マクラーレン ホンダF1 メキシコグランプリ フェルナンド・アロンソ
マクラーレン・ホンダは、F1メキシコグランプリ初日のフリー走行で、フェルナンド・アロンソが7番手タイム、ストフェル・バンドーンが15番手タイムだった。

午前中に行われたFP1は、2人のドライバーにとって明暗が分かれるセッションとなった。ストフェル・バンドーンは、パワーユニットに問題が発生したため、インスタレーションラップを3周走行したあとはガレージで待機しなければならなかった。

マクラーレン・ホンダはパワーユニットから送信されるデータに異常を検知したものの、ガレージでの初期調査では診断できず、詳しい調査のためにパワーユニットを交換することにした。

それとは対照的に、フェルナンド・アロンソのセッションはスムーズに進行し、前向きな内容となった。実りの多いテストプログラムを実行し、チームにとって有益なデータを多数収集するとともに、空力コリレーション用のテストも実施した。アロンソは20周を走行し、8番手でセッションを終了した。

メカニックがFP2に間に合うようにパワーユニットを交換したおかげで、ストフェル・バンドーンはセッション開始時にピットレーンが開放された直後にコースに復帰することができた。午後は、両ドライバーにとってトラブルのないセッションとなった。午前中はほとんど走行できなかったストフェル・バンドーンがマシンのハンドリングに徐々に慣れる一方、フェルナンド・アロンソはさまざまなセットアップ変更および空力コンポーネントの確認を実施した。セッション後半には、両ドライバーともロングランと牽引の練習に焦点を当てた。アロンソは26周を走行して7番手、バンドーンは32周を走行して15番手に入った。

フェルナンド・アロンソ (7番手)

「今日はとても前向きで収穫の多い金曜日だった。多くの周回を重ね、多数のテストを実施し、その大半でいいフィードバックを得た。僕たちのラップタイムはトップからわずか0.7秒差、そして(6番手の)バルテリ・ボッタス選手からも0.2秒という僅差だったので、この複雑なサーキットで行われた両セッションで驚くほど競争力があったということだ。ただ日曜日のレースは、最後尾からスタートし、トップスピードが不十分なためにオーバーテイクのチャンスがほとんどない難しい展開になるだろう。(残り2戦が行われる)ブラジルとアブダビで新品のパワーユニットを使用するためにも、ある意味、今回のレースを犠牲にしなければならない。予選の戦い方は、まだ決まっていない。タイヤについては、まだいくつか決定しなければならないことがあり、今週末のダメージを最小限に抑えるにはどの選択肢が一番いいのかを検討する。会場はすばらしい光景だ! まだ金曜日であるにもかかわらず、既に大勢の観客の皆さんがグランドを埋め尽くしており、とてもうれしく思う」

ストフェル・バンドーン (15番手)

「FP1ではパワーユニットの不具合が発生したため、当然のことながら、ほとんど走行できなかった。FP2でもホイールが緩んでいたことからすぐにコースに出られなかったものの、最終的にはFP2のプログラムを完了し、必要なデータを収集することができた。明日はトラブルのない一日となり、いつも通りの週末を過ごせるよう願っている。FP1で発生したパワーユニットの不具合の原因が分かってよかった。明日は予選前のFP3で、できる限り多くの周回を重ねたいと思う。初めて走行するコースでは、周回を重ねることが最も重要だ。特に、ここで経験している標高の高さなどの難しいコンディションの中、サーキットの特性に合わせてマシンを調整するには、走行距離がカギとなる。明日、走行時間がちゃんと確保できれば、マシンに対する感触を改善し、予選とレースに向けて多くの情報を収集することは可能だと考えている」

エリック・ブーリエ (マクラーレン・ホンダ レーシングディレクター)

「今朝はストフェルにとってフラストレーションのたまるセッションとなったものの、FP2では両マシンで有益なデータを収集することができ、最終的には実りの多い一日となった。FP1ではストフェルのマシンに問題が発生し、マシンの外で問題を診断するためにパワーユニットを交換することにした。幸い、そのパワーユニットは予備なので、土日に使う分がなくなるわけではない。ただ、パワーユニット交換をしたことで、プログラムを前倒しして実施する必要があった。ストフェルと彼のエンジニアは、午前中に走行できなかった分を取り戻すために、FP2をとても効率よく実施した。十分な走行ができないという状況は、特に初めてレースをするコースでは、走行プログラムを妨げる結果となる。それでもストフェルは午後にはすばらしい仕事をし、走行プランをすべて完了するとともに、彼のチームが今夜確認するための有効な情報を収集してくれた。一方、フェルナンドのセッションは2回ともスムーズに進んだ。チームは土日に向けて有益なデータを収集し、彼のエンジニアに対してこのサーキットでのマシンのハンドリングに関する貴重なフィードバックを行うことができた。ここが我々にとって難しいコースであることは分かっているし、今回は両マシンがペナルティーを受ける。それでも、今日はパワーユニットの不具合があったものの、自分たちの仕事には満足しているし、明日はさらに走行を重ね、いいかたちで一日を過ごせるようにしたいと思う」

中村聡 (ホンダのR&Dチーフエンジニア)

「今回のメキシコGPには、フェルナンドについては先週のUSグランプリでのMGUHのトラブルの影響により、またストフェルについては残り2戦に向けて万全の信頼性を担保する目的で、それぞれ新しいパワーユニットを搭載して臨んでいます。今日のセッションについては、フェルナンドは朝から予定通りにプログラムを消化し、順調な一日となりました。2300mという標高のために、パワーユニットの出力コントロールと言う点で苦労すると想定していましたが、そのなかでもまずまずのスピードを見せられたと感じています。一方のストフェルについては、FP1の序盤でパワーユニットのデータに異常が見つかったため、大事を取ってパワーユニットの交換を決断しました。FP1のセッション時間を大きく失ったことは非常に残念でしたが、分析の結果、問題は大きなものではなくパワーユニットへの影響も見られませんでした。午後のFP2では多くの周回をこなせたので、ある程度の挽回は出来たと思います。そのペナルティーのために日曜日の決勝は両マシンともに最後尾からのスタートとなってしまうことは非常に残念です。ただ、レースではあらゆることが起こり得ますし、チャンスを確実に掴めるよう、明日も決勝を見据えたロングラン用のセットアップに重点を置いて、準備を進めます」

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カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム / ホンダF1 / F1メキシコGP