ブリアトーレの「爆弾体質」とフランコ・コラピントの運命 F1の非情な現実
昨年、ウィリアムズでの9戦にわたる活躍でF1界に鮮烈な印象を与えた“スーパーサブ”フランコ・コラピント。オフシーズンにはアルピーヌがリザーブドライバーとして彼を獲得し、2025年シーズンにはジャック・ドゥーハンに代わってレースシートを得た。

しかし、ここまで6戦を終えてもコラピントは未だノーポイント。エミリア・ロマーニャGPとシルバーストンでの予選ではクラッシュを喫し、結果を残せずにいる。

そしてシルバーストンの予選でのクラッシュ後には、アルピーヌのエグゼクティブディレクターであるフラビオ・ブリアトーレが、頭を抱える様子がカメラに捉えられた。

これを受けて、チームがシーズン途中で彼を更迭する可能性が浮上。PlanetF1.comは関係者の話として、バルテリ・ボッタスがチームと前向きな話し合いを行っていると報じており、中盤戦でのドライバー交代が現実味を帯びてきたという。

また、元レッドブルのセルジオ・ペレスとも交渉中とのことだが、こちらは2026年の新レギュレーションに向けたものであるとされている。

元F1ドライバーのリカルド・パトレーゼは、1993年にベネトンでブリアトーレのもとを離れた自身の経験を踏まえ、コラピントに警鐘を鳴らす。

「ブリアトーレに関しては何が起きてもおかしくない」とパトレーゼは語る。「私から見ると、彼はいつ爆発するかわからない“爆弾”のような存在。まるで第二次世界大戦中の不発弾のようだ。

今のコラピントは結果も出ていないし、クラッシュもしている。そうなると、ブリアトーレとの関係は彼の精神状態に良い影響を与えるとは思えない。

つまり、今のコラピントは“安全圏”にいるわけではないということだ」

とはいえ、当のアルゼンチン人ドライバーは自身の将来に対して楽観的な姿勢を崩していない。

「特に心配しているわけではないよ」と、コラピントはオーストリアGPでPlanetF1.comを含むメディアに語った。「彼(ブリアトーレ)は僕の決断を支持してくれているし、信頼もしてくれているんだ」

シルバーストンでは5戦契約が切れた後の状況について問われると、彼は「現在はレースごとの契約になっている」と明かした。

「基本的には毎戦が勝負だと思っている」と彼は語る。「でも、自分としてはチームの改善に集中しているんだ」

「シートを維持するための“条件”があるかって? いや、それはないよ。とにかく、僕らはできる限りベストを尽くすことに集中している」

「僕自身も改善すべき点に取り組んでいるし、レースペースには自信があるけど、予選ではもう少し良くならないといけないと思ってる」

「チーム全体としても、毎戦ポイント争いできるようにもう一段階ステップアップする必要がある。それに向けて全方位で良くしていかなければならないと感じている」

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カテゴリー: F1 / フランコ・コラピント / アルピーヌF1チーム