インディカー:ホンダ 2022年 第3戦 ロングビーチ 決勝レポート
インディカー - 昨年はパンデミックによるスケジュール変更でシーズン最終戦として開催されたACURAグランプリオブロングビーチだったが、今年は恒例の4月開催に復帰。すばらしい天候にも恵まれたレースウイークエンドは、以前と変わらない活気にあふれていた。ホンダのパフォーマンスブランドであるアキュラが冠スポンサーを務めるアメリカ伝統のストリートレースは、今年が第47回目の開催となる。

南カリフォルニアならではの日差しを心地よい海風が和らげる、まさにレース日和という快適なコンディションの下、ロングビーチのストリートコースで26台のインディカーが激しいバトルを繰り広げた。

レース序盤はポールポジションからコルトン・ハータ(Andretti Autosport w/ Curb-Agajanian)がトップを快走した。残念ながら彼は1回目のピットストップで3番手に後退した後、壁にヒットする単独アクシデントでレースを終えた。

予選6番手だったロマン・グロージャン(Andretti Autosport)がハードチャージを見せて観客を沸かせた。チームのタイヤ戦略も良かったグロージャンは、自身のガッツあふれる走りもあって終盤にパロウらをパスし、初優勝を目指してアタックを続け、2位でのフィニッシュをつかみ取った。フランス出身の元F1ドライバーにとって今季初めての表彰台登壇だ。

また、予選3番手だった昨年度チャンピオンのアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)はレース中盤戦にトップを快走し、最終的に3位でゴールしました。シーズン3戦目で早くも2回目の表彰台に立った彼はポイントスタンディングで3番手につけている。

グロージャンとパロウだけでなく、他のHondaドライバー、Hondaチームも激しいバトルを戦い抜き、スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は予選16番手から6位まで大きくポジションアップしてゴール。グレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)は予選13番手から7位。アレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport)は8位、昨年インディ500で史上最多タイとなる4勝目を挙げたエリオ・カストロネベス(Meyer Shank Racing)は予選14番手から9位とトップ10に4チーム、6人のドライバーたちが入った。

佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)にとって、ここロングビーチは2013年にインディカーでのキャリア初優勝を記録したコース。今回はマシンのセッティングから予選は23位と厳しい結果になっていたが、ペナルティーを受けたルーキーがいたため、22番グリッドからスタートを切った。得意のコースで追い上げるレースを期待されていた佐藤琢磨は、燃料をセーブして29周目まで1回目のピットストップを引っ張り、9番手までポジションを上げた。ピット作業後のレース中盤、佐藤琢磨は14番手を走り、2回目のピットストップを56周目に行った後には13番手に浮上。トップ10まで食い込んで行こうと奮闘していた。

しかし、ゴールを目前に多重クラッシュによるフルコースコーションが出され、残り5周でのリスタートとなると、新品タイヤ装着というアドバンテージを持ったライバルからのアタックを受け、佐藤琢磨はライン外側に押し出される形となってタイヤバリアに突っ込むアクシデントに見舞われる。ゴールまであと1周半で完走を逃す17位という結果となった。佐藤のポイントスタンディングは3戦終了時点で15番手となっている。

次戦はHondaグランプリオブアラバマ。南部アラバマ州バーミンガム郊外にあるアップダウンに富んだ緑豊なバーバーモータースポーツパーク(全長2.3マイル)を舞台とする戦いは、5月1日決勝となる。

ロマン・グロージャン(Andretti Autosport)
「すばらしい1日になりました。予選2番手からスタートできていたら……と悔しい思いもあります。もし2番手スタートできていたら、今日の私たちはずっと楽な戦いができていたでしょう。しかし、チームの作戦は正しく、ピットストップも速く、私はハードにプッシュするドライビングを続けました。最終的に、イエローフラッグによって生まれたチャンスを活かしてポジションをふたつ上げ、2位でフィニッシュとなりました。今日は優勝まであと一歩でした。次こそ勝ちたいですね」

佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)
「ロングビーチはすばらしいレースです。今週末の私たちは厳しい戦いを強いられていました。予選までに良いマシンバランスを見つけることができず、決勝スタートは後方グリッドから臨むことになりました。そこから私たちは力強いレースを戦えたと思います。いくつかポジションを上げることもできたし、バトルを楽しむことができていました。13番手まで順位を上げられた点に大きな手応えを感じてもいます。ところがレース終盤のイエローフラッグが私たちより後方にいたドライバーたちにピットで新品タイヤを装着するチャンスを作り出しました。対する私はというと、もう25周ほども走ったタイヤでした。ゴールまで2周、攻めてくるリナス・ヴィーケイ(シボレー)に対してポジションを守ろうとトライしましたが、ターン8で並ばれ、2台揃って走行ラインが膨らんだ際にアウトサイドにいた私だけがタイヤかすに乗り、タイヤバリアに突っ込むことになりました。そこからレースに戻ることはできましたが、本当に残念な結末になりました。それでも、私たちは開幕戦のセントピーターズバーグのように力強い戦いぶりをレースの終盤まで見せ続けることができていました。次のレース、Dale Coyne Racing with RWRで戦う初めてのロードコースイベントが楽しみです」

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カテゴリー: F1 / インディカー