F1ハンガリーGP ピレリ決勝総括:ノリスは「例外」 1ストップ成功の背景とは
ハンガロリンクで行われたF1第14戦ハンガリーGP決勝は、マクラーレンの1-2フィニッシュで幕を閉じた。

これは4戦連続、今季6度目の1-2であり、通算では56回目となる。優勝を飾ったランド・ノリスは、マクラーレンにとって通算200勝目という金字塔を打ち立てた。F1史上チーム勝利数ではフェラーリ(248勝)に次ぐ2位となる。

2位にはチームメイトのオスカー・ピアストリが続き、3位にはメルセデスのジョージ・ラッセルが入り、英語圏ドライバーによる“オール・アングロフォン”表彰台が完成した。ラッセルにとっては今季6度目、キャリア通算では21度目の表彰台である。

■ 決勝の展開とタイヤ戦略
レースでは3種類すべてのコンパウンドが使用された。スターティンググリッドでは、大多数の15台がミディアムを選択。アレクサンダー・アルボン、カルロス・サインツ、ニコ・ヒュルケンベルグの3名はソフトを選び、ルイス・ハミルトンとピエール・ガスリーはハードでスタートした。

戦略面では、10台が1ストップ、9台が2ストップを選択するという拮抗した内容に。最長スティントはエステバン・オコンで、ハードタイヤで55周を走破。また、ガブリエル・ボルトレトとリアム・ローソンはミディアムで最長の40周を記録。角田裕毅はソフトで17周を走行した。

ハンガリーGP F1 2025年のF1世界選手権4戦連続1-2、戦略を分けたマクラーレン勢

■ ピレリ モータースポーツ部門ディレクター マリオ・イゾラのコメント
「今季前半戦の締めくくりにふさわしい、非常に興味深いレースとなった。3人のドライバーが勝利を争い、最終的にノリスがチームメイトのピアストリを僅差で下して優勝した。両者は異なる戦略を採り、ノリスは1ストップ、ピアストリは2ストップだった。

理論上は2ストップのほうが速かったが、金曜フリー走行に比べて気温が約10度低かったことにより、3種類すべてのコンパウンドで熱劣化が抑えられ、両戦略のギャップが幾分縮まった。

正直なところ、我々としては2ストップが最適だったと感じている。実際、5位に入ったフェルナンド・アロンソが築いたラッセルとの差を見れば、それは明らかだろう。ただしノリスは例外で、オープニングラップ終了時に5番手に後退していたことから、リスクを取って1ストップを選んだ。

ミディアムとハードの性能差が小さく、また各車のレースペースが拮抗していてオーバーテイクが難しかったこともあり、あの時点では常識にとらわれない戦略を試す価値があった。

とはいえ、異なる戦略が優勝争いに絡んだことで、後半は特に戦術面で面白い展開となった。絶対的な見どころは少なかったかもしれないが、内容は十分に緊張感のあるものだった。

我々にも夏休み前の最後の仕事が残っている。8月5日(火)と6日(水)の2日間、ここハンガロリンクで2026年仕様タイヤに向けたテストを実施する。主な目的は、9月1日までに公認を受ける必要がある構造の検証と、C3〜C5に相当する柔らかめのコンパウンド開発だ。

テスト初日はマクラーレン(ノリス)とレーシングブルズ(ローソン)が協力。2日目はフェラーリがルクレールを起用し、アルピーヌは両日とも参加。初日はアロン、2日目はフランコ・コラピントとガスリーが走行予定だ」

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カテゴリー: F1 / F1ハンガリーGP / ピレリ