MotoGP | ホンダ 第18戦 マレーシアGP 決勝レポート
ホンダは、MotoGP マレーシアGPでマルク・マルケスが今季9勝目を達成。ホンダが最高峰クラスで3年連続24回目のコンストラクターズタイトルを獲得した。
3連戦最後の戦いとなった第18戦マレーシアGPは、スコールの影響を考慮し、予定より2時間早い午後1時にスタートが切られた。朝方まで降った雨の影響でウォームアップは中途半端なコンディションとなったが、決勝レースは青空が広がり、最高気温は32℃まで上昇。
ライダーにもタイヤにも厳しい条件となったが、今季7回目のポールポジション(PP)からレースに挑んだマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、今季9勝目を達成した。
PPを獲得したマルケスですが、予選セッション中に他者の走行を妨害したとみなされたことで、6グリッド降格のペナルティーを科せられ、3列目7番グリッドから決勝に挑んだ。しかし、迎えた決勝レースではオープニングラップに4番手に浮上すると、2周目にはジャック・ミラー(ドゥカティ)をかわし3番手へ。5周目にはヨハン・ザルコ(ドゥカティ)を抜いて2番手に浮上。その後はバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、マルケス、そしてザルコ(ヤマハ)の順でトップグループを形成、セカンドグループをじりじりと引き離した。
後半に入るとザルコ(ヤマハ)が遅れ、レースはロッシ(ヤマハ)とマルケスの一騎打ちの様相となった。そして終盤、マルケスがペースを上げてロッシ(ヤマハ)との間隔を詰めていくと、17周目の1コーナーでロッシ(ヤマハ)が転倒。これで単独トップに立ったマルケスは、2位以下とのリードをキープしながら、20周のレースで真っ先にチェッカーを受けた。
マルケスにとっては、これで2戦ぶり今季9勝目を達成。この優勝により、ホンダは3年連続24回目のコンストラクターズタイトルを獲得した。最高峰クラスでの2番目の記録はMVアグスタの16回で、最多記録を持つホンダは、今年も記録をさらに更新することに成功した。
チームメートのダニ・ペドロサは、今季ベストタイの5位でフィニッシュした。オープニングラップは6番手だったが、その後、ミラー(ドゥカティ)、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)と4位争いのグループを結成。中盤は、その2人を引き離していくが、今度は追い上げてきたアレックス・リンス(スズキ)との4位争いとなる。後半にリンス(スズキ)の先行を許し、追い上げてきたマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)との4位争いのバトルとなり、最終的に5位でフィニッシュした。4位でフィニッシュすることはできなかったが、今大会のペドロサの活躍で、Repsol Honda Teamはチームタイトルで2位のMovistar Yamaha MotoGP、3位のDucati Teamに対してリードを広げることに成功。最終戦バレンシアGPに向け、チームタイトルに王手をかけた。
予選19番手から追い上げたフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が12位でフィニッシュ。最終戦を残し、ハフィズ・シャーリン(ヤマハ)に10ポイント差をつけ、ルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得に向けて大きく前進した。
ケガで欠場のカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)の代役として出場したステファン・ブラドルが13位でフィニッシュ。貴重な3ポイントを獲得した。中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)は、予選22番手から14位。トーマス・ルティ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は16位に終わり、今回もポイント獲得を果たせなかった。
マルク・マルケス(MotoGP 優勝)
「7番手からのスタートだったので、たいへんなレースでした。スタートは完ぺきではありませんでした。1周目はよかったのですが、僕のキャリアの中で最高と言えるような走りではありませんでした。その後、徐々に何人かのライダーをオーバーテイクして、2番手まで上がりました。バレンティーノ(ヤマハ)がプッシュしているのが分かり、僕も彼を追いかけました。予選のペースで周回した結果、リアタイヤをオーバーヒートさせてしまい、フロントも温度が上がって感触はよくありませんでした。そのため、数周はただクールダウンさせようとしました。そうしている内にフィーリングがよくなり、バレンティーノに近付いていることが分かって、正直、モチベーションが上がりました。こうした流れを作れたのは、すでにタイトルを獲得していたからできたことです。残念ながら彼は1コーナーで小さなミスをしてしまいました。2人のバトルがどのように終わるか見られたらよかったと思うし、残念です。とにかく彼が転倒するのが見え、僕はクールダウンして、レースを完走することに集中し、勝つことができました。ベストなかたちでコンストラクターズ・ワールドチャンピオンシップのタイトルを獲得しました。Moto3クラスのホルヘ・マルティンと、Moto2クラスのフランセスコ・バグナイアのタイトル獲得にもおめでとうと言いたいです。一緒にバレンシアで祝いたいです」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 5位)
