リアム・ローソン レッドブルF1降格を回顧「角田裕毅と僕は比較できない」
レーシングブルズのリアム・ローソンは、2025年シーズン序盤でレッドブルF1から降格という厳しい経験を経た。だが彼は「角田裕毅とは比較できない」と語り、自身の立場を冷静に見つめている。

ローソンは今季、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとしてレッドブルF1で開幕を迎えたが、わずか2戦で降格。オーストラリアGPでは予選18番手、決勝ではクラッシュ。続く中国GPでも最下位予選から12位完走にとどまり、ホーナー代表が2戦目で交代を決断した。

ヘルムート・マルコは開幕戦の段階で交代を主張していたが、最終的にその判断が現実となった。

その後、角田裕毅が後任としてレッドブルに復帰したものの、成績は思うように上がらず、18戦で25ポイントにとどまっている。バクーでの6位入賞が唯一の好結果であり、予選Q3進出も安定していない。

ローソンはニュージーランドのラジオ番組「Mike Hosking Breakfast」でこう語った。

「僕は角田と自分を比較することはできない。2レースしか与えられなかったからね。適応するための時間がまったくなかったんだ」

レッドブルでの短い機会を終えた今、ローソンはレーシングブルズで再起を図っている。直近ではメキシコGPでトップ10圏内に迫る走りを見せており、来季の去就をめぐって再び注目を集めている。

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ローソンが語る「比較」の意味
ローソンの発言は、単なる自己弁護ではなく、チームの現実を映している。RB21はシーズン序盤で特に扱いが難しく、レースごとにセットアップが変わる特性があった。わずか2戦のチャンスでは、ドライバーが真のパフォーマンスを示すことは難しい。

一方、角田裕毅はその後も苦戦を続けており、マシンのポテンシャルを引き出せていない点で共通している。レッドブルのセカンドシートが持つ「結果を出せなければ即交代」というプレッシャーの大きさを、ローソンのコメントは象徴している。

レーシングブルズでの再評価と今後
現在ローソンはレーシングブルズで安定した成績を残し、角田裕毅やアイザック・ハジャーとともに2026年のレッドブル昇格候補として名を連ねている。
メキース代表も彼の冷静なアプローチを高く評価しており、「2025年後半は彼にとって再び証明の場」と位置づけている。

ブラジルGPを前に、ローソンのコメントは自身の経験とチーム内状況を踏まえたリアリズムに満ちている。短期間で結果を求められる環境において、若手ドライバーがどのように再起を図るのか──ローソンの挑戦はまだ続く。

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カテゴリー: F1 / リアム・ローソン / レッドブル・レーシング / 角田裕毅