レッドブルF1 マルコ「ピアストリはプレッシャーに耐えきれていない」

マックス・フェルスタッペンはRB21のアップデートにもかかわらず予選5番手に終わり、ピアストリもふるわず8番手。カルロス・サインツのペナルティで7番手に繰り上がったとはいえ、チャンピオンシップ首位の座を守るには厳しい結果となった。
マルコは『Kleine Zeitung』に対し、「もちろん我々はまだマクラーレンの助けが必要だ」と述べたうえでこう語った。
「ピアストリはどうやらプレッシャーにうまく対処できていないように見える。確信はないが、最近の様子を見ているとそう思う。」
レッドブルの目標は控えめだという。
「すべてが完璧に進めば、表彰台もあり得るだろう。ピアストリとの差を縮めたいが、ノリスには逆にポイントを失うかもしれない。これでさらに接戦になる。緊張感は続くだろう。」
フェルスタッペン自身も冷静さを保ちつつ、予選後のインタビューでマシンの不調を隠さなかった。
「この週末は全体的に悪かった。特にセクター2は最悪だ。オンボードを見れば分かると思うけど、バランスもグリップもまったくない。レースではさらに悪化すると思う」とViaplayに語った。
マルコもノリスの強さを認める。
「ロングランのペースを見る限り、ノリスは引き離していくだろう。彼はこのサーキットでは無敵だと思う。ただし、それ以外は何が起きてもおかしくない。」

一方、ピアストリの失速はマクラーレン内部でも議論を呼んでいる。シーズン中盤には104点あったフェルスタッペンへのポイント差は、今や40点にまで縮まった。
ピアストリは『Sky Italia』に対し、状況をこう説明した。
「ここ2戦はこれまでと違う。ペースがない。仕事の方向性は間違っていないと思うけど、なぜかタイムが出ない。この状況は気に入っていない。リズムを取り戻すことが課題で、今はチャンピオンシップのことは考えていない。」
ただし、プレッシャーを感じているわけではないと否定する。
「特に何かが変わったとは感じていない。うまくいっていたときと同じように運転している。数字が合わないんだ。そこを理解しようとしている。」
チーム代表のアンドレア・ステラは、原因はメンタルではなくマシン側にあると強調した。
「チャンピオンシップを争うすべてのドライバーはプレッシャーを感じているはずだ。だがオスカーはとても落ち着いた性格で、無理をしているようには見えない。問題はマシンがスライドしたときにどれだけ性能を引き出せるかということだ。彼のラップにミスはない。あとは各コーナーで最後の数ミリ秒をどう削るかだけだ。」
ピアストリの「リズム喪失」が鍵、ノリスとの明暗が鮮明に
タイトル争いが佳境を迎える中で、ピアストリの失速はマクラーレンの内部バランスにも影響を及ぼしている。
ハイダウンフォース寄りのマシン特性が路面温度の高いメキシコで機能せず、リヤグリップの不足が走り全体のリズムを乱している可能性が高い。ステラ代表が指摘した「スライド時の扱いにくさ」は、ピアストリ特有の繊細なステアリング操作に合わない兆候だ。
対照的に、ノリスは予選で圧倒的なスピードを見せ、マシンの変化を即座に吸収する柔軟性を発揮した。これによりフェルスタッペンとの差が急速に縮まり、レッドブルにとっても「ノリス対ピアストリ」の構図が新たな希望になっている。
フェルスタッペンが「バランスもグリップもない」と語ったように、RB21のアップデートは理想的な結果を生まなかったが、マルコの言葉通り“まだゲームは終わっていない”。
次戦以降、ピアストリがリズムを取り戻せるかが、今シーズンのチャンピオンシップの趨勢を左右することになるだろう。
カテゴリー: F1 / オスカー・ピアストリ / マクラーレンF1チーム / F1メキシコGP
