角田裕毅 “フェルスタッペン後”のレッドブルF1では構想外?マルコ語る
レッドブルのトップF1チームにとって、ドライバー陣の状況は「グラスが半分満たされている」とも「半分空いている」とも言える。

一方では、ヘルムート・マルコ博士がマックス・フェルスタッペンを「完璧なドライバー」と評している。しかしそれは同時に、オランダ人ドライバーが望めば長期契約から抜け出す可能性もあることを意味する。

「レッドブルはバカじゃない」と2016年のF1ワールドチャンピオン、ニコ・ロズベルグはSky Deutschlandに語った。「彼らはマックスに莫大な報酬を支払い、数年契約を結んでいる。だから彼がただ立ち去れるとは思わない」

「でも、人に残れと強制することはできない」とドイツ人のロズベルグは認めた。「もし彼が出て行きたいなら、ある時点で受け入れるしかないんだ」

仮にフェルスタッペンがメルセデスかアストンマーティンに移籍すれば、レッドブル・レーシングには角田裕毅と、場合によってはジョージ・ラッセルしか残らないことになる。

「マックスの貢献がどれだけ大きいかは明らかだ」とチーム代表のクリスチャン・ホーナーは『De Telegraaf』紙に語った。「そして、いつか彼抜きでやっていかないといけない日が来ることも分かっている。ただ、それが数年後であってほしい」

「彼のパフォーマンスは本当に信じられないもので、チーム全体を一段高いレベルに引き上げているんだ」

ホーナーは、フェルスタッペンの移籍が差し迫っているとはまったく思っていないと強調する。

「いいや。彼は常にこのチーム、そしてレッドブル全体に忠実だった。10代でここに来て、今では27歳の父親であり、4回の世界王者だ。マックスとはいつも信頼関係のもとにやっている」

「僕は彼が今もここでとても心地良く感じていると思っているよ」とホーナーは付け加えた。

それでもレッドブルは明らかに将来を見据えて動いており、角田裕毅がナンバー1を担うにはまだ不十分であることを十分に認識している。

「彼は素晴らしい予選を走った」とマルコはモントリオールで語った。「が、今度は10グリッド降格のペナルティを受けることになった」

角田裕毅 レッドブル F1

フェルスタッペンも、日本人チームメイトを引き上げる手助けをしていると明かした。

「なぜギャップがあるのか説明するのは難しい」とオランダ人ドライバーは語った。「僕がどうクルマを操っているかとか、タイヤのウォームアップについてとか、アドバイスはするけど、最終的には彼自身がやるべきことだよ」

一方で、レーシングブルズのルーキー、アイザック・ハジャーへの称賛はとどまるところを知らない。

「アイザックはどんどん驚かせてくれる」とマルコは言った。「彼は常に安定していて、いつもQ3に進出する。何度もそれを達成しているのは驚きだよ」

レッドブルはさらに、17歳にしてスーパーライセンスを獲得したアービッド・リンドブラッドという選択肢も手にしている。

Sky Deutschlandがマルコに、これで英国とスウェーデンの血を引く彼が公式プラクティスに出られるのかと尋ねると、「グランプリに出走する資格を得た」とマルコは答えた。

とはいえ、仮にフェルスタッペンがレース出場停止処分を受けた場合でも、リンドブラッドが代役を務めるという考えは否定的だ。「彼はまだ17歳だからね」とマルコは指摘する。

「彼はどのカテゴリーでも非常に速かったし、メンタルも非常に強い。そして何より学ぶ意欲がとても高い」

マルコはその戦略の背景をこう説明した。「我々には今まで、岩佐歩夢というひとりのリザーブドライバーしかいなかったが、彼はスーパーフォーミュラでの義務もある」

「だから別の選択肢を持つことが重要だった。リンドブラッドは本当に偉大なドライバーになるためのすべての資質を持っているよ」

さらに、もうひとつの“ワイルドカード”的な選択肢として、35歳のニコ・ヒュルケンベルグもいる。マルコは彼のことを高く評価していると認めている。

「彼が予期せぬ形でF1にカムバックした後、良いパフォーマンスを見せたことは本当に認めなければならない」とマルコは語った。「彼がマックスの隣のシートを得られなかったが、むしろ良かったのかもしれないね。少し気楽に走れたから」とマルコは笑った。

レッドブルが再び彼の獲得を狙う可能性について問われると、マルコはこう答えた。「彼はアウディと長期契約を結んでいる。それを手放すようなことはしないさ」

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング