの気持ちはアレクサンダー・アルボンに傾いている。

「正直に言うと、自分自身にもう少し平和を与えるだけだ」とセルジオ・ペレスは答えた。

「現時点で起こっていることはあまりに僕の手の中にはない。続けたいと思っている。来年のグリッドが駄目でも、22年に戻ってくるつもりだ」

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カテゴリー: F1 / セルジオ・ペレス / F1バーレーンGP / レーシングポイント