2022年 F1メキシコGP 決勝:タイヤ戦略解説
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P Zeroレッド・ソフトタイヤでスタートしてトップに立ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、25周目にP Zeroイエロー・ミディアムタイヤへ交換するピットストップを行い、トップの座を譲った。
その後、ライバルのメルセデス勢がピットストップを行った際に再びトップに立ち、ミディアムタイヤをフィニッシュまでマネージすることが課題となったファルスタッペンは、ミディアムタイヤで46周を走行し、2位に15秒差をつけて優勝した。
BEST OF THE REST:THE ALTERNATIVE STRATEGY
12名がソフトで、8名がミディアムでスタートし、戦略は序盤から大きく分かれた。レッドブルとメルセデスによる鍵となる闘いにも戦略の違いが反映され、ミディアムでスタートしたメルセデスは、P Zeroホワイト・ハードタイヤで第2スティントを走行した。ルイス・ハミルトン(メルセデス)は、オースティンに続いて今シーズンベストリザルトの2位を獲得した。わずか3名の2ストッパー中のひとりとなったチームメイトのジョージ・ラッセルは、終盤にソフトタイヤへ交換してファステストラップポイントを獲得した。
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WHAT TO LOOK OUT FOR NEXT
最後の難関が待ち受けている。オースティンとメキシコシティのFP2で収集されたデータを基に、2023年型スリックタイヤの仕様が決定される。シーズン最終戦のアブダビグランプリ後に行われるテストにおいて、各チームはこれらのタイヤを初めて試すことになる。今後の数週間は、ピレリのエンジニアおよび技術陣にとって極めて重要な期間となり、11月11~13日のブラジルグランプリ、その翌週のアブダビグランプリに臨み、シーズンを締めくくる。
マリオ・イゾラ(ピレリ モータースポーツディレクター)
「トラック上およびピットウォールでの戦略戦において、全3種類のコンパウンドがドライバーやチームにレースへのアプローチ機会を提供できたことを嬉しく思います。タイヤを最適に使用する能力を基盤とした様々な戦略が見られました。強力な性能と抑制された摩耗を提供し、ミディアムタイヤが主役を、ハードとソフトが重要な役割を演じました。レースは、週末を通してタイヤを最大限に活用していた2チームによる戦略的な闘いに帰結しました。また、我々にとって、ハードな15日間のなか2023年型プロトタイプタイヤのテストを行い、オースティンでは硬めのコンパウンド、メキシコシティでは軟らかめのコンパウンドのデータを収集できたことは重要でした。加えて、2回目のテストが行われた金曜日の夜、データ分析においてドライバーたちから熱意あるコメントが得られたことも貴重でした。メキシコの素晴らしい観衆の前で、シーズン最多記録となる14勝目を挙げたマックス・フェルスタッペンとレッドブルを祝福します」
カテゴリー: F1 / F1メキシコGP / ピレリ