佐藤琢磨 インディ500 優勝 / 2020年 ホンダ 決勝レポート
佐藤琢磨がインディ500で2勝目をマーク
3カ月遅れで開催された第104回インディ500では、佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)が、序盤からレースをリードし続けたスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)を残り15周でパスし、優勝を飾った。伝統あるインディアナポリス・モーター・スピードウェイで佐藤琢磨は2勝目を挙げ、HondaチームとHondaドライバーたちも今日のレースで1-2-3-4フィニッシュを達成した。

パンデミックの影響によって無観客でのレース開催となったインディ500、佐藤琢磨は合計2度、27周のリードラップしか記録しなかった。しかし、レース終盤の最も重要なタイミング、最後のピットストップを終えてからチェッカーフラッグを受けるまでの時間帯は、ライバル勢を寄せつけないスピードを持っていた。

200周のレースが終盤を迎え、優勝争いを行うドライバーはディクソンと佐藤琢磨に絞り込まれました。佐藤琢磨は168周目、ディクソンはその次の周に最後のピットストップを終えた。ここでディクソンがトップに返り咲き、佐藤は2番手に下がったが、185周目にメインストレートでディクソンをパスし、レースのリーダーとなった。

ここからの佐藤琢磨はディクソンのアタックを何度も阻止し、周回遅れのマシンをパスしながら前進した。そして、佐藤琢磨とディクソンが196周目へと入った直後、第4ターンでスペンサー・ピゴット(Rahal Letterman Lanigan Racing with Citron Buhl Autosport)が激しくクラッシュし、フルコースコーションが宣言された。

レッドフラッグ、レース中断となる可能性も考えられたが、イエローフラッグのままレースはゴールを迎えた。佐藤琢磨にとっては2017年の”500”初優勝に続く、インディでの2度目の優勝となった。

スコット・ディクソンは最終ピットストップまでレースをリードし続け、111周ものリードラップを記録した。しかし彼のインディ2勝目はならず、佐藤のインディ2勝目が記録された。フロントローの中央からスタートしたディクソンは、午後2時半過ぎのグリーンフラッグ後にトップに躍り出て、143周目にアレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport) が転倒してリタイアした後も、レースを支配し続けていた。

しかし、終盤になると佐藤琢磨とグラハム・レイホール、2人のRahal Letterman Lanigan Racingのドライバーたちがスピードアップ。佐藤琢磨のチームメートであるレイホールは、終盤にトップ2との差を詰めて3位でゴールしました。

また、予選では望む結果を得られていなかったサンティノ・フェルッチ(Dale Coyne Racing with Vasser-Sullivan) が4位でゴールした。

Honda勢は8人のドライバーがトップ10でフィニッシュした。2回目のピットストップでクラッチトラブルに見舞われたジェームズ・ヒンチクリフ(Andetti Autosport)は7位、コルトン・ハータ(Andretti Harding Steinbrenner Autosport)が8位でフィニッシュ。 ジャック・ハーヴィー(Meyer Shank Racing)はインディでの自己ベストとなる9位でゴール。ライアン・ハンター-レイ(Andretti Autosport)が10位だった。

佐藤琢磨(優勝)
「最高のマシンだったと思います。終盤の燃料戦略でディクソンに1周の遅れをとっていました。ゴールまでの燃費は少し厳しかったですね。しかし、できる限り燃料をセーブする走りを続け、最終的には最後のバトルが激しくなったとしてもフルパワーで戦える燃料を確保できていました。最終グリーンフラッグラップの第4コーナーではディクソンがずっと来ていましたが、信じられないことに僕はそれを抑えることができたんです。だれもがすばらしい仕事をしてくれました。HPDとHondaは、我々に多くのパワーと燃費を与えてくれました。自分たちのマシンが今日は最強だったと感じています。2勝目を飾れるなんて、これもみんなチームの努力のおかげです。彼らは本当にがんばってくれ、今日もすばらしいピットストップを行ってくれました。今回の勝利はHondaパワーのおかげです。強力なエンジンをHondaとHPDが作ってくれ、そのエンジンは燃費もとてもよかった。そしてチームが最高のマシンを作り上げてくれました。日本のファンの皆さんは夜中からのテレビ観戦だったと思います。応援ありがとうございました。インディでの2勝目をこうして挙げることができました。皆さんの応援があることで、インディで走り、優勝することができていると思います。次のレースからもがんばります」

第104回 インディ500 結果
PosNoDriverTeamEngineLaps
130佐藤琢磨レイホール・レターマン・ラニガンH200
29スコット・ディクソンチップ・ガナッシH200
315グラハム・レイホールレイホール・レターマン・ラニガンH200
418サンティノ・フェルッチデイル・コイン・レーシングH200
51ジェセフ・ニューガーデンチーム・ペンスキーC200
65パトリシオ・オワードアロー・マクラーレンSPC200
729ジェームス・ヒンチクリフアンドレッティ・オートスポーツH200
888コルトン・ハータアンドレッティ・ハーディング・スタインブレナーH200
960ジャック・ハーベイメイヤー・シャンク・レーシングH200
1028ライハン・ハンター-レイアンドレッティ・オートスポーツH200
113エリオ・カストロネべスチーム・ペンスキーC200
1210フェリックス・ローゼンクヴィストチップ・ガナッシH200
1398マルコ・アンドレッティアンドレッティ・ハータH200
1412ウィル・パワーチーム・ペンスキーC200
1526ザック・ビーチアンドレッティ・オートスポーツH200
1667JR.ヒルデブランドドレイヤー&レインボールドC200
1759マックス・チルトンカーリンC200
184チャーリー・キンボールA.J.フォイト・レーシングC200
1914トニー・カナーンA.J.フォイト・レーシングC199
2021リーナス・ヴィーケイエド・カーペンター・レーシングC199
2166フェルナンド・アロンソアロー・マクラーレンSPC199
2222シモン・パジェノーチーム・ペンスキーC198
2381ベン・ハンレイドラゴンスピード USAC198
2424セージ・カラムドレイヤー&レインボールドC198
2545スペンサー・ピゴットレイホール・レターマン・ラニガンH194
2620エド・カーペンターエド・カーペンター・レーシングC187
2727アレクサンダー・ロッシアンドレッティ・オートスポーツH143
2855アレックス・パロウデイル・コイン・ウィズ・チームゴウH121
2947コナー・デイリーエド・カーペンター・レーシングC91
307オリバー・アスキューアロー・マクラーレンSPC91
3141ダルトン・ケレットA.J.フォイト・レーシングC82
328マーカス・エリクソンチップ・ガナッシH24
3351ジェイムス・デイビソンデイル・コイン・レーシングH4


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カテゴリー: F1 / インディカー