オスカー・ピアストリ F1アメリカGP予選「リズムに乗れず苦しいセッション」

前日のスプリント予選では3番手につけ、フェルスタッペンやノリスに肉薄したものの、スプリント決勝の1周目で多重クラッシュに巻き込まれてリタイア。マシンは大きく損傷し、チームは予選に向けて再組み立てを余儀なくされた。
Q1では両マクラーレンが苦戦し、辛うじてQ2に進出。ピアストリはQ3で使用済みタイヤのセットを使って最初のアタックに臨んだが、フェルスタッペンの暫定ポールに1秒近く遅れた。最終アタックで改善は見せたものの、最終的には6番手にとどまった。
「特に大きなミスをしたわけではないけど、セッション全体を通してリズムをつかめなかった。ずっと苦戦していたんだ。これから原因を確認するけど、かなり大変な戦いだった」とピアストリは語った。
別の取材では、マシンへの自信の欠如が複数のコーナーでタイムロスにつながったと説明している。
「このサーキットは、マシンと一体になれていないとタイムを失いやすいコーナーが多い。あの感触のままでは6番手という結果にも驚かない」とピアストリはコメントした。
決勝に向けた前向きな姿勢
スプリントでのクラッシュにより、高燃料状態での走行データを得られなかったマクラーレンとは対照的に、フェルスタッペンらライバル勢はスプリントを走り切ってセットアップを進化させていた。それでもピアストリは、決勝での巻き返しに意欲を見せている。
「理想のペースを得られなかったのは残念だけど、明日はチャンスがたくさんある。レースペースが良ければいい結果を出せると思うし、ここはオーバーテイクもできるサーキットだからね。週末はまだ終わっていない」と語った。
マクラーレンF1チーム代表のアンドレア・ステラも、ピアストリの苦戦について「強風や路面温度の変化の中でマシンへの信頼感を失っていたことが影響した」と説明している。
分析:データ不足と信頼感の欠如が影響
ピアストリは週末を通じて高いポテンシャルを示していたが、スプリントでのクラッシュが予選への準備に大きく響いた。再組み立てられたマシンで走行リズムを取り戻す前に、強風と高温という不安定なコンディションが重なり、マシンとの一体感を失ったことがタイムロスの主因となった。
マクラーレンは中高速コーナーでの安定性に優れる一方、風向きの変化による前後バランスの乱れに敏感な傾向があり、特にピアストリはこの点でノリスより影響を受けやすい。決勝ではデータ不足を補う柔軟な戦略が鍵となるだろう。
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