MotoGP:ヤマハ 2021年 第15戦 アメリカズGP 決勝レポート
表彰台を目標としていたMonster Energy Yamaha MotoGPのファビオ・クアルタラロが2位を獲得し、20ポイントを加算してチャンピオンシップのリードを52ポイントに拡大した。チームメイトのフランコ・モルビデリは怪我の影響が残るなかで果敢な走りを見せ、19位でチェッカーを受けている。
PETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamのアンドレア・ドビツィオーゾとバレンティーノ・ロッシは、それぞれ13位と15位を獲得。
ドビツィオーゾは同チームから出場2戦目でポイントを手中にし、ロッシはグリッド20番手から挽回して1ポイントを加算している。
クアルタラロが2位獲得、モルビデリは19位
クアルタラロはグリッド2番手から好スタート。混戦のなかでM・マルケスに続く2番手につけ、逃げ切りを許すまいとペースを上げて序盤は0.5秒以内の差をキープした。しかし6ラップ目に後方からJ・マーティンが迫り、クアルタラロはこれを抑えるために時間を費やしてしまう。ここからはトップのマルケスを追いかけながら、同時に2位を守るため、一瞬たりとも気の抜けない状態が続く。そして最終的にはこのプレッシャーに打ち勝ち、マーティンの追撃を振り切って2位でチェッカーを受けた。トップとの差は4.679秒となっていた。
一方、グリッド13位からスタートしたモルビデリは第1コーナーの混乱をスムースに抜け、オープニングラップを15番手で終了。その後はM・オリベイラ、アンドレア・ドビツィオーゾ、A・エスパルガロ、I・レクオーナ、バレンティーノ・ロッシらとバトルし、思うようにポジションを上げることはできなかったものの、前方3台の転倒もあり中盤まで17番手をキープした。
さらに順位を上げようと後半戦も懸命にペースアップを図るモルビデリだが、身体に大きな負荷がかかるCOTAのレイアウトによって、膝への負担がより一層増してしまう。そして終盤ではD・ペトルッチと中上貴晶に先行を許して19位でチェッカー。トップとの差は49.854秒だった。
この結果、クアルタラロはチャンピオンシップポイントを合計254ポイントに伸ばし、アドバンテージを52ポイントに拡大。モルビデリは合計40ポイントでランキング17位を維持している。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計349ポイントでチームランキング2位、ヤマハは合計282ポイントでコンストラクターズランキング2位となっている。
PETRONAS Yamaha SRTのドビツィオーゾとロッシが揃ってポイントゲット
ドビツィオーゾはオープニングラップで17番手に後退したあと挽回を図り、9ラップまでに一時、12番手に浮上。その後、1台に抜かれて13番手となり、そのポジションを最後まで守り切った。今回でグランプリ通算329回目の出場を果たし、出場回数でチームメイトのロッシに次ぐ2位に浮上している。
オープニングラップを21番手で終えたロッシは11ラップ目までに15番手に浮上し、最後までそのポジションを守り切った。気温32度、身体への負担の大きいCOTAはロッシにとって厳しい戦いとなったが、北米で最後となるその雄姿を大勢のファンが見守った。
この結果、チャンピオンシップではロッシがランキング21位、ドビツィオーゾはランキング26位となっている。
Monster Energy Yamaha MotoGP
ファビオ・クアルタラロ(2位)
「私の喜びを想像できますか! 私たちは本当に素晴らしい仕事を成し遂げました。ウォームアップセッションのなかでソフトコンパウンドのリアタイヤをテストし、昨日までは一度も考えたことのなかったオプションなのですが、それがとても良いと感じたのです。決勝では最初の12ラップが最も厳しい状況で、ホルヘ(マーティン)との差を広げようと懸命にプッシュし、何とかやり遂げました。これは人生最高の2位と言うことができます。夢に近づいている状況でもあり、正直に言えば優勝以上のものです。アメリカ大陸までの長い旅を好成績で終え、残り3戦で50ポイント以上のアドバンテージを維持できたことはとてもうれしいです。このあとは自宅に戻り、家族とともにリラックスして楽しい時間を過ごします。シーズン終了が近づいてきているので、ここからは考え方が変わってくるでしょう。このことを話すのは初めてですが、状況は良い方向へ向かっているように見えます」
