F1ドイツGP復活は「条件次第」 ドメニカリCEO、早期復帰論をけん制

ドイツは、2020年にコロナ禍の代替開催として行われたニュルブルクリンクでの一戦を最後に、F1カレンダーから姿を消している。伝統的なドイツGPとしては、ホッケンハイムリンクで開催された2019年大会が最後だった。
motorsport-magazin.comの取材に応じたドメニカリは、慎重なトーンでこう語っている。
「良い点は、我々が必死になっているわけではないということだ。世界中から非常に多くの開催打診が来ている。もしドイツ市場がF1の復活を優先事項と考えていないのであれば、それを受け入れ、前を向かなければならない」
この発言は、ドイツ国内のモータースポーツ統括団体、特にADACなどが、開催権料の高騰により、現状ではレース開催が財政的に成り立たないと公然と認めている状況を受けたものだ。
それでもドメニカリは、ドアが完全に閉ざされたわけではないことを強調する。
「我々は、あらゆる形の議論に対して準備ができており、オープンだ。いくつか明るい兆しも見えている。今後数か月でさらに発展していくことを期待している。我々はドイツへの復帰に関心がある。ただし、それは適切なオーガナイザーと、適切なオファーがあってこそだ」

背景にあるのは、F1の世界的な需要拡大だ。新規開催地や復活を狙うサーキットが限られたカレンダー枠を激しく争う中で、伝統あるヨーロッパのレースは、ますます大きな財政的圧力にさらされている。
またドメニカリは、ドイツにおけるF1人気を再燃させる手段として、無料地上波放送の拡充が有効ではないかという見方についても言及した。放送環境の変化、とりわけRTLを巡る動きが注目されているが、彼は懐疑的だ。
「それが解決策だとは思わない。RTLのコンプライアンス手続きが完了し、彼らが我々の放映権を保有することになった後、状況がどう展開するのかを見極める必要がある。その上で、最適なプラットフォームを判断することになる」
アクセシビリティの重要性は認めつつも、ドメニカリはF1の将来が主にオンラインにあることを明確にした。
「少なくとも短期的にはドイツ市場ではそうならないかもしれない。しかし、魅力的なものにするためには、RTLと共に正しいパッケージを構築する必要があるのは間違いない」
ドイツGP復活の可能性は依然として残されているものの、その実現には商業面・放送面の双方で、現実的かつ持続可能な条件が求められている。
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