MotoGP ドイツGP マルク・マルケス
MotoGP シーズン前半戦の締めくくりとなる第9戦ドイツGPは、今季3回目のポールポジションから挑んだマルク・マルケス(Repsol Honda Team)がフリー走行、予選の走りを見事に再現し、今季5勝目を挙げた。オープニングラップでは3番手へとポジションを落としたが、5周目にダニーロ・ペトルッチ(ドゥカティ)をパス。13周目にホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)を抜くと、着実にリードを広げた。

その後、中盤から後半にかけてバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)がマルケスとの差を縮めるが、それまでタイヤをセーブしていたマルケスは一気にペースを上げて引き離し、終盤は2位のロッシとの差を約4秒まで広げての独走優勝だった。

これでマルク・マルケスは、前戦オランダGPからの2連勝で今季5勝目を達成。ドイツGPはMotoGPクラスにデビューしてから6連勝、125cc、Moto2時代を含めて9連勝という偉業を達成した。

今回の結果によりマルク・マルケスは、前半戦を終えて総合2位のロッシとの差を41点から46点へ、総合3位のマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)との差を56点へと広げることに成功。3年連続5回目のチャンピオン獲得に向けて、大きく前進した。

予選10番手から決勝に挑んだダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は8位でフィニッシュした。決勝日当日はレースウイークを通じて最も暑い27℃、路面温度も48℃という厳しい条件となったが、着実な走りで見事、完走を果たした。今大会は、開幕前日に今季を最後にMotoGPから引退することを表明しての最初のレース。初日こそ20番手と大きく出遅れたが、予選で10番手、さらに決勝では8位へとポジションを上げた。ザクセンリンクでは過去に250ccクラスで2勝、MotoGPクラスでは4勝を挙げているペドロサ。得意とするサーキットなだけに、フラストレーションをためるレースとなったが、後半戦は現役生活の総決算として、一戦一戦を今まで以上に全力で挑むことになる。

前戦オランダGPで痛めた左手が完全ではなく、FP1を走行後、今大会の欠場を決めたフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)の代役としてFP2から走行したステファン・ブラドルは、地元ファンの声援を受け、ポイント獲得まであと一歩の16位でフィニッシュ。チームメートのトーマス・ルティは17位と、今大会も惜しくもポイント獲得を果たせなかった。

カル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、5番手を走行していた10周目の12コーナーで転倒してリタイア。12番手を走行していた中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、5周目の13コーナーで転倒し、リタイアとなった。

マルク・マルケス(MotoGP 優勝)
「今日の結果にはとても満足しています。そして、とてもうれしいです。ここで9回目の優勝を達成するなんて信じられない気持ちです。それにしても、年を追うごとにプレッシャーは大きくなっています。なぜなら、木曜日からたくさんの人が日曜日は優勝できますか?と聞いてくるからです。確かにこれまでいろんな展開、コンディションで優勝を経験してきました。そして今日のレースはこれまでと違う戦いを期待していました。今日はタイヤのグリップの低下が2回ありました。最初は9周を終えたとき、もう一度はラスト5周から7周くらいでした。今大会もあらゆる状況に対応できる自信はありましたが、最初のドロップは簡単ではありませんでした。スタートがあまりよくなく、2つポジションを落としました。それをリカバリーするのは簡単ではありませんでした。ダニーロ(ペトルッチ)とホルヘ(ロレンソ)を抜いてからは後ろにギャップを作ろうとプッシュしましたが、レース終盤までタイヤをセーブしようと、冷静に走りました。そのあとバレンティーノ(ロッシ)が2人を抜き、タイム差が0.6秒になったので、再びプッシュしてアドバンテージを築きました。チェッカーを受けたあと、ダニの26番のキャップをかぶっているマーシャルがいました。今大会は、今季を最後に引退する彼が主役だと思うし、彼の帽子を振って祝福しました。我々とHondaは、とてもいい仕事をしています。後半戦もこの調子を続けたいです」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 8位)
「残念なレースでした。なぜなら、このサーキットではいつもいいレースができているからです。しかし、今大会はセットアップに苦労しました。セッションをこなすたびに着実に改善できましたが、最後まで完ぺきなフィーリングにはなりませんでした。今日はスタートからゴールまで一環したペースで走ろうと努力しましたが、十分な速さがありませんでした。引き続き、フィーリングを改善するためにセットアップに集中していきます」

カル・クラッチロー(MotoGP リタイア)
「フロントから転んだときはいつも理解に苦しみます。なぜなら、3ラップ前にはそれより速いペースで走っていたのに全く問題はなかったからです。気持ちよく乗れていましたし、グループの中で快適な気分でした。状況をもう少し理解しなければいけないのかもしれませんが、それまではすべてうまくコントロールしていました。それなのに12コーナーでフロントを失い、転んでしまいました。チームの仕事も順調だったし、マシンの状態もよかったです。夏休み前のレースを、こうして転倒で終えるのはとても残念です。今日の状態で次戦のブルノ(チェコ)をもう一度走ってみて、改善できるかどうかを見極める必要があります。今日は自分の後ろを走っていたマーベリック(ビニャーレス)が表彰台に立っています。彼はリアにソフトを履いていました。それだけにとても残念でした」

中上貴晶(MotoGP リタイア)
「完全に自分のミスで転倒してしまいました。今日は(ヨハン)ザルコとスタート直後からバトルになったのですが、お互い速いポイントが違っていたので、無理をせず彼についていこうと決めました。しかし、最終コーナーのブレーキングで入りすぎてフロントから転んでしまいました。タイヤはフロントがハード、リアがソフトで、選択はよかったと思います。今日はスタートもよかったし、ザルコについていけばトップ10はいけたと思うので、とても残念です。シーズン前半の締めくくりのレースとしては残念な結果ですが、内容としては次のチェコにつながるものだったと思います。次は鈴鹿8耐なので、鈴鹿ではしっかり結果を残したいです」

ステファン・ブラドル(MotoGP 16位)
「最後まで走り切ることができてとてもうれしいです。ホームグランプリでMotoGPにカムバックすることができて、夢が叶いました。短い走行時間だったことを考えれば、自分としてはいいレースができたと思うし、まだMotoGPライダーとしてパフォーマンスがあると感じました。次戦ブルノでは、フランコがさらに強くなって復帰することを願っています」

トーマス・ルティ(MotoGP 17位)
「レース序盤はいい感じでした。タイヤをセーブしながら何人かをキャッチすることができました。しかし、後半はリアタイヤのレベルが大きく落ちて苦戦しました。今大会は、いいレースができるんじゃないかと期待していました。後半戦最初のチェコGPでいいレースができるようにがんばります」

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カテゴリー: F1 / MotoGP