メルセデスF1 W11 / 公開された実車画像の詳細にズーム
メルセデスF1は2月14日(金)に2020年F1マシン『W11』のシェイクダウンを実施。実車の写真では先に公開されたデジタルイメージだけでは確認できなかった様々な進化が浮かび上がってきた。

昨年、メルセデスはルイス・ハミルトンが自身6回目となるドライバーズタイトルを獲得。チームとしても開幕から5戦連続の1-2フィニッシュおよび8連勝と合計で15勝、31回の表彰台を獲得する圧倒的な強さでコンストラクターズタイトルを獲得し、両方のタイトルを6連覇するという前人未踏の偉業を成し遂げた。

2020年はF1レギュレーションに大きな変化がないが、これまでに発表された新車と同様、メルセデスは大きな進化を遂げた。特に空力処理とパッケージングは、レッドブルのエイドリアン・ニューウェイのお株を奪うほどの過激さがみられる。

メルセデス W11:フロントウイングメルセデス W11:ノーズ先端メルセデス W11:ノーズ周辺メルセデス W11:フロントサスペンション周り

意外だったのはフロントウイングの形状。昨年はアッパーエレメントが上向きだったが、2020年はフェラーリのように下向きへと変更された。ノーズは昨年の“スプーン”のロングノーズ型を継承。サイドは美しい形状で覆われ、先端以降は事実上フェラーリやレーシングポイントの“鼻孔ノーズ”のようにチャンネルが分けられている。

メルセデスW11:サイドポッドメルセデスW11:バージボードメルセデスW11:リア回り

バージボード部分は、昨年のトレンドとなった“ブーメランベーン”を継続し、高さのある1つのボードと、低い不揃いな大きさ、角度の計算しつくされたボードが、凹凸のあるフロアに搭載されている。デジタルイメージとシェイクダウン時にはすでに異なるものが搭載されていた。

そして、最も特徴的なのはサイドポッド周りだ。2017年にフェラーリが導入した、上部の衝撃ビームを下げた位置に取り付ける手法をコピー。サイドポッド本体をさらに後方から開始、フロントウイングからバージボードを介して供給される気流が車体に再接続するまでより長い距離を与えることで、より良い、高速な気流を生み出がアンダーフロアに引き付けられ、マシン下部のダウンフォースを向上させる。

湾曲させたアンダーフロアから伸びた高いボードには多数のフラップが設けられ、低いボードも空力を考慮した形状で多数装着されている。サイドポンツーン自体かなり小さく、後方は過激に下降している。残念ながら、上方や方法からの画像は現時点では公開されていないが、リアは過激に絞り込まれ、リアタイヤとボディワークの間に大きなスペースを実現。ディフューザー部にもなんらかの仕掛けがありそうだ。

2018年まで“直線番長”気質のあったメルセデスのF1マシンだが、昨年からショートホイールベース+レーキ角をつけてダウンフォースを増加させるコンセプトに変更。そのコンセプトにストレートスピードの優位性とさらなる空力効率を加えたW11は2020年のF1世界選手権のタイトル最有力候補であることは間違いないだろう。

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カテゴリー: F1 / メルセデスF1 / F1マシン