ピアストリ「あと30周あれば」 F1カナダGPでのマクラーレンの苦戦を分析
マクラーレンF1のオスカー・ピアストリは、カナダGPでタイヤ摩耗におけるアドバンテージを活かすには「周回数が足りなかった」と語った。F1チーム代表のアンドレア・ステラは、チームが通常の優勝争いのパフォーマンスを発揮できなかった理由を説明している。

王者チームであるマクラーレンF1は、モントリオールではいつもの優位性を発揮できず、金曜プラクティスからグリップ不足に苦しんでいた。

マクラーレンは予選で巻き返し、ピアストリは決勝を3番グリッドからスタートしたが、優勝したジョージ・ラッセルとマックス・フェルスタッペンの後方だった。ランド・ノリスはラップ中のミスにより7番手にとどまった。

マクラーレンは通常、リアアクスルに負荷がかかるサーキットではタイヤの耐久性で優位に立つが、今回のレースではその優位性を活かせなかった。ピアストリは1周目にメルセデスの新人アンドレア・キミ・アントネッリに抜かれ、その後も再逆転できず、終盤にはチームメイトのノリスからプレッシャーを受ける展開となり、最終的にノリスの接触によって両者は注目のインシデントを引き起こすこととなった。

ピアストリは、2ストップ戦略の中でスティントが進むにつれてマシンが本来のパフォーマンスを発揮し始めたが、それでも追い上げには至らなかったと説明した。

「ミディアムタイヤでの最初のスティントではペースがよくなかった」とピアストリは語った。「うちの強みが出たのは、他のドライバーがタイヤデグラデーションに苦しみ始めてからだった」

「残念だけど、レースが100周あればよかった。70周では短すぎたと思う」

「速かった時間帯もあったけど、そうでない時間帯もあった。全体を通して、コース上でオーバーテイクできるほどのアドバンテージはなかった。それがフラストレーションになっている」

本来であれば、モントリオールのジル・ヴィルヌーヴ・サーキットは今年のマクラーレンに向いているはずだった。しかし、実際には滑らかな路面とやや低めの気温によって、マクラーレンの強みが活かされず、逆にメルセデスやレッドブルの弱点も露呈しなかった。

オスカー・ピアストリ カナダグランプリ F1 マクラーレン

チーム代表のアンドレア・ステラは、サーキットの構成が「シケインとヘアピンの集合体」であり、中速コーナーが少なかったことが原因のひとつだと指摘している。

「このサーキットが難しかった理由のひとつは、低速コーナーが多いとはいえ、実際にはブレーキングとトラクションの要素が大半を占めていることだ」とステラは予選後に説明していたが、その見解は決勝後も有効だった。

「中間速度域のコーナーがあまりない。つまり、コーナリング中盤のフェーズが少ない。ブレーキかスロットルのどちらかを使っている状態だ。そしてそのどちらにおいても、うちのマシンは序盤で苦戦していた」

「FP1から比較すれば、マシンはかなり改善された。セットアップに関して様々な実験を行って、その一部は成功し、予選でのベースラインに組み込まれた。予選ではポール争いができる状態まで持ってこられたと思う」

「確かに低速域のサーキットではあったけど、ブレーキングとトラクションが非常に重要で、特に縁石やバンプの影響を受ける場面で、うちのマシンはブレーキとトラクションで簡単ではなかった」

ピアストリは、今回のカナダGPが今後のマクラーレンにとって不吉な兆候だとは考えていない。レッドブルがバランス問題を解決しつつあり、メルセデスもタイヤのオーバーヒート対策として新しいリアサスペンションを再導入してきたが、それでも焦る必要はないと語った。

「チームとして、ここが難しいレースになることは認識していたし、もっと強くならないといけないと思っている」と彼は述べた。「課題は山積みだし、もちろん表彰台を逃して満足なんてしていない」

「でも、メルセデスは去年もここで速かった。今年の結果は、彼らが去年得るべきだった結果だと思う。今後どうなるか見ていこう」

「僕はまだ、このチームの長期的な力を信じている」

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カテゴリー: F1 / オスカー・ピアストリ / マクラーレンF1チーム