ホンダがF1をやめなかった理由 渡辺康治が語るアストンマーティンとの覚悟

ホンダは2015年から2017年にかけてマクラーレンにパワーユニットを供給したが、性能と信頼性の問題から、マクラーレンはルノーへ移行した。2018年にトロ・ロッソと組み、状況は改善し、2019年からはレッドブルと提携。
渡辺康治はアストンマーティンのインタビューで、「ホンダはおそらくF1なしでは生きられないと思っています」と述べ、継続の理由をそう表現した。さらに、「技術面に目を向けますと、2026年のパワーユニット規則の変更が、我々がF1に戻る決断をするうえで重要な要因でした」と語っている。
2026年からは電動モーターの比重が高まり、内燃機関との出力配分はおよそ50/50になる。
「電動モーターの出力は120kWから350kWへと、ほぼ3倍に増えます。そこに持続可能燃料の要件が加わり、将来の駆動システムに対するホンダの哲学と完全に一致しています」と渡辺康治は理由を挙げた。
「これは我々の企業戦略にも合致しています。モータースポーツの頂点は、技術を磨き、技術力を高め、それを世界的な舞台で示す場です。ホンダの将来にとって非常に重要だと考えています」

パートナー選択と最終目標
ホンダが最終的にアストンマーティンを選んだ理由について、渡辺康治はチームオーナーであるローレンス・ストロールの存在を挙げる。
「我々は常にパートナー選びに慎重です。このケースでは、チームのリーダーシップ、そしてローレンス・ストロールの情熱とビジョンに強い印象を受けました」と述べた。
「彼は非常に競争心が強く、常に勝利を目指しています。その姿勢は非常に印象的です。AMRテクノロジー・キャンパスの新施設にもその志向が表れていますし、近年、経験豊富な人材で組織を強化してきた点からも、それが見て取れます。チーム内の関与度と集中力は非常に高く、それがこの協業を我々にとってとても魅力的なものにしています。非常にワクワクする挑戦でもあります」
2026年はパワーユニット面で大きな変化があるため、具体的な予測は難しいという。渡辺康治は2026年を、「アストンマーティンとホンダの協業が、意図した通りに一体のチームとして機能することを確認する年です」と位置づける。
「我々の中核となる価値観が実行され、設定したパフォーマンス目標を達成できるようにしなければなりません」と語った。
「我々が予測できず、影響も及ばないのは、ライバルがどの位置にいるかという点です。それが分かるまでは、シーズンにおける内部目標以上のことは見通せません。しかし長期的には、このパートナーシップの究極の目標、そして成功の定義は、世界選手権を勝ち取ることです」
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