フランコ・モルビデリ(19位)
「とても、とてもタフなレースでした。このコースは身体への負担が大きく、私はまだ怪我からの回復中であるためフルパフォーマンスを発揮できる状態ではなく、ここでの20ラップは本当に大変でした。ですから、あるポイントでは、最後まで走り切ってマシンを無事に持って帰ることだけを考えているところもありました。序盤はまだ何とかなっていて、もう少しプッシュしてマシンに適応したいと考えていました。そのなかで興味深いデータも得られたので、次のミサノに役立てたいと思います。次回は3週間後なので、治療と準備をさらに進められるでしょう。今回は期待したような成績ではありませんでしたが、収穫もあり、進むべき方向性がはっきりしてきました。今は来シーズンに備えるためのプレシーズンのようなものなので、さまざまなデータを集めながら少しずつ進みます」
マッシモ・メレガリ(チーム・ディレクター)
「今日の2位は、チームによる非常に精巧な仕事の結果と言うことができます。ウイークを通じてセッションごとに前進し、今朝のウォームアップ・セッションで行った最終的なリアタイヤのチョイスも功を奏しました。ウォームアップでは、それまで考慮になかったソフトコンパウンドを含めすべてのオプションを試し、最終的に正しい判断をすることができました。そのほかにも、非常にバンプの多いこのコースでファビオ(クアルタラロ)ができるだけ気持ちよく走れるように、いくつかの変更も行いました。そして決勝中にすぐ成果が現れました。ファビオは今回もまた、非常に成熟した走りを見せてくれました。好スタートを切り、マーティンが迫ってきたときにはすぐさま反撃に出ました。まさに必要な対応でした。そして後半戦は自分のリズムを守ることに集中しました。体力的に厳しいこのコースにおいて、言うのは簡単ですが、実行するのはとても難しいことです。しかし彼はそれを成し遂げ、貴重な20ポイントを持ち帰ってくれたのです。彼のタイトル争いにおいて、今日の2位はゴールドメダルのようなものと言えるでしょう。一方、怪我の回復中のフランキー(モルビデリ)にとっては、このコースレイアウトと20ラップの長いレースは本当に厳しい戦いになりました。ここまでの努力と進歩を十分に反映する結果にはなりませんでしたが、現状はこういうことです。次回までの2週間の休養がとれるので、フィーリングがかなり改善されると信じています」
PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team
アンドレア・ドビツィオーゾ(13位)
「スタートでエンジンのスイッチをオフにしてしまいそうになり、大きく出遅れてしまいました。私のミスかどうかまだわからないのですが、今、原因を調査しているところです。いずれにしても、この遅れが響き、またオーバーテイクの難しいコースの特徴もあって厳しい戦いになりました。終盤になるとペースも安定して、いい走りができるようになったのですが、それでもやはり、最大限を発揮できなかったことに悔いが残ります。スタートをしっかり決めていればトップ10に届いたと思います。前回のミサノと比べれば大幅に前進しており、これからもハードワークを続けてマシンへの適応を目指していきます。依然として学習の段階にあるため十分な成績でなくても満足していいという、とても奇妙な環境にいます。ですから、とりあえずOKです。そしてこの調子で前へ進んでいきます」
バレンティーノ・ロッシ(15位)
「昨日までの状況を考えれば、今日のスピードはとても良かったと思います。そして何とか1ポイントを獲得することができましたが、そこまでの道のりは本当にハードでした。このコースは激しいブレーキング、連続するマシンの向き変え、たくさんのバンプがあり、さらにはこの暑さも加わって非常に長いレースに感じられました。今のMotoGPマシンのレベルに適応するためには、身体の極限までの強化・調整が必要になるでしょう。今日はリアにミディアム・コンパウンドを選択し、フィーリングが良かったので順位をいくつか上げることができました。しかし残念ながらスピードはまだ十分ではありませんでした。それでも、このように厳しいレースのなかで最終的に1ポイントを獲得できたので満足しています」
ラズラン・ラザリ(チーム代表)
