トト・ヴォルフがメルセデスF1内紛を火消し「スター・ウォーズ風の見出しは不要」
メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフは、F1カナダGPスプリントでジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリの緊張が一気に高まったことを受け、チーム内の火消しに動いた。

土曜のスプリントでは、メルセデスのタイトル候補同士によるバトルが接触寸前まで激化。アントネッリは無線で怒りをあらわにし、事前に話し合われていたレース時の取り決めをラッセルが無視したと受け止めた。


ラッセルの巻き返しとアントネッリの怒り
ランキングで10代のチームメイトに20点差をつけられてカナダに入ったラッセルは、スプリント優勝に続いて決勝のポールポジションを獲得し、大きく流れを引き戻した。

「マイアミが僕にとって少し鬼門なのは分かっている」とラッセルはコメント。

「もちろん、カレンダーに大きな空白期間があったから、多くの人がいろいろなことを言っていた」

「でも結局、僕はただレースに戻りたかっただけだ」

一方のアントネッリは、スプリントでの一件に強い不満を示した。

「こういうふうにレースをする必要があるなら、分かってよかった」とアントネッリは無線で皮肉を込めて語った。

その後、アントネッリは「とても腹が立っていた」と認めた。

「おそらく僕は、あのミーティングの意味を少し違う形で理解していた」とも語り、スプリント前に行われたチーム内協議を念頭に置いた。

ヴォルフが無線で即座に介入
アントネッリが無線で不満を続けると、チーム代表のヴォルフはすぐに介入した。

「これで4回目だ」とヴォルフは伝えた。

「これは内部で話し合う。無線で不満を言うことではない。運転に集中しなさい。無線で文句を言うことではない」

レース後、ヴォルフは大きな内部危機という見方を否定した。

「我々がどう物事を進めたいのか、あるいはどう進めたくないのかを知る、とても良い教訓だった」

「互いに激しく争えば、どれほど早くリードを失うことがあるかを示している。常に双方に責任がある」

「スター・ウォーズ風の見出し」は不要
ヴォルフは、メルセデスが過剰反応するつもりはないと強調した。

「キミやジョージに対して特別に厳しくするわけではないが、一定の境界線は設けたい」

「そして私は、こうしたことがメインレースほど多くのポイントが懸かっていないスプリントで起きたことの方がまだいいと思っている」

さらに、ヴォルフはこのライバル関係が早い段階でセンセーショナルに扱われることを望まないと明言した。

「シーズン第5戦の始まりが、スター・ウォーズ風の見出しや、緊張がエスカレートしているという話とともに語られることは望んでいない」

「そういう状況ではない」

「キミは若いドライバーで、感情に圧倒されている。ジョージも彼の立場なら、おそらくまったく同じように振る舞うだろう」

メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

スプリント後の話し合いで関係は修復
ヴォルフはその後、両ドライバーとスプリント後に話し合いを行ったことを明かし、その内容は建設的だったと説明した。

「彼らは、互いに必要なスペースを与えられると我々が信頼できることを示すために、もう一度チャンスを望んでいる」

アントネッリも、関係がすぐに落ち着いたことを認めた。

「スプリントの後、僕たちは物事を整理した」と19歳のアントネッリはスカイ・イタリアに語った。

「ミーティングを行ったし、ああいうことが二度と起きないようにしたい」

ビルヌーブ「精神面の大きなテスト」
一方、1997年F1ワールドチャンピオンのジャック・ビルヌーブは、2026年シーズン序盤に驚異的なスタートを切ったアントネッリにとって、今回のプレッシャーは精神面の大きな試練になると見ている。

「昨年のピアストリのようなものだ」とビルヌーブはル・ジュルナル・ド・モントリオールに語った。

「前にいるときは、アプローチが同じではない」

「彼が何でできているのか、どう作られているのかが分かる。彼は速い。今は、肉体的にも精神的にもそれを維持できるかを見なければならない」

メルセデスにとって、ラッセルとアントネッリの速さは大きな武器である一方、同じマシンでタイトルを争う構図はリスクも伴う。カナダGP決勝で2人が再びフロントロウから並ぶことで、チームが求める「自由に戦う」ことと「互いにスペースを残す」ことの境界線が、早くも問われることになる。

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / メルセデスF1