F1ドライバー、メルセデスF1のプレシーズンテストでの不調に懐疑的
王者メルセデスF1は、2021年のF1プレシーズンテストでパフォーマンス・信頼性ともに強さを見せることはなかったが、ライバルチームのF1ドライバーは誰も信じていない。

昨年、17戦中13戦と圧倒的な強さでチャンピオンシップを制したメルセデスF1は、7月にはすでに昨年マシンW11の開発をストップし、リア周りの空力が調整される2021年F1マシンの開発に焦点を合わせてきた。

事前の新車発表会でもメルセデスF1は、W12のリア周りを隠し、F1プレシーズンテスト初日でベールを脱いだW12には複雑な形状のフロアが搭載されてそのパフォーマンスが注目を集めた。

しかし、メルセデスF1にしては珍しく、テスト初日にはギアボックストラブルによって走行時間を大幅にロス。2日目にバルテリ・ボッタスがトップタイムを記録したものの、多くのドライバーが予選アタックを実施した最終日にはルイス・ハミルトンがアタックラップでスピンを喫するなど、らしくない状態がみられた。

ルイス・ハミルトンは「これらのルール変更によって、マシンの後部はあまり感触が良くない」と認める。

「でも、僕たちは解決策を見つけようとしている」

レッドブルF1のモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは「まだメルセデスのポテンシャルを十分に目にしたとは思わないが、彼らのマシンはかなりナーバスなようだ」と Sky Deutschland に語った。

F1プレシーズンテストの最速タイムを記録したレッドブルF1のマックス・フェルスタッペンは、新車RB16B「本来あるべき通りの反応をしてくれる。素晴らしいよ」と語った。

しかし、「僕たちを優勝候補だとは見なしていない。優勝候補は、あらゆるレースとタイトルを獲得してきたチームだ。

しかし彼は、「私たちをお気に入りとは見ていません。お気に入りは、これらすべてのレースとタイトルを獲得したチームだ。だから、僕たちにとっては何も変わってない」と主張する。

フェラーリのカルロス・サインツも懐疑的だ。「メルセデスや他のチームから見たものについては何も信じていない。まだ時期尚早だ」と語った。

アストンマーティンF1のセバスチャン・ベッテルは「メルセデスは過去に行ったような奇跡のマイレージを重ねなかったと言える。でも、彼らは最初のレースで良い位置にいると確信している」と付け加えた。

唯一、2021年F1マシンでプレシーズンテスト前にシェイクダウンを実施しなかったメルセデスF1だが、F1プレシーズンテスト終了後にフィルミングデーを予定。その戦略が吉と出るっか凶と出るか、はたまた、何か新しいソリューションを隠しているのか。

これまで、圧倒的な強さを見せながらもいくつかの「レッドブル・ホンダの方が強い」とコメントしてきたメルセデスF1。フリー走行で不調そうに見えても、予選では突然パフォーマンスを取り戻して圧巻のポールポジションという展開が何度もあった。開幕戦の予選への注目がさらに高まる。

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カテゴリー: F1 / メルセデスF1