「ふたり揃ってポイント圏内に戻ってきたことは、とても良かったと思います。しかもアンドレア(ドビツィオーゾ)にとっては、チーム加入からわずか2戦目の大健闘となりました」
カテゴリー: F1 / MotoGP
PETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamのアンドレア・ドビツィオーゾとバレンティーノ・ロッシは、それぞれ13位と15位を獲得。
ドビツィオーゾは同チームから出場2戦目でポイントを手中にし、ロッシはグリッド20番手から挽回して1ポイントを加算している。
クアルタラロが2位獲得、モルビデリは19位
クアルタラロはグリッド2番手から好スタート。混戦のなかでM・マルケスに続く2番手につけ、逃げ切りを許すまいとペースを上げて序盤は0.5秒以内の差をキープした。しかし6ラップ目に後方からJ・マーティンが迫り、クアルタラロはこれを抑えるために時間を費やしてしまう。ここからはトップのマルケスを追いかけながら、同時に2位を守るため、一瞬たりとも気の抜けない状態が続く。そして最終的にはこのプレッシャーに打ち勝ち、マーティンの追撃を振り切って2位でチェッカーを受けた。トップとの差は4.679秒となっていた。
一方、グリッド13位からスタートしたモルビデリは第1コーナーの混乱をスムースに抜け、オープニングラップを15番手で終了。その後はM・オリベイラ、アンドレア・ドビツィオーゾ、A・エスパルガロ、I・レクオーナ、バレンティーノ・ロッシらとバトルし、思うようにポジションを上げることはできなかったものの、前方3台の転倒もあり中盤まで17番手をキープした。
さらに順位を上げようと後半戦も懸命にペースアップを図るモルビデリだが、身体に大きな負荷がかかるCOTAのレイアウトによって、膝への負担がより一層増してしまう。そして終盤ではD・ペトルッチと中上貴晶に先行を許して19位でチェッカー。トップとの差は49.854秒だった。
この結果、クアルタラロはチャンピオンシップポイントを合計254ポイントに伸ばし、アドバンテージを52ポイントに拡大。モルビデリは合計40ポイントでランキング17位を維持している。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計349ポイントでチームランキング2位、ヤマハは合計282ポイントでコンストラクターズランキング2位となっている。
PETRONAS Yamaha SRTのドビツィオーゾとロッシが揃ってポイントゲット
ドビツィオーゾはオープニングラップで17番手に後退したあと挽回を図り、9ラップまでに一時、12番手に浮上。その後、1台に抜かれて13番手となり、そのポジションを最後まで守り切った。今回でグランプリ通算329回目の出場を果たし、出場回数でチームメイトのロッシに次ぐ2位に浮上している。
オープニングラップを21番手で終えたロッシは11ラップ目までに15番手に浮上し、最後までそのポジションを守り切った。気温32度、身体への負担の大きいCOTAはロッシにとって厳しい戦いとなったが、北米で最後となるその雄姿を大勢のファンが見守った。
この結果、チャンピオンシップではロッシがランキング21位、ドビツィオーゾはランキング26位となっている。
Monster Energy Yamaha MotoGP
ファビオ・クアルタラロ(2位)
「私の喜びを想像できますか! 私たちは本当に素晴らしい仕事を成し遂げました。ウォームアップセッションのなかでソフトコンパウンドのリアタイヤをテストし、昨日までは一度も考えたことのなかったオプションなのですが、それがとても良いと感じたのです。決勝では最初の12ラップが最も厳しい状況で、ホルヘ(マーティン)との差を広げようと懸命にプッシュし、何とかやり遂げました。これは人生最高の2位と言うことができます。夢に近づいている状況でもあり、正直に言えば優勝以上のものです。アメリカ大陸までの長い旅を好成績で終え、残り3戦で50ポイント以上のアドバンテージを維持できたことはとてもうれしいです。このあとは自宅に戻り、家族とともにリラックスして楽しい時間を過ごします。シーズン終了が近づいてきているので、ここからは考え方が変わってくるでしょう。このことを話すのは初めてですが、状況は良い方向へ向かっているように見えます」
フランコ・モルビデリ(19位)
