マクラーレンF1代表 スペインGP1-2の快挙を称賛「2ストップはリスクもあった」

ポールポジションのピアストリはスタートで首位を堅守。一方のノリスは一時的にマックス・フェルスタッペンに2番手を奪われたものの、まもなくポジションを奪い返した。
フェルスタッペンは3ストップ戦略を採用しており、終盤に新しいタイヤで攻めてくる可能性があったため、マクラーレン陣営には警戒感も漂っていた。
しかし、レース終盤にセーフティカーが出動したことで状況は一変。大半のドライバーがピットインする中、フェルスタッペンのレッドブルはハードタイヤを装着し、周囲がソフトタイヤを選んだことで展開が苦しくなった。ピアストリは最終的にノリスに2.471秒差をつけ、今季5勝目を挙げた。
ステラはレース後、見た目以上に困難な局面があったことを明かしている。
「第2スティントでは我々がプッシュしつつペースをコントロールしていたが、彼(フェルスタッペン)の追い上げは我々の想定以上に速かった」
「そのため途中でドライバーたちに『もっとプッシュすべきか?』と尋ねたところ、2人とも『これ以上のペースはないと思う』と返してきた。あの段階では、第1スティントの時よりも状況が開いてしまう可能性があると不安になっていた」
「さらに当時はオスカーとランドの差が2.5秒ほどだったから、仮にフェルスタッペンに対するカバーが必要になった場合、2人の扱いが難しくなっただろう。ただ幸いにも、フェルスタッペンのペースはその後少し落ちていった」
「そして、オスカーが第2スティントの終盤に素晴らしいペースを見せてくれたことで、ピットストップのタイミングも計画通りに進めることができた。ドライバーの判断も素晴らしかったし、タイヤエンジニアの働きも含めて、今日は全体として非常に良いレース運びだったと思う」

3ストップを採ったフェルスタッペンの速さを目の当たりにしたうえで、依然として2ストップが有利だったと考えるか問われたステラは、こう答えている。
「私は2ストップの方が速いと思う」
「ただし、非常に速い3ストッパーがいる場合、こちらは長いスティントでプッシュしなければならず、リスクは高くなる。タイヤの状態が予測しづらくなることもある」
「スティントの序盤では無理にプッシュせず、タイヤを温存することに慎重だった。序盤にプッシュしすぎると終盤にデグラデーション(劣化)が激しくなるからだ」
「実際にフェルスタッペンも、おそらく第3スティントでかなりプッシュしていたが、最終的にはペースが落ちた。結局のところ、(タイヤの)予算には限りがある。どこでそれを使うか決めなければならない。2ストップはリスクが高くて、タイヤが限界を迎えたときはとても厳しくなる。でも、それでも2ストップの方が速いと思う」
また、レース序盤にノリスがフェルスタッペンの背後にいたことがタイヤの消耗に影響したかという問いに対して、ステラは昨年の同GPで苦しんだピアストリの進化にも言及した。
「前を走るクルマを追いかけていると、空力効果が落ちる。だからその差をタイヤで補わなければならない。これがだいたいコンマ5秒分ぐらいに相当し、それだけタイヤに負荷がかかる。だから第1スティントではランドの方がタイヤを多く消耗していたと思う」
「ただ全体的に見れば、今日の2人は驚くほど似たようなペースで並走していた。昨年このサーキットで非常に苦戦したオスカーが、ここまで成長してくれたことは本当に素晴らしい」
カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム / F1スペインGP