メルセデス、ライバルがF1エンジン規則の「抜け穴」を見つけることを警戒

新レギュレーションにはセーフガードが盛り込まれているものの、パドックの複数の技術責任者は、そのようなシナリオが依然として起こり得ると見ている。メルセデスF1のエンジン部門であるメルセデス・ハイパフォーマンス・パワートレインズの責任者、ハイウェル・トーマスもその可能性を確信している一人だ。
しかもこの発言は、メルセデスがレッドブル・フォードとともに、将来のエンジンの圧縮比に関するグレーゾーンの活用を巡る論争の渦中にある中で語られたものでもあり、いっそう重みを持つ。
この話題がメディアで表面化する前、あるチームが抜け穴を見つけたり、規則のグレーゾーンを突いたりする可能性について問われたトーマスは、次のように迷いなく答えていた。
「それは常に可能だ。本当に可能だ。エンジン規則全体はそれを避けるように設計されているし、やり方をある程度限定する制約もある。それでも、だ」
それらの制約は“魔法の解決策”の出現を防ぐことを狙ったものだが、トーマスはF1がしばしば予想外の発見の舞台になってきたことを強調する。
「もしそれがうまく機能していれば、誰かが大きく先行している可能性は低くなる。でも、誰も見ていない抜け穴や、誰も気づいていない信じられないトリックを見つけた人がいないと、誰が言える?」

これほど大きな変化を迎えるにあたり、メルセデスはどのような姿勢で臨んでいるのか。ここでもトーマスは過度な楽観を戒している。
「12月の時点で、パワーが足りない、信頼性が足りない、システム間の相互作用が十分ではない、そう感じなかったシーズンは一度もなかったと思う。そして、すべてを解決するために3か月が残されている」
もっとも、数年にわたるパワーユニット凍結があった2025年については、懸念がやや小さかったことも認めている。サーキットでの負担が軽減された分、工場では新しいパワーユニットに全面的に集中できたからだ。
「もしかすると、今のパワーユニットに関して、そう感じなかったのはこのシーズンが初めてだったかもしれない。それでも、最後の瞬間に必ず何かが驚きをもたらす。最適化すべき点や、発生するトラブルがある。我々のカスタマーチームでも、実際にいくつか起きている。F1は決して穏やかな流れではない」
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