「とても、とてもタフなレースでした。このコースは身体への負担が大きく、私はまだ怪我からの回復中であるためフルパフォーマンスを発揮できる状態ではなく、ここでの20ラップは本当に大変でした。ですから、あるポイントでは、最後まで走り切ってマシンを無事に持って帰ることだけを考えているところもありました。序盤はまだ何とかなっていて、もう少しプッシュしてマシンに適応したいと考えていました。そのなかで興味深いデータも得られたので、次のミサノに役立てたいと思います。次回は3週間後なので、治療と準備をさらに進められるでしょう。今回は期待したような成績ではありませんでしたが、収穫もあり、進むべき方向性がはっきりしてきました。今は来シーズンに備えるためのプレシーズンのようなものなので、さまざまなデータを集めながら少しずつ進みます」
マッシモ・メレガリ(チーム・ディレクター)
「今日の2位は、チームによる非常に精巧な仕事の結果と言うことができます。ウイークを通じてセッションごとに前進し、今朝のウォームアップ・セッションで行った最終的なリアタイヤのチョイスも功を奏しました。ウォームアップでは、それまで考慮になかったソフトコンパウンドを含めすべてのオプションを試し、最終的に正しい判断をすることができました。そのほかにも、非常にバンプの多いこのコースでファビオ(クアルタラロ)ができるだけ気持ちよく走れるように、いくつかの変更も行いました。そして決勝中にすぐ成果が現れました。ファビオは今回もまた、非常に成熟した走りを見せてくれました。好スタートを切り、マーティンが迫ってきたときにはすぐさま反撃に出ました。まさに必要な対応でした。そして後半戦は自分のリズムを守ることに集中しました。体力的に厳しいこのコースにおいて、言うのは簡単ですが、実行するのはとても難しいことです。しかし彼はそれを成し遂げ、貴重な20ポイントを持ち帰ってくれたのです。彼のタイトル争いにおいて、今日の2位はゴールドメダルのようなものと言えるでしょう。一方、怪我の回復中のフランキー(モルビデリ)にとっては、このコースレイアウトと20ラップの長いレースは本当に厳しい戦いになりました。ここまでの努力と進歩を十分に反映する結果にはなりませんでしたが、現状はこういうことです。次回までの2週間の休養がとれるので、フィーリングがかなり改善されると信じています」
PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team
アンドレア・ドビツィオーゾ(13位)
「スタートでエンジンのスイッチをオフにしてしまいそうになり、大きく出遅れてしまいました。私のミスかどうかまだわからないのですが、今、原因を調査しているところです。いずれにしても、この遅れが響き、またオーバーテイクの難しいコースの特徴もあって厳しい戦いになりました。終盤になるとペースも安定して、いい走りができるようになったのですが、それでもやはり、最大限を発揮できなかったことに悔いが残ります。スタートをしっかり決めていればトップ10に届いたと思います。前回のミサノと比べれば大幅に前進しており、これからもハードワークを続けてマシンへの適応を目指していきます。依然として学習の段階にあるため十分な成績でなくても満足していいという、とても奇妙な環境にいます。ですから、とりあえずOKです。そしてこの調子で前へ進んでいきます」
バレンティーノ・ロッシ(15位)
「昨日までの状況を考えれば、今日のスピードはとても良かったと思います。そして何とか1ポイントを獲得することができましたが、そこまでの道のりは本当にハードでした。このコースは激しいブレーキング、連続するマシンの向き変え、たくさんのバンプがあり、さらにはこの暑さも加わって非常に長いレースに感じられました。今のMotoGPマシンのレベルに適応するためには、身体の極限までの強化・調整が必要になるでしょう。今日はリアにミディアム・コンパウンドを選択し、フィーリングが良かったので順位をいくつか上げることができました。しかし残念ながらスピードはまだ十分ではありませんでした。それでも、このように厳しいレースのなかで最終的に1ポイントを獲得できたので満足しています」
ラズラン・ラザリ(チーム代表)
「ふたり揃ってポイント圏内に戻ってきたことは、とても良かったと思います。しかもアンドレア(ドビツィオーゾ)にとっては、チーム加入からわずか2戦目の大健闘となりました」
カテゴリー: F1 / MotoGP