2025年F1第1四半期決算 収益27%減でチーム分配金も縮小
2025年のF1第1四半期決算が発表され、収益は前年同期比で27%減少し、チームへの支払いも減少したことが明らかになった。

この減少は、シーズン序盤のレーススケジュール変更が主な要因とされている。2024年第1四半期には3戦が開催されたのに対し、2025年は2戦にとどまった。

収益は、前年の5億5300万ドル(約4億1500万ポンド)から4億300万ドル(約3億200万ポンド)へと減少。主なF1収益源であるレースプロモーション、メディア権、スポンサーシップのいずれもが落ち込んだ。

レースプロモーション収益は、開催レース数の減少およびイベント構成の違いが影響。メディア権およびスポンサー収益も、レース数の少なさが背景にある。ただし、メディア権については契約による料金上昇とF1 TVのサブスク成長により、減少分の一部が相殺された。スポンサー収益も、新規スポンサー獲得と既存契約の増収により、ほぼ横ばいに保たれた。

一方、ホスピタリティや体験型イベント収益などを含む「その他のF1収益」も減少。これはパドッククラブの開催数減やイベント構成によるものだが、貨物収益の増加で一部が補われた。

営業利益は、昨年の1億3600万ドル(約1億200万ポンド)の黒字から、今年は2800万ドル(約2100万ポンド)の赤字に転落。これは開催レースの減少に加え、ラスベガスでの「グランプリ・プラザ」関連の高コストや、ロンドンで開催された75周年記念イベントのマーケティング費用、さらには人件費の増加などが影響している。

リバティ・メディアの社長兼CEO、デレク・チャンは次のように述べた。

「2025年は好調なスタートを切った。F1はオン・トラックの興奮と新たな商業パートナーシップによる財務的な追い風を受けている」

「F1の契約ベースで多様な収益構造は、現在の経済環境の中でも安定性を保ち、ビジネスの基盤は依然として強固だ。我々は長期的な価値創出に自信を持っている」

F1のステファノ・ドメニカリCEOも、ファン層の拡大と視聴率向上を強調した。

「今シーズンはすでに6戦を消化し、接戦が繰り広げられていることで、テレビやデジタル視聴の伸びにもつながっている」

「プロモーターたちは週末イベントを革新し続けており、高い観客需要と満員の会場が実現している。特に、2026年のコンコルド協定に関し、すべてのF1チームと商業条件で合意できたことは、今後の安定性において極めて重要だ」

さらにチャンは次のように加えた。

「最近数戦でステファノと共に時間を過ごしたが、既存スポンサーや新規スポンサー候補と話す中で、これほどまでにF1への期待と熱意を感じたことはない」

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カテゴリー: F1 / リバティ・メディア