ピアストリの10秒ペナルティをパーマーが解説「強引にいけばノーペナだった」

5周目のセーフティカーリスタートで、キミ・アントネッリが加速時にわずかにホイールスピン。これを合図に後続のピアストリとシャルル・ルクレールが一気に接近し、3ワイドでターン1へ進入した直後に接触が発生。ルクレールはリタイアし、ピアストリには10秒加算の裁定が下された。
■ パーマー「ピアストリはむしろ接触を避けた側」
パーマーはこの裁定を「厳しすぎる」と評価し、スチュワードがガイドラインを“形式的に”適用した結果、実戦の状況が十分考慮されていないと指摘した。
「ピアストリは厳しく裁かれた。ガイドラインの適用は理解できるが、私の見解では完全にレーシングインシデントだ」
「オスカーはアントネッリの内側にスペースがあるのを確認し、外側に2台いる状況を理解していたからこそ、早めにブレーキを踏んだ。それがむしろ裏目に出た」
FIAのガイドラインでは、オーバーテイクを試みる側はアペックスの前後で“ミラーまで前軸が並んでいる”ことが求められる。
スチュワードは接触時点で並びが不十分、かつロックアップがあったとしてペナルティを決定した。
■ 「強引に突っ込んだ方が合法だった」ガイドラインの矛盾
パーマーが特に問題視したのは、慎重なアプローチをしたピアストリが罰せられ、逆に“強引な突っ込み”であればペナルティ回避の可能性があったという不整合だ。
「もしピアストリがもっと深くブレーキを遅らせていれば、ガイドライン上は並べていると判断された可能性が高い。強引でリスクが大きくても、場合によってはノーペナルティになる」
「メキシコGPのフェルスタッペン対ハミルトンのように、アグレッシブな動きでもガイドラインの解釈次第で合法になるケースがある」
ピアストリは安全側の判断としてイン側のラインを確保しようと早めに減速したが、アントネッリがアペックスへ向かったことでスペースが消失。結果としてロックアップを招き、裁定の判断材料となった。
■ アントネッリ側にも“責任の余地”?
パーマーは、外側のルクレールが十分なスペースを残していた点を評価しつつ、アントネッリのライン取りにも疑問を呈した。
「ルクレールは問題のないラインを走っていたが、アントネッリはもう少しスペースを与えるべきだった可能性がある」
ただし、3ワイドの状況では判断が非常に難しく、外側の動きを予測することも困難だと補足した。
最終的にはこう結論づけている。
「現実的にはこれはレーシングインシデントだ。激しいレースの中で起こり得ることで、今回はルクレールに不運が集中しただけだ」

■ FIAガイドラインへの不満高まる可能性
パーマーは今回の件をきっかけに、ドライバーたちからFIAへ「ガイドラインの運用見直し」を求める声が高まる可能性を示唆した。
「私は、ドライバー同士がスペースを与え合って戦うレースを見たい。アペックス権利の主張だけで急旋回するような状況は望ましくない」
「この件は次戦ラスベガスでのドライバーブリーフィングでも議題に上がるだろう」
接触の多かったサンパウロGPを経て、今後FIAがルール運用を柔軟に見直すのかにも注目が集まる。
カテゴリー: F1 / オスカー・ピアストリ / マクラーレンF1チーム / F1ブラジルGP
