2021年 第5戦 F1モナコGP 決勝:タイヤ戦略解説
2021年のF1世界選手権 第5戦 F1モナコGP 決勝でのタイヤ戦略をF1公式タイヤサプライヤーのピレリが解説した。

レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが、ソフト~ハードと繋ぐ1ストップ戦略でモナコグランプリを制した。ポールシッターだったフェラーリのシャルル・ルクレールがスタートできなかったため、フェルスタッペンは実質のポールポジションからスタートした。

モナコでの勝利によって、マックス・フェルスタッペンはドライバーズチャンピオンシップでトップに立った。フェラーリのカルロス・サインツが2位を、マクラーレンのランド・ノリスが3位を獲得した。

上位6名のドライバーが、ソフト~ハードの1ストップ戦略を使用した。スタート時には、P Zeroホワイト・ハードやP Zeroイエロー・ミディアムを装着したドライバーも見られた。

フィニッシュしたドライバー中、7位を獲得したメルセデスのルイス・ハミルトンを除く全員が1ストッパーだった。ハミルトンは、終盤にP Zeroレッド・ソフトへ交換し、ファステストラップポイントを獲得した。

ハードタイヤでスタートしたアストンマーティンのランス・ストロールは、58周目にトラックポジションを維持したままピットストップを行い、8位でフィニッシュした。ソフトタイヤでスタートしたアルピーヌのエステバン・オコンは、37周目にミディアムへ交換し、9位を獲得した。ソフト~ミディアムの1ストッパーはオコンただひとりだった。

昨日よりも温暖な天候となり、木曜日のフリー走行時に近いコンディションとなった。気温は約20℃、路面温度は40℃ほどだった。

■各コンパウンドのパフォーマンス
【ハードC3】
トップ6を含む多くのドライバーが第2スティントでハードを使用した。ストロールとアルファタウリ・ホンダの角田裕毅は、ハードでスタートした。角田は、長いオープニングスティントを走行し、64周目にソフトへ交換した。路面の高いグリップレベルと温暖な気温が、ミディアムよりもハードの使用を促した。

【ミディアムC4】
数名のドライバーがミディアムでスタートし、オコンのみが第2スティントでミディアムを使用した。アルピーヌのフェルナンド・アロンソは、ミディアムで45周のオープニングスティントを走行し、ソフトへ交換した。アロンソの戦略は、チームメイトのオコン同様、ユニークなものとなった。

【ソフトC5】
多くのドライバーがソフトでスタートした。トラックポジションが重要なサーキットで、ソフトはラップあたり0.5秒以上ミディアムよりも速い特性を示していた。セーフティカー導入が発生しないなか、ソフトによる30周以上の長いスティントが見られ、デグラデーションは低いレベルだった。ハミルトンは、残り9周時点で2セット目のソフトタイヤへ交換し、ファステストラップポイントを獲得した。ハミルトンのタイムは、2018年に記録されたレースラップレコードを更新するものだった。

マリオ・イゾラ(ピレリF1およびカーレーシング責任者)
「今回のモナコでは、スタート時に全3種類のコンパウンドが登場し、表彰台に3チームが上り、トップ10で4種類の戦略が使用されるなどのいくつかのサプライズが見られました。このことは、今回のコンパウンドが重要な役割を果たすレースタイヤに適していたことを示しています。なかでも、フェルスタッペンを含むトップ6が使用したソフト~ハードの1ストップ戦略がもっとも主流となりました。モナコでは珍しく、戦略に影響を及ぼすセーフティカーの登場機会がなかったなか、タイヤの性能には満足しています。この点は、レース終盤にハミルトンがソフトタイヤで3年前のレースラップレコードを更新したことでも裏付けられます。優勝と同時に初めてチャンピオンシップリーダーになったフェルスタッペンを祝福したいと思います」

F1 モナコグランプリ2021 F1 モナコグランプリ

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カテゴリー: F1 / F1モナコGP / ピレリ