F1米国放映権でApple浮上 リバティ・メディア「放送局以上のパートナー求む」
リバティ・メディアのCEOであるデレク・チャンは、新たな米国F1放映権契約において「単なる放送局以上」の存在を求めている。

現在、米国での放送局はウォルト・ディズニー社傘下のESPNで、2018年以来アメリカでのF1放映権を保持している。その前はNBCが放送していたが、低視聴率のため年間400万ドルの契約を続けることを拒否し、撤退した。

母国でのF1放送を継続させたいと必死だったリバティは、文字通りESPNに無料で放映権を与えることになった。

だがその後、パンデミックとロックダウンが訪れ、『ドライブ・トゥ・サバイブ』による固定視聴者が生まれることになった。

2020年までにESPNは年間500万ドルを支払うようになり、2023年には年間8500万ドルへと増額された。

しかし、それでもリバティにとっては十分ではなかった。その結果、放映権は再び売りに出され、F1は年間1億2000万ドルから1億5000万ドルの間を求めていると報じられている。そして、Netflixが後退したように見える一方で、Appleが有力な候補として残っている。

ゴールドマン・サックスのカンファレンスで語ったチャンは、リバティが求めているのはF1を収益化することに積極的な「パートナー」であることを明らかにした。

「あなたのメディアパートナーは単なるメディアパートナーなのか? それともスポンサーでもあるのか?」と彼は語り、もしスポンサーであれば「その関係を収益化し商業化していく、他の手段を持つことになる」と付け加えた。

「全体的かつ包括的な基盤で多くを増幅し、ファンとのエンゲージメントを推進してくれるパートナーを迎えることが重要なのだ」と彼は述べた。

名前こそ出さなかったが、リバティがテクノロジー大手Appleがもたらす付加価値を注視しているのは言うまでもない。

「交渉の経緯は広く報じられているが、我々はかなり進展しており、どこに着地するかについてはかなり満足しているし安心している」と彼は語った。「比較的早い段階で話せることが出てくることを期待している」

一方、ESPNは日曜のイタリアGPについて、ESPN2での生中継を120万人が視聴し、18〜49歳のデモグラフィックでは平均48万4000人を記録したと明らかにした。

今シーズン、ESPN、ESPN2、ABCでの放送を合わせた平均視聴者数は140万人で、これは2022年に記録されたシリーズ史上最高の平均121万人を上回っている。

イタリアGPの視聴者数は前年の110万人から12%増加し、米国テレビでの同イベント史上最大の視聴者数となった。

今季、視聴記録を更新した10戦はオーストラリア、中国、モナコ、スペイン、カナダ、オーストリア、イギリス、ベルギー、オランダ、イタリアである。しかし、皮肉にもマイアミGPだけが前年比で視聴者数の伸びを記録していない。

率直に言えば、人口3億4000万人の米国において140万人という数字は「海の一滴」に過ぎず、今後放映権を勝ち取った放送局がESPNの倍額を投資してその回収を図り始めれば、さらに減少することは誰の目にも明らかだ。

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カテゴリー: F1 / リバティ・メディア