フェラーリが英国にF1サテライト拠点を新設か ニコ・ロズベルグが示唆

フェラーリは1943年に創業者エンツォ・フェラーリがモデナから移転して以来、82年間にわたり本拠地マラネロで活動してきた。だが、ロズベルグはSky Sports F1のポッドキャストで、現在の体制ではイギリス勢と比較して多くの面で不利だと指摘した。
「フェラーリ内部の状況を少し見たことがあるけど、メルセデスのようなイギリスのチームと比べて、マーケティングから他の分野に至るまで、あらゆる面での卓越性のレベルが違う」とロズベルグは語った。
また、「文化的な違いもある。彼らがイタリアにいるという事実が、全てをより困難にしている」と述べた。
自らが所属していたメルセデスでの経験を引き合いに出し、迅速な意思決定の重要性を強調した。
「例えばメルセデスでは、ルイス(ハミルトン)が何か問題を抱えたときはトト(ヴォルフ)に行けばすぐに決断してくれた。それで終わりだ。でもフェラーリでは決定権を持つ人物が多すぎて、誰に言えばいいか分からない状態だ。たとえある人物が『いいよ』と言っても、別の誰かがあとで文句を言うような感じだ」と内部の複雑さを明かした。
さらに、うわさとして「フェラーリがイギリスにサテライト拠点を設けることを検討しているという話を聞いたことがある」と明かした。「F1のエコシステムがそこにあるからだ」とも語り、F1界の中心地であるイギリスでの活動強化が視野に入っていることを示唆した。
現在、フェラーリはF1活動を全てマラネロで行っているが、イギリスを拠点とする他チームはその地理的利点を最大限に活かしている。メルセデスはブラックリーとブリックスワース、レッドブルは来年からエンジン部門を統合したミルトンキーンズのキャンパスを完成させる予定だ。
マクラーレン(ウォーキング)、アストンマーティン(シルバーストン)、ウィリアムズ(グローブ)もすべてイギリスに拠点を置いている。アルピーヌはイギリスのエンストンにシャシーファクトリーを、フランス・ヴィリー=シャティヨンにエンジン部門を持っていたが、来年からはメルセデス製パワーユニットを使用する予定だ。
レーシングブルズはイタリア・ファエンツァ、ザウバー(現ステーク)はスイス・ヒンウィルを拠点としており、来年からアウディとしてドイツ・ノイブルクでパワーユニットを製造する。ハースはアメリカ・ノースカロライナ州カナポリス、イギリス・バンバリー、イタリア・マラネロに拠点を分けている。
もしフェラーリがイギリス拠点を新設すれば、F1界のパワーバランスにも影響を与える可能性があり、今後の動向が注目される。
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