「今日はスタートに集中しました。なぜならかなり後方のグリッドだったからです。スタート自体は完ぺきではありませんでしたが、1コーナーでいくつかポジションを上げることができました。残念ながらいくつかコーナーを終えたあと、ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)やマルクと離れてしまいました。とにかく、レースの最初の感触は十分よく、フロントに近いところで走ることができました。最後はグリップに再び苦しみ始め、リンス(スズキ)やビニャーレス(ヤマハ)にパスされてしまいました。全体的には、いつもより少しいいレースになりました。マルティンのタイトル獲得におめでとうと言いたいです。今年の彼は、ケガなどの難しい時期を乗り越えることができました。彼はこの結果にふさわしいと思います」
フランコ・モルビデリ(MotoGP 12位)
「この結果はうれしいです。19番グリッドからスタートして、かなり追い上げることができました。よかったです。今週末のチームの仕事にとても満足しています。次の最終戦のバレンシアがとても楽しみです」
ステファン・ブラドル(MotoGP 13位)
「目標だったポイント圏内でのフィニッシュを達成できてうれしいです。約2カ月もバイクに乗っていませんでした。マレーシアに着くと非常に暑かったので、厳しいレースでした。天候は安定していませんでしたが、全体的にはいい仕事ができたと思います。助けてくれたチームに満足しています。彼らと仕事をスタートしてすぐに、家に帰ってきたような気分になりました。ルーチョや、すばらしい仕事をしてくれたみんなに感謝したいと思います。また今年のテストのスケジュールを組み立て、このような機会を与えてくれたHRCに本当に感謝しています。カルが早く回復し、以前のような強さで戻ってくることを願っています」
中上貴晶(MotoGP 14位)
「22番グリッドから14位でフィニッシュすることができました。しかし、もう少しいい走りができると思っていました。今大会は、新しいフロントフォークを試したのですが、FP4で転倒するなど、セッティングを詰めきれないまま決勝を迎えてしまいました。今、振り返れば、ベースのフォークに戻しておけばよかったかなと思います。今回はフロントにミディアム、リアにソフトを選択しましたが、タイヤの選択は間違っていなかったと思います。今回もチームの期待に応えられず、申し訳ない気持ちです。最終戦バレンシアGPはシーズン最後のレースとなるので、みんなの期待に応えられるようなレースにしたいです」
トーマス・ルティ(MotoGP 16位)
「暑いレースでした。最初の2周はリアのエッジグリップに少し苦戦しました。危うく、最終コーナーで転倒するところでした。そのあとはいいペースと感触をつかむことができましたが、再びリアのグリップに苦しみ始め、タイムをロスしました。そのためにポイント獲得のチャンスを逃しました。とても近かっただけに、16位になったことがとても残念です」
カテゴリー: F1 / MotoGP
3連戦最後の戦いとなった第18戦マレーシアGPは、スコールの影響を考慮し、予定より2時間早い午後1時にスタートが切られた。朝方まで降った雨の影響でウォームアップは中途半端なコンディションとなったが、決勝レースは青空が広がり、最高気温は32℃まで上昇。
ライダーにもタイヤにも厳しい条件となったが、今季7回目のポールポジション(PP)からレースに挑んだマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、今季9勝目を達成した。
PPを獲得したマルケスですが、予選セッション中に他者の走行を妨害したとみなされたことで、6グリッド降格のペナルティーを科せられ、3列目7番グリッドから決勝に挑んだ。しかし、迎えた決勝レースではオープニングラップに4番手に浮上すると、2周目にはジャック・ミラー(ドゥカティ)をかわし3番手へ。5周目にはヨハン・ザルコ(ドゥカティ)を抜いて2番手に浮上。その後はバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、マルケス、そしてザルコ(ヤマハ)の順でトップグループを形成、セカンドグループをじりじりと引き離した。
後半に入るとザルコ(ヤマハ)が遅れ、レースはロッシ(ヤマハ)とマルケスの一騎打ちの様相となった。そして終盤、マルケスがペースを上げてロッシ(ヤマハ)との間隔を詰めていくと、17周目の1コーナーでロッシ(ヤマハ)が転倒。これで単独トップに立ったマルケスは、2位以下とのリードをキープしながら、20周のレースで真っ先にチェッカーを受けた。
マルケスにとっては、これで2戦ぶり今季9勝目を達成。この優勝により、ホンダは3年連続24回目のコンストラクターズタイトルを獲得した。最高峰クラスでの2番目の記録はMVアグスタの16回で、最多記録を持つホンダは、今年も記録をさらに更新することに成功した。
チームメートのダニ・ペドロサは、今季ベストタイの5位でフィニッシュした。オープニングラップは6番手だったが、その後、ミラー(ドゥカティ)、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)と4位争いのグループを結成。中盤は、その2人を引き離していくが、今度は追い上げてきたアレックス・リンス(スズキ)との4位争いとなる。後半にリンス(スズキ)の先行を許し、追い上げてきたマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)との4位争いのバトルとなり、最終的に5位でフィニッシュした。4位でフィニッシュすることはできなかったが、今大会のペドロサの活躍で、Repsol Honda Teamはチームタイトルで2位のMovistar Yamaha MotoGP、3位のDucati Teamに対してリードを広げることに成功。最終戦バレンシアGPに向け、チームタイトルに王手をかけた。
予選19番手から追い上げたフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が12位でフィニッシュ。最終戦を残し、ハフィズ・シャーリン(ヤマハ)に10ポイント差をつけ、ルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得に向けて大きく前進した。
ケガで欠場のカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)の代役として出場したステファン・ブラドルが13位でフィニッシュ。貴重な3ポイントを獲得した。中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)は、予選22番手から14位。トーマス・ルティ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は16位に終わり、今回もポイント獲得を果たせなかった。
マルク・マルケス(MotoGP 優勝)
「7番手からのスタートだったので、たいへんなレースでした。スタートは完ぺきではありませんでした。1周目はよかったのですが、僕のキャリアの中で最高と言えるような走りではありませんでした。その後、徐々に何人かのライダーをオーバーテイクして、2番手まで上がりました。バレンティーノ(ヤマハ)がプッシュしているのが分かり、僕も彼を追いかけました。予選のペースで周回した結果、リアタイヤをオーバーヒートさせてしまい、フロントも温度が上がって感触はよくありませんでした。そのため、数周はただクールダウンさせようとしました。そうしている内にフィーリングがよくなり、バレンティーノに近付いていることが分かって、正直、モチベーションが上がりました。こうした流れを作れたのは、すでにタイトルを獲得していたからできたことです。残念ながら彼は1コーナーで小さなミスをしてしまいました。2人のバトルがどのように終わるか見られたらよかったと思うし、残念です。とにかく彼が転倒するのが見え、僕はクールダウンして、レースを完走することに集中し、勝つことができました。ベストなかたちでコンストラクターズ・ワールドチャンピオンシップのタイトルを獲得しました。Moto3クラスのホルヘ・マルティンと、Moto2クラスのフランセスコ・バグナイアのタイトル獲得にもおめでとうと言いたいです。一緒にバレンシアで祝いたいです」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 5位)
「今日はスタートに集中しました。なぜならかなり後方のグリッドだったからです。スタート自体は完ぺきではありませんでしたが、1コーナーでいくつかポジションを上げることができました。残念ながらいくつかコーナーを終えたあと、ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)やマルクと離れてしまいました。とにかく、レースの最初の感触は十分よく、フロントに近いところで走ることができました。最後はグリップに再び苦しみ始め、リンス(スズキ)やビニャーレス(ヤマハ)にパスされてしまいました。全体的には、いつもより少しいいレースになりました。マルティンのタイトル獲得におめでとうと言いたいです。今年の彼は、ケガなどの難しい時期を乗り越えることができました。彼はこの結果にふさわしいと思います」
フランコ・モルビデリ(MotoGP 12位)
「この結果はうれしいです。19番グリッドからスタートして、かなり追い上げることができました。よかったです。今週末のチームの仕事にとても満足しています。次の最終戦のバレンシアがとても楽しみです」
ステファン・ブラドル(MotoGP 13位)
「目標だったポイント圏内でのフィニッシュを達成できてうれしいです。約2カ月もバイクに乗っていませんでした。マレーシアに着くと非常に暑かったので、厳しいレースでした。天候は安定していませんでしたが、全体的にはいい仕事ができたと思います。助けてくれたチームに満足しています。彼らと仕事をスタートしてすぐに、家に帰ってきたような気分になりました。ルーチョや、すばらしい仕事をしてくれたみんなに感謝したいと思います。また今年のテストのスケジュールを組み立て、このような機会を与えてくれたHRCに本当に感謝しています。カルが早く回復し、以前のような強さで戻ってくることを願っています」
中上貴晶(MotoGP 14位)
「22番グリッドから14位でフィニッシュすることができました。しかし、もう少しいい走りができると思っていました。今大会は、新しいフロントフォークを試したのですが、FP4で転倒するなど、セッティングを詰めきれないまま決勝を迎えてしまいました。今、振り返れば、ベースのフォークに戻しておけばよかったかなと思います。今回はフロントにミディアム、リアにソフトを選択しましたが、タイヤの選択は間違っていなかったと思います。今回もチームの期待に応えられず、申し訳ない気持ちです。最終戦バレンシアGPはシーズン最後のレースとなるので、みんなの期待に応えられるようなレースにしたいです」
トーマス・ルティ(MotoGP 16位)
「暑いレースでした。最初の2周はリアのエッジグリップに少し苦戦しました。危うく、最終コーナーで転倒するところでした。そのあとはいいペースと感触をつかむことができましたが、再びリアのグリップに苦しみ始め、タイムをロスしました。そのためにポイント獲得のチャンスを逃しました。とても近かっただけに、16位になったことがとても残念です」
カテゴリー: F1 / MotoGP