メルセデスF1 “スタート問題”解決へ カナダGPで新クラッチレバーを投入

今季ここまで全勝を維持しているメルセデスだが、レース序盤の蹴り出しでは何度も出遅れを経験してきた。特にシグナル消灯直後のホイールスピンやトルク制御には課題が残っており、ブラックリーでは問題解決に向けた開発作業が進められていた。
カナダGPで新クラッチレバーを投入
F1カナダGPを前にアントネッリは、メルセデスがスタート改善に向けて具体的な変更を施したことを明かした。
「今週末はクラッチのレバーが新しくなっている。この部分に変更を加えたんだ」
「ソフトウェア面でもかなり作業を進めたはずだ。マイアミではスタート時にその部分で少し問題があったからね」
「確実に変更は加えられているけど、一番大きいのはステアリング側の変更だ。今週末、それがまともなスタートにつながるか見てみたい」
メルセデスにとってスタート改善は急務となっている。W17は依然として高い競争力を示しているものの、今後は各チームの性能差が縮まっていくことをチーム側も想定しており、出遅れによるポジションロスを取り返す難易度はさらに高まるとみられている。
一方で、カナダGPはスプリントフォーマットで行われるため、チームが新仕様を試せる機会は限られる。スタート練習が可能なのはフリー走行1回目後のみとなり、新クラッチへの適応時間は非常に短い。
単なるターボ差では説明できない問題
シーズン開幕当初、メルセデスのスタート難はフェラーリより大型のターボを採用していることが主因と考えられていた。フェラーリは低速域でのレスポンスに優れており、スタート加速では一定の優位性を持つとみられている。
しかし実際には、それだけでは説明できない問題も浮上していた。オーストラリアではフォーメーションラップ中のバッテリー充電不足が影響し、他のレースではドライバー側の操作ミスも重なっていた。
アントネッリはマイアミGP前にもシミュレーターでスタート練習を重ねていたが、それでも実戦では再び出遅れを喫した。そこでメルセデスは今回、ソフトウェア制御とクラッチシステムの双方に修正を加え、タイヤへのトルク伝達をより細かく制御する方向へ舵を切った。
カナダGPは“本当の検証”になる
カナダGPのジル・ヴィルヌーヴ・サーキットは、短い加速区間と強いトラクション性能が求められるコーナーが連続するレイアウトとなっている。そのため、スタート性能の差が序盤の展開を大きく左右しやすい。
メルセデスは今週末、W17への大規模アップデート投入も予定しているが、実際にはスタート改善の成否も重要な焦点となる。特にライバル勢との性能差が縮まり始めれば、これまで以上に“最初の数秒”の重要性は増していくことになる。
アントネッリが語ったように、新しいクラッチレバーと制御変更が本当に効果を発揮するかどうかは、実際のスタートでしか分からない。モントリオールのグリッドは、メルセデスにとって今季最大のスタートテストになりそうだ。
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