混乱を招いたセーフティカー・ルールの変更
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2009年まではセーフティカー後の追い越しはコントロールラインまで禁止となっていた。しかし、今年からセーフティカーライン1から追い越しを可能とするように規約が変更された。
ただし、スポーティングレギュレーション第40条13項には「セーフティカーが出動している間にレースが終了する場合、最終ラップの終了時点でセーフティカーはピットレーンに入り、クルマはオーバーテイクをすることなくチェッカーフラッグを受ける」とも記されている。
すなわち、セーフティーカー出動の状態で最終ラップを迎えた場合は、セーフティカーは戻るように決められているということだ。
F1モナコGPでは、74周目にヤルノ・トゥルーリ(ロータス)とカルン・チャンドック(ヒスオアニア・レーシング)がラスカスでクラッシュし、セーフティカーが導入された。そして、最終ラップでセーフティカーがピットレーンに戻った。
その際、FIAは、78周目の序盤に“Safety Car in this lap(セーフティカーはこの周でコースを出る)”と発表した。
これを受けたメルセデス陣営は、セーフティカーライン1からコントロールラインの間でオーバーテイクをしていいと判断し、ミハエル・シューマッハはフェルナンド・アロンソをオーバーテイクした。
メルセデスGP側の言い分は、「セーフティカーライン1を過ぎたところにいたマーシャルたちがグリーンフラッグを振っていた」というものだ。メルセデスGPは、すでにセーフティカーの理由は排除され、セーフティカー導入状態での終了ではなかったと主張。シューマッハのペナルティを不服として控訴した。
しかし、スチュワードの裁定は第40条13項に違反しているとしているため、判定が覆るのは難しいだろう。
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カテゴリー: F1 / F1モナコGP