MotoGP ホンダ アルゼンチンGP
MotoGP 第2戦アルゼンチンGPは、今季初ポールポジション(PP)を獲得したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、好スタートから独走、レース中盤には10秒の大量リードを築いてライバルを圧倒すると、終盤には12秒までリードを広げる快走で今季初優勝を達成した。

フリー走行では、1分38秒から39秒台で連続ラップを刻んだ。決勝でも、その走りを見事に再現、2周目に1分39秒426のファステストラップを刻むと、15周目までただ一人1分39秒台で周回して勝負を決めた。

2014年に初めてグランプリが開催されたアウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンド。今年で6回目を迎えるが、5回のPPを獲得したマルケスが、サーキットに集まった6万人の観客を魅了した。

マルケスはこれまで不運の転倒などで決勝では優勝を逃すことが多い大会だったが、今年はライバルを圧倒する驚速で3年ぶり3回目の大会制覇。この優勝でマルケスは、総合ポイントでも首位に浮上し、4年連続6回目のタイトル獲得に向けて、まずは一歩前進した。

予選9番手から好スタートを切り、2位争いのグループに加わった中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が、今季ベストの7位でフィニッシュした。序盤は9番手を走行。その後、チームメートで先行するカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が、ジャンプスタートのためライドスルーを受けたことから、中上は8番手へとポジションを上げた。その後、アレックス・リンス(スズキ)に先行を許したが、2位争いをするバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)とアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)を2秒差で追撃。表彰台争いを常に視野にいれる快走を見せた。ラストラップに先行するマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)とフランコ・モルビデリ(ヤマハ)が接触転倒したため、7位でフィニッシュ。総合ポイントでも7位に浮上した。

Repsol Honda Teamで2戦目を迎えたホルヘ・ロレンソは、予選12番手から12位でフィニッシュした。フリー走行、予選と路面のグリップがあがるにつれて、ペースを上げてきたロレンソだったが、スタートに失敗、ほぼ最後尾の21番手までポジションを落とした。その後、1分40秒台のペースで追い上げてポイント獲得圏内に復帰、最後は12位までポジションを上げることに成功した。カタールGPに続き、今大会も満足のいくレースとはならなかったが、これからの走りを期待させる追い上げだった。

予選8番手から好スタートを切って、序盤6番手までポジションを上げたクラッチローは、グリッド上でわずかに動いたことでジャンプスタートの判定となり、4周を終えてライドスルーのペナルティーを科せられ、19番手までポジションを落とした。その後、猛烈な追い上げを見せて13位でフィニッシュしたが、大会2連覇と開幕からの2戦連続表彰台を狙っていたクラッチローにとっては悔しい結果に終わった。

マルク・マルケス(MotoGP 優勝)
「今日は完ぺきな一日になりました。今大会は、FP1から集中してきましたが、すべてがうまくいきました。FP4でちょっとした問題がありましたが、プッシュし続けました。決勝では、序盤の5周のペースがだれにも負けないことがわかっていたので、そこで全力を出しました。周回するごとに、後続との差が1秒、2秒、3秒と広がったのを確認し、そこからは自分のリズムで落ち着いて走りました。そのあとも、少し力を抜いてプッシュしましたが、マシンのフィーリングはとてもスムーズで、タイヤとマシンをうまくコンロトールすることができました」

中上貴晶(MotoGP 7位)
「7位でフィニッシュできてとてもうれしいです。今日は週末と違うフィーリングで、グリップにすごく苦戦しました。それは僕だけではなかったと思いますが、そういう状況の中で、2位争い、表彰台争いが常に見える位置で戦うことができました。カタールGPと比べても、はるかにいいレースだったと思います。今大会はタイヤの選択が難しいレースでしたが、決勝前にワークスチームのマルクとホルヘの2人がソフトを選択することが分かり、自分もそれにならいました。グリッドについたときに日差しが強くなりました。リアに選択したソフトは、フリー走行では20周くらいまで走っていましたが、そこから先は未知の世界だったので、どうなるのだろうと思いました。しかし、結果的にタイヤチョイスはよかったと思います。今日もしっかり走りきって7位でフィニッシュしました。大きな自信になりました。次のアメリカではさらに上位を目指します」

ホルヘ・ロレンソ(MotoGP 12位)
「まずはRepsol Hondaチームとマルク・マルケスにおめでとうと言いたいです。マルクはレースウイークを通して最高の走りをしていました。自分も、ウオームアップでは大きく前進できました。レースに向けて速さもあり、フィーリングもよくなりました。残念ながら、スタートでピットロードでスピードを制限するスイッチに指が当たってしまい、マシンが進みませんでした。そのため大きくポジションを下げてしまったので、そこからがんばって追い上げました。ポイントは獲得できましたが、残念な結果でした」

カル・クラッチロー(MotoGP 13位)
「まずはチームに感謝したいと思います。すばらしいレースウイークでしたし、ポジティブなレースペースがありました。今日は表彰台争いをする力があることを証明できたと思います。確実に2位を獲得できる力がありました。しかし、ジャンプスタートをしたとスチュワードに判断されました。これには僕もチームも納得することができません。ライドスルーペナルティーは残念でした。しかし、この状況を受け入れることにしました。ライドスルーをして、そこからは、いいペースを刻み、ベストを尽くしました。次戦テキサスではいいレースをしたいと思います」

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カテゴリー: F1 / MotoGP