レーシングブルズF1代表パーメインが語るリアム・ローソンの“天才性”

リアム・ローソンは2024年オランダGPでのサプライズF1デビュー以降、断続的な参戦が続いてきた。だが2026年F1シーズンに向けては、初めて安定した体制でシーズンインを迎えることになる。
不安定なキャリア序盤と見過ごされた成長
リアム・ローソンは2026年F1シーズン、レーシングブルズでアービッド・リンドブラッドとコンビを組む。
ローソンは、レッドブルのトップチームから角田裕毅が外され、当時レーシングブルズに所属していたアイザック・ハジャーが昇格するという人事の中でシートを維持した。一方で、ルーキーイヤーのハジャーが注目を集める中、シーズン終盤にかけてローソンはフランス人チームメイトとの差を着実に縮めていた。
ただ、その事実はタイトル争いへの関心が高まる中で、ほとんど注目されなかった。シーズン序盤の苦戦によって評価が乱高下したことも影響していた。
中国GP後の再出発と転機
中国GP後、ローソンは自身がF1デビューを果たしたレーシングブルズに復帰した。エンジニアリングチームは一新されたものの、環境面では一定の安心感があったという。
モナコでは前向きな兆しが見え、オーストリアで大きなブレイクスルーを果たす。多くのファンの目には映らなかったかもしれないが、レッドブル陣営はその変化を確実に捉えていた。
「私は彼の中に本当に“天才性”を見ている」とパーメインは語る。
「うまくいく時は本当にうまくいく。オーストリア、ブダペスト、そしてバクーでの予選と決勝。では、その時に何が噛み合っているのか。それをシーズン全体で再現できればいい」
マシン理解と“自分の方向性”
2024年にレーシングブルズで走ったローソンは、オフシーズンとプレシーズンをレッドブルで過ごし、全く性格の異なるマシンをドライブした。ピーク性能は高いが作動領域が非常に狭いマシンだった。
中国GP後のチーム移籍では、適応のための時間はほとんどなく、鈴鹿、バーレーン、サウジアラビアで学習を重ねるしかなかった。その間、ガレージ反対側ではハジャーが新星として存在感を強めていた。
舞台裏でローソンは、停滞しかけたキャリアを立て直すために懸命に取り組んでいた。

オーストリアGPで何が起きたのか
転機となったのがオーストリアGPだった。
「彼とレースエンジニアは、シミュレーターでフロントサスペンションやステアリングジオメトリーを長時間検討した」とパーメインは説明する。
「不満に感じていた部分があり、完全に快適ではなかった。モナコで試したセットアップが良かったので、それをオーストリアに持ち込み、彼はそこで完全にマシンを気に入った」
この週末、ローソンは2025年シーズンで初めてチームメイトを上回った。結果は6位で、モナコでのハジャーと並ぶ成績だった。
“自分主導”で掴んだ手応え
「重要な転換点だった」とパーメインは認める。
「クルマへの変更は彼の指示によるものだった。彼自身、そしてレースエンジニアが主導した。それが彼をずっと楽にした」
その後、ローソンはイギリスGPでリタイアを喫したものの、ベルギーとハンガリーで連続8位、アゼルバイジャンでは5位フィニッシュを果たし、いずれもハジャーを上回った。
評価を押し上げた“難条件での強さ”
シーズン終盤の挽回により、レッドブル首脳陣にとって2025年末の判断は簡単ではなくなった。最終的に昇格したのはハジャーだったが、角田裕毅を残すかローソンを残すかは、年初なら即断できた話ではなくなっていた。
「リアムは本当に大きな才能だ」とパーメインは強調する。
「ラスベガスとバクー。どちらもローダウンフォースで、ウェットあるいは極めて滑りやすい難条件だった。その2回の最も難しい予選で、彼は完璧にやってのけた」
「改善すべき点は確かにある。だが彼はそれに取り組んでいるし、我々も全力でサポートする」
ローソンが見せた“天才性”は、派手な瞬間ではなく、困難な状況で確実に結果を出す力として表れていた。その積み重ねが、2026年F1シーズンに向けた安定と期待へとつながっている。
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