F1 イタリアグランプリ モンツァ・サーキット
2017年のF1世界選手権 第13戦 イタリアグランプリが、9月1日(金)~3日(日)にモンツァ・サーキットで行われる。

1922年に設立されたモンツァ・サーキットは、不開催は1980年の一度のみとF1世界選手権の歴史とドラマを代表する開催地。英国のブルックランズ、米国のインディアナポリスに続き、世界で3番目に建設された常設サーキットで当初はオーバルコースとして建設された。

しかし、1961年に事故が起き、オーバルのバンクを使ったコースレイアウトが危険であるとして、1962年からはロードコースのみが使用されている。

そのバンクは今なお保存されており、旧式のグランドスタンドも多くが現存。90年以上の歴史を持つコースで最新技術の粋であるF1マシンが戦う、独特の雰囲気が魅力で、熱狂的なイタリアのファンには「La Pista Magica(イタリア語で“魔法のコース”)」という愛称で親しまれている。

全長5.793㎞のコースで、平均時速259㎞というカレンダー最速のレースが行われる。今季型のマシンでは最高速は変わると目されているが、時速330㎞に達する箇所が4つある。数々の名場面が生まれたモンツァだが、1971年のレースではトップから5位までが0.61秒差という大激戦に。優勝したピーター・ゲシンと2位のロニー・ピーターソンの差はわずか0.01秒。ゲシンにとってはこれが唯一のF1における勝利となった。

マクラーレンは過去に10勝を挙げているが、なかでも1968年のモンツァ初勝利が印象的。チームオーナーでもあったブルース・マクラーレンがレースの半分近くをリードしたが、オイル不足によりピットイン。しかし、チームメイトのデニー・ハルムが代わってトップに立ち、チームにグランプリ2勝目をもたらした。

ちなみに、モンツァではモナコ以上にポールポジションが重要で、直近18レース中13戦でポールシッターが優勝している。

【動画】 F1イタリアグランプリ モンツァ・サーキット解説


モンツァ・サーキット

全長5.793㎞ ※カレンダー中6番目の長さ。
2016ポールポジションルイス・ハミルトン 1分21秒135
2016ファステストラップフェルナンド・アロンソ 1分25秒340(51周目)
ラップレコード1分21 秒046 (ルーベンス・バリチェロ、2004年)
エンジニアリングストレートスピードをいかに高められるか。ドラッグが増した今季型のマシンでは、ストレートエンドでのスピードが昨年比で時速15㎞程度落ちると見られ、速度を上げるためにチームがダウンフォースを削る姿が見られるだろう。ただし、ハードブレーキングが必要な場面で優位に立つためには、ブレーキングの安定性も重要である。
ドライビングターン8~10の“アスカリ・シケイン”の攻略がタイムに大きな影響を与える。左-右-左の高速シケインで、それぞれのコーナーの頂点を的確にとらえ、ターン10出口での加速につなげなければならない。また、ダウンフォースが少ないマシンは暴れやすく、簡単にミスを引き起こす。グリップを得るためには縁石をすべて使う必要があるが、乗りすぎると安定性を欠くので注意が必要。さらに、ターン6~7の“レズモ”も難所。ターン7では時速250㎞に達し、アンダーステアに陥りやすいので、出口ではらまないように気を付けたい。
マシンセットアップダウンフォースを低く設定。ここモンツァとアゼルバイジャンのバクーが、シーズン中で最もダウンフォースを少なくするコースである。
グリップレベル低い。路面は比較的古くて滑りやすい上、マシンのダウンフォースが削られているので、さらにグリップは減る。
タイヤスーパーソフト(赤)、ソフト(黄)、ミディアム(白) ※この組み合わせは今季6回目
ターン1までの距離380m(カレンダー中最長はバルセロナの730m)
最長ストレート1.12km ※ターン1へ向かう直線
トップスピード時速370㎞(ターン1への進入時) ※カレンダー中最速
スロットル全開率75% ※カレンダー中最大
ブレーキ負荷高い。ブレーキングポイントは6カ所しかないが、すべて高速からのハードブレーキングなので、ブレーキ温度が高くなりやすい。
燃費1周あたり1.89㎏を消費。カレンダー中での平均に近い
ERSの影響中程度。ロングストレートが4本あり、それぞれ時速330㎞以上に達するが、エネルギー回生ができるブレーキングポイントは少ない。
ギアチェンジ46回/1ラップ、2438回/レース

F1イタリアグランプリ

周回数53ラップ
スタート時間現地時間14時(日本時間21時)
グリッドモンツァは年間を通じてさまざまなレースが開催されているため、路面がクリーンで他のコースに比べてグリッドアドバンテージは少ない。ポールポジションがレーシングライン上に位置し、コースのアウト側にあたるため、よりクリーンな状態の路面である。
DRSゾーンは2つ。ターン1へ向かうストレートと、ターン8へ向かうストレート。
ピットストップ昨年1ストップ戦略を採用したチームで、ポイントを獲得したのはメルセデスのみ。両ドライバーともにレース距離の半分でピットインした。2ストップ戦略では、16周目と33周目のピットインが多かったが、今年はタイヤコンパウンドが硬めになっているので、ほとんどのマシンが1ストップを採用すると見られる。
ピットレーン420m。1回のストップでのタイムロスは約21秒。ピットレーンへはストレートから進入するが、時速370㎞で走行するマシンに対してピットレーンの制限速度は時速80㎞と速度差が大きいため、ピットイン時のタイムロスの影響はシーズン中最大となる。
セーフティカー出動率は45%と低い。
注目ポイント最終コーナーとなるターン11の“パラボリカ”。180°の右コーナーで、出口に向けてカーブが緩くなっていくので、いかに早く加速し、後に続くコース最長のストレートでのスピードにつなげることが重要。
見どころ伝統、最新技術、そして情熱的なイタリアファンの熱狂が交差する雰囲気。旧コースのバンクは多くの場所で見えるようになっており、その風景の中でファンがF1を愛するファンが大きな声援を送る。
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カテゴリー: F1 / F1イタリアGP