ロードレース世界選手権 MotoGP マレーシアグランプリ スズキ
日本、オーストラリアとポジティブな結果を残し、さらなる期待の掛かったオーバーシーズ3連戦最後のマレーシアGPだったが、決勝直前にスコールのような大雨が降り、サーキットを一気に濡らして、波乱のスタートとなった。フリー走行、予選、ウォームアップと順調な流れで決勝を迎えたチームスズキエクスターライダーのアンドレア・イアンノーネとアレックス・リンスだったが、恵みの雨とはならず、コンディションの変わった路面に翻弄され、イアンノーネ17位、リンスは失格・リタイヤという思いもよらない結果で連戦を締めくくることとなった。

雨はMotoGPのスタート1時間前に突然降り出し、ドライでのレースを想定していたマシンを急遽レインセッティングに変更。イアンノーネは序盤、スタートポジションをキープして走行していたが、後半にタイヤが消耗してくると同時にペースダウンを強いられ、終盤に17位までポジションダウンしてチェッカーを受けた。

一方のリンスは、スタートをうまく決め、トップグループの6台を激しく追い掛けていたが、6周目の1コーナーで転倒を喫し、すぐに再スタートを切るも、最後尾までポジションを落とす。その後再びハイペースでチャージを掛けるものの、再度転倒し、ピットイン。その際、コースをショートカットしてしまい、失格となり、レースはそこでリタイヤとなった。

アンドレア・イアンノーネ (決勝17位)
「何とも言い難い苦い思いだよ。ドライコンディションだった今朝のウォームアップではタイムも出ていたし、フィーリングも良くて、決勝に向けて自信もかなりあった。走行の度にフィーリングがどんどん良くなっていたから、もしドライでレースができていたら、トップ争いも可能だったと思うんだ。ウェットの路面ではフロントもリアも全くグリップせず、マシンを操るのが非常に難しかった。本当に残念としか言いようがないよ。」

アレックス・リンス (決勝DNF)
「この週末はずっとフィーリングが良かったし、グリッドも良かったので、決勝ではとにかく良いスタートを切って、フロントグループについていくことだけを考えていたよ。1周目でふたつポジションをアップし、作戦通りうまくいったんだけど、ウェット路面でのフィーリングが良くなくて、うまくリズムを掴むことができず、1コーナーでフロントが切れ込んで転倒してしまった。調子が良かっただけに、結果を残せなかったことが残念だけど、これも経験のひとつだと思い、最終戦に向けて気持ちを切り替えていくよ。今週は経験豊富なライダー達から多くのことを学ぶことができたから、この経験を必ず次に活かすよ。」

河内 健 (テクニカルマネージャー)
「大変残念なレースでした。このオーバーシーズ3連戦では、1戦目のもてぎではウェットコンディションで良いレースができ、2戦目のフィリップアイランドではドライで良いレースができ、3戦目となる今週のマレーシアGPも、予選ではふたり揃って3列目に並ぶことができて、決勝結果に期待が掛かっていただけに、このような結果に終わってしまい、非常に残念です。アンドレアがなぜいつものウェットでのパフォーマンスを発揮できなかったのか、しっかりデータを解析し、検証する必要があります。アレックスのミスについては残念ですが、私たちは彼と共に成長していかなくてはならないと思っています。今シーズンもいよいよ残り1戦となってしまいましたが、最後のレースがベストレースとなるように努力していきたいと思いますので、応援よろしくお願い致します。」

ダビデ・ブリビオ (チームマネージャー)
「決勝前に降り出した雨のせいで状況が全て変わってしまい、残念としか言いようがありません。この週末、ドライコンディションではふたり共かなり好調でしたし、決勝に向けての準備も完璧だったと思っています。アレックスはウェットコンディションでもスピードがあり、良い感じで追い上げていたのですが、2度転倒してしまい、焦ってピットインしようとしてショートカットをしたために失格となってしまいました。アンドレアはウェットの路面で全くマシンをコントロールできず、最初から最後まで苦しいレースを強いられたのですが、なぜもてぎでのウェットのような走りができなかったのかが今のところ理解できず、これからデータを解析していきます。いずれにしても今日のレースのことは忘れ、気持ちを切り替えて、最終戦に向けての準備を進めていきます。」

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / MotoGP