MotoGP:ホンダ 第2戦 スペインGP 決勝レポート
MotoGPクラスの開幕戦となった第2戦スペインGPは、最高気温32℃、路面温度53℃という厳しい条件の中で行われ、予選15番手から決勝に挑んだ中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が10位でフィニッシュした。

予選で転倒したアレックス・リンス(スズキ)が負傷のために欠場。朝のウォームアップではカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が転倒して決勝を欠場することになり、13番グリッドからスタートを切った中上は、ディフェンディングチャンピオンのマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が転倒するなど、厳しいレースをしっかりと戦い抜き、今季初レースをトップ10でフィニッシュした。

Repsol Honda Teamでのデビュー戦となったアレックス・マルケスは、予選21番手(19番グリッド)から決勝に挑み、中上貴晶を追走して12位でチェッカーを受けた。3月上旬の開幕戦カタールGPがキャンセルとなり、約4か月半遅れての開催となった。気温も路面温度も高い7月のヘレスという厳しい条件の中でのデビュー戦となったが、見事にポイント獲得を果たした。連戦となる第3戦アンダルシアGPでは、さらに上位を目指す。

ディフェンディングチャンピオンのマルク・マルケスは、予選3番手から好スタートを切って、3周目にトップに浮上する。その後、5周目にオーバーランを喫し、16番手までポジションを落とすが、そこから猛列に追い上げ、20周目には3番手まで浮上した。前を走るのはマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)。そのビニャーレスとの差をぐいぐい縮めていくが、残り4周となった22周目の3コーナーでハイサイドを喫し、転倒リタイアとなった。すばらしい追い上げのレースだっただけに、残念な結果となった。転倒したマルクは医務室へ。さらにヘレス市内の病院に搬送されて検査を受けたが、右腕上腕を骨折し、21日にバルセロナ市内の病院で手術を受けることになった。

予選6番手のクラッチローは、決勝日朝のウォームアップで転倒し、頭を打ったことからドクターストップとなりレースを欠場した。その後、左手に痛みを感じ、検査の結果、左手舟状骨の骨折が判明、ピンで固定する手術を受けた。

中上貴晶(MotoGP 10位)
「今季最初のレースを完走できて、10位という結果はよかったです。LCR Honda IDEMITSUチームが素晴らしい仕事をしてくれただけに、満足いく結果とは言えません。事前テスト、そしてフリー、予選とコース後半の中高速コーナーでの安定性に課題を抱えていました。しかし、今日は、なぜか分かりませんが、ヘアピンなどの低速コーナーでもフロントが切れ込むようになり、ペースを上げられませんでした。しかも、前にいるザルコをなかなか抜けずに苦戦しました。ザルコを抜いてからコンマ数秒タイムを上げることができましたが、基本的な問題は解消できませんでした。来週のレースまで時間があるので、データをしっかり分析して問題の解消に取り組みたいです。今大会、最終的に10位でフィニッシュしましたが、転倒車の多いレースでした。次のアンダルシアGPでは、今大会の課題を解消して上位を目指します」

アレックス・マルケス(MotoGP 12位)
「まずは、マルク、カル、そしてリンスが早く回復することを願っています。ほかのライダーがケガするのを見るのは決していいものではありません。開幕戦はかなりいいレースでした。いいペースだったと思います。暑くてかなり厳しいレースだったので、いい体力テストになりました。この暑さは、みんなにとって難しいレースになりました。レース中盤は速さがありましたが、最初の5周と最後の4周は難しい走りになりました。ルーキーなので、いろいろなことを学んでいます。また来週、レースがあります」

カル・クラッチロー(MotoGP DNS)
「残念ながら朝のウォームアップの最後のラップで、8コーナーで転倒してしまいました。縁石に乗った状態でブレーキをかけたのですが、フロントがスライドして、転倒してしまいました。普通の転倒だったのですが、深いグラベルで転がり、何度か頭と顔をかなり打ってしまいました。転倒のあと少しぼーっとした状態になり、全身と手が痛みました。メディカルセンターで頭と首のCTスキャンを撮り、すべて大丈夫でした。しかし、顔のケガもあり、医師からは8時間の休息を取るように言われました。正しい判断だったと思います。サーキットに戻ると左手首が痛いのでスキャンしました。転倒した際に左手舟状骨を骨折したようで、火曜日の午前中にバルセロナで手術を行うことになりました。金曜日に走行できることを願っています」

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カテゴリー: F1 / MotoGP