2025年F1 モナコGP WINNERS & LOSERS:角田裕毅 レッドブルは敗者選出

マクラーレンにとっては2008年以来のモンテカルロ制覇であり、ノリス自身にとってもキャリア初のモナコ勝利となった。チームメイトのオスカー・ピアストリも表彰台に立ち、マクラーレンの勢いを印象づける週末となった。
その一方で、角田裕毅にとっては厳しい週末だった。予選Q2敗退から決勝では17位フィニッシュに終わり、チームメイトのフェルスタッペンが4位でポイントを重ねる中、明暗が分かれた。F1公式サイトのローレンス・バレット記者が、モナコの市街地を舞台にした“勝者”と“敗者”を振り返る。
勝者:ランド・ノリス
今回の週末は、ノリスがワールドチャンピオン争いにおける自身の実力を証明する上で大きな意味を持った。
25歳のノリスは、モナコで自身初のポールポジションを獲得し、母国レースで勝利を狙うシャルル・ルクレールの猛追を退け、見事な初優勝を飾った。
これがオーストラリアGP以来となる今季2勝目で、通算6勝目。ポール・トゥ・ウィンはこれで5回目となり、チームメイトのオスカー・ピアストリとのポイント差をわずか3に縮めた。
敗者:オスカー・ピアストリ
今季最も乱れた週末となったピアストリだが、それでも7戦連続の表彰台を死守した。
これで34戦連続のポイント獲得となり、歴代3位の記録に到達。今季の全レースでトップ4以内の予選成績を維持している。
しかし、モナコを終えてチャンピオンシップリードは13ポイントから3ポイントに縮まり、流れはノリスに傾いた。

勝者:シャルル・ルクレール
地元モナコでポールを逃したことが勝機を逸する要因になったとルクレールは語った。
2位フィニッシュに表情は曇っていたものの、これは彼にとってモナコでのキャリア2度目の表彰台であり、フェラーリにとっても今季最高成績となった。
開幕から苦戦を強いられたフェラーリにとっては悪くない結果であり、これでルクレールはランキングでメルセデスのジョージ・ラッセルとの差を20ポイントにまで縮めた。

敗者:フェルナンド・アロンソ
今季2度目のQ3進出を果たすなど、アロンソはモナコでも健在ぶりを示した。ハミルトンのペナルティで6番手スタートとなり、序盤は6位圏内を快走していた。
しかし、ラ・ラスカスでエンジンにトラブルが発生し、無念のリタイア。今季8戦を終えて未だノーポイントという、過去10年間で最悪の開幕を迎えている。
勝者:アイザック・ハジャー
F1ルーキーのハジャーは、これまでで最も完成された週末を送った。F1モナコ初走行の金曜にはクラッシュも経験したが、予選ではキャリアベストの6番手を記録。
決勝では、チームメイトのリアム・ローソンが巧みに後続を抑える戦略的な支援を行い、2回のピットストップを無料で実行。結果、自己最高位の6位入賞を果たした。

敗者:アルピーヌ
ピエール・ガスリーはキャリアワーストの17番手からのスタート。フランコ・コラピントは初めてQ1最下位に沈むなど、週末全体を通じて厳しい展開となった。
日曜も明るい材料はなく、ガスリーは角田裕毅のブレーキングに反応しきれず接触、リタイアを喫した。
コラピントは18番手スタートから5つポジションを上げて13位で完走。加入後初めてチェッカーを受けた。

勝者:エステバン・オコン
2023年にアルピーヌでモナコ表彰台を獲得したオコンが、ハース移籍後も再び輝きを見せた。
予選ではモナコでのハース最上位となる8番手を獲得し、決勝では1つ順位を上げて7位フィニッシュ。これにより3戦ぶりのポイント獲得となった。

敗者:メルセデス
メルセデスにとっては、2024年オーストラリアGP以来となるノーポイントの週末となった。
ラッセルとアントネッリはいずれもQ3進出を逃し(ラッセルにとっては今季初)、レース中に順位を上げたものの、ポイントには届かず。
コンストラクターズランキング2位は維持したものの、3位レッドブルとは4ポイント差、4位フェラーリとは5ポイント差に迫られている。
勝者:リアム・ローソン
今季ベストパフォーマンスとなったローソンは、モナコに適したレーシングブルズのマシンを最大限に活かした。
2025年初のQ3進出を果たすと、決勝ではチームメイトのハジャーを助けるために後続を巧みに抑え、ハジャーの2回ストップをアシスト。
自身もキャリアベストの8位でフィニッシュし、2019年以来となる両ドライバーのモナコ同時得点をチームにもたらした。

敗者:レッドブル
モナコではマクラーレンとフェラーリに戦略でもスピードでも後れを取り、フェルスタッペンは4位でフィニッシュするのが精一杯だった。
過去7戦で4度目の表彰台逸となり、ランキング首位のピアストリとは25ポイント差。
角田裕毅は予選で力を発揮できなかったことを認め、決勝でも苦戦して17位。チームはマクラーレンに176ポイント差をつけられ、7戦分以上の差を背負う苦しい展開となった。
カテゴリー: F1 / F1モナコGP