ホンダF1、PUアップグレードによる15馬力アップ説を完全否定
ホンダF1は、2基目のF1パワーユニットにアップグレードを施したことでより多くのパフォーマンスを引き出すことができているとの疑いを晴らす動きに出た。

レッドブル・ホンダF1は、4連勝を収めており、2021年のパッケージでメルセデスF1を凌駕しているように見える。特に最近のレースでは強力な直線スピードのパフォーマンスが勝利に寄与している。

ホンダF1は、F1フランスGPでシーズン2基目のF1パワーユニットを導入すると、レッドブル・ホンダのその直線スピードの競争力は著しく向上した。ルイス・ハミルトンは、今年のエンジンルールではパフォーマンス向上が禁止されているにも関わらず、ホンダF1のアップグレードによってレッドブルが恩恵を受けたことを示唆した。

レッドブルF1のチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナー、そして、マックス・フェルスタッペンは、どちらもメルセデスと比較した優れた直線スピードを説明するために、レッドブルがスリムなリアウィングを走らせていることを指摘した。

金曜日のF1オーストリアGPの記者会見に出席したホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治は、最新のF1エンジンから15馬力のゲインが得られるという噂を否定し、また、最新のユニットがより高出力モードで実行できるようになったとの憶測も否定した。

「本当ならとても嬉しいですが、そうではありません」と田辺豊治は語った。

「現在のレギュレーションでは、シーズン中のパフォーマンスのアップデートは許可されていません。

「その結果、我々の2番目のパワーユニットは、仕様とパフォーマンスの点で最初パワーユニットと同じです」

田辺豊治は、ホンダF1が信頼性の修正を導入する場合、他のF1チームはFIA(国際自動車連盟)から変更について通知されるはずだと主張する。

「現在のパフォーマンスの向上は、ホンダとチームの懸命な努力の結果です」と田辺豊治は説明した。

「現在のパワーユニット規制では、変更を承認される必要があります。許可されている変更は、信頼性、コスト上の理由、およびロジスティクスのためだけです。まず、非常に詳細な文書をFIAに提出する必要があり、FIAはそれらの変更を承認しまう」

「FIAはすべてのドキュメントを他のPUメーカーに配布しています。したがって、単一部品の仕様を変更するには、他のメーカーからの承認が必要です」

「我々がこのような詳細な調査を行っている理由は、昔、一部のチームが信頼性を向上させるための変更でパフォーマンスを改善させたためです」

「そのため、パフォーマンスの変更には細心の注意を払っています。シーズン中にパフォーマンスを向上させることはできません。それがその疑惑に対する私の答えです」

田辺豊治によると、ホンダF1のパフォーマンスの向上は、パワーユニットを最大化する方法をより深く理解したことに帰着する説明する。

「プレシーズンテストからこの2021年の新しいパワーユニットを使い始め、それから徐々に使い方を学んできました」と田辺豊治は語った。

「我々は弱点を改善し、次に強みを押し上げました。その結果、パフォーマンスの基本仕様は同じですが、トラックサイドのパフォーマンスは向上していると思います」

「一旦、PU、ICE、ERSシステムを理解すれば、異なるトラックに移動するたびに、ICE(内燃エンジン)と電子システムのバランスの使用方法をシミュレートしています。そうしいてラップタイムの観点からパワーユニットの使用方法を最適化しています」

「現在の技術指令では、少し苦労しています。予選とレースを同じモードで走らせる必要があります。ある意味で刺激になります。そして、実際のトラックで走行し、パフォーマンスを最大化するためにその都度キャリブレーションが更新されます」

ホンダF1 田辺豊治TD / 2021年 F1オーストリアGPホンダF1 田辺豊治TD / 2021年 F1オーストリアGP

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / F1オーストリアGP