F1
F1チームの首脳陣もF1から“グリッドガール”を廃止することには反対している。グリッドガール論争は、将来のエンジン案を含めた将来のF1の方向性に対するリバティメディアとF1チームとの政治的な駆け引きのひとつとなりそうだ。

F1では各国の美女たちがドライバーのネームボードを持ってグリッドに花を添えてきた。しかし、近年では“グリッドガール”が女性差別を助長するとして廃止を求める声が高まっている。

すでにFIA 世界耐久選手権(WEC)ではグリッドガールを廃止しており、F1でも2015年のF1モナコGPで“グリッドボーイ”を登場されるなど、試行錯誤がなされている。

F1のモータースポーツ責任者を務めるロス・ブラウンは、女性のグリッドガールを起用することは“デリケートな話題”であり、“要検討”事項であると発言している。

グリッドガールの廃止には反対しているF1ドライバーも多く、レッドブルのダニエル・リカルドは「それで育ってきた。子供の頃でさえ、アンブレラガールやグリッドガールを見てきたと思う。それはスポーツの魅力のひとつだ」、チームメイトのマックス・フェルスタッペンは「グリッドガールは続けるべきだ」、ルノーのニコ・ヒュルケンベルグは「グリッドから宝石がなくなってしまうとしたら残念だ」とコメントしている。

グリッドガールに反対しているのはF1ドライバーだけではない。F1首脳陣も反対の声を挙げているが、それは美女がグリッドから姿を消すというよりも、F1改革を進めようとしているリバティメディアへの政治的メッセージの意味合いが強そうだ。

最近、リバティメディアの方針に反発してF1撤退をちらつかせ、ロス・ブラウンとの対立姿勢を強めているフェラーリのセルジオ・マルキオンは「グリッドガールは何年もの間、F1の不可欠な部分だった」とコメント。

「ロス・ブラウンは気にしなければならないもっと不可欠で重要なことがあるはずだ」

メルセデスの非常勤取締役を務めるニキ・ラウダは「女性の解放は完全に正しいことだ。実際、彼らは男性を追い抜く過程にある。だが、なぜ彼女たちがグリッドに立つことが許されないのだろうか?」と Servus TV にコメント。

レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコもグリッドガールの廃止は「想像できない」と語る。

「アメリカでは、試合の前後や最中にチアリーダーが登場する。F1でそうすべきではないという理由がわからない」

「我々には他に心配するべきことがあると思う」

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カテゴリー: F1 / リバティ・メディア