ホンダF1振動問題 日本GPでPUアップデート アストンマーティンの命運握る

背景にあるのはホンダ製パワーユニットの深刻な振動問題だ。アストンマーティンの2026年型マシン「AMR26」は本来のポテンシャルを発揮できておらず、チームは日本GPに向けて予定されているホンダの対策アップデートに大きな期待を寄せている。
振動問題がAMR26の本来の性能を隠している
アストンマーティンの週末は厳しいものだったが、チーム内部では必ずしも悲観的な見方だけではない。
フェルナンド・アロンソは予選17番手に終わったものの、首位からの差は約2.4秒にとどまった。金曜プラクティスの状況を考えれば、これは予想以上に競争力があった結果と受け止められている。
実際、チームの当初予測ではトップから約4秒遅れになると見られていた。
アロンソは予選後、FP2から予選までの間にセットアップ変更だけで約2秒の改善を得たと説明している。これはマシンの潜在能力を示す一方で、十分な走行データを集められていない現状も浮き彫りにしている。
原因はホンダのパワーユニットにある。バッテリーやモーターに発生する過度な振動により、AMR26は十分な周回を重ねることができず、データ収集が大きく制限されている。
さらにパワーユニットはバッテリー展開をすぐ使い切ってしまうため、本来よりも大幅に遅いペースで走らざるを得ない。
その結果、エイドリアン・ニューウェイ率いる技術陣はマシンの空力特性や挙動を正確に評価できない状態にある。特に高速コーナーでは本来の限界まで攻めることができず、マシンの真のパフォーマンスを確認できない。
状況はそれだけではない。振動対策として高燃料で走らざるを得ないため、低燃料でのパフォーマンス評価も不可能になっている。
こうした要素を踏まえ、チーム内部では「信頼性が少し改善されるだけでもAMR26のパフォーマンスは大きく解放される」という見方が広がっている。

渡辺康治が示した日本GPまでの改善スケジュール
オーストラリアGP後、ホンダ・レーシング社長の渡辺康治は現状と今後の計画について説明した。
「バッテリーやモーターの振動を抑える対策を実施しており、一定の効果が確認できています」と渡辺康治は語った。
「その結果、走行できる周回数はある程度増やすことができました」
「ドライバーにも振動について確認しましたが、バーレーンテストよりかなり改善していると感じているようです。ランス(ストロール)は『問題は半分くらいになった』と言っていました」
「ただし、まだパワーユニットの使い方には制限があります。現時点ではパワーユニットやマシンの性能について語れる段階ではなく、本来の使い方はできていません」
「エイドリアン・ニューウェイとは毎日話をしています。アストンマーティンの競争力を早く確保するために何をすべきか、どの対策をいつ実施するべきかを一緒に検討しています」
「パワーユニットだけでもシャシーだけでもありません。マシン全体として競争力を持たせることが重要です」
「最初の目標は日本GPです。その頃までには振動対策を進め、パワーユニットを本来の形で使える状態にしたいと考えています」
なお次戦の中国GPではアップデートは予定されておらず、スペアバッテリーも不足しているため、メルボルン同様に慎重な運用が必要になるという。
日本GPが2026年シーズンの分岐点に
現時点でホンダのパワーユニットがどれほどの出力や電力効率を持っているのかは、正確に評価できない状態にある。過度な振動によって、本来の性能を発揮する条件で走らせることができないためだ。
このため、日本GPで予定されているアップデートが成功すれば、アストンマーティンの戦力図が大きく変わる可能性もある。
一方で、もし振動問題が解決しなければ、AMR26の潜在能力をほとんど発揮できないままシーズンを戦うことになる。
アストンマーティンにとって、日本GPは2026年シーズンの行方を左右する重要な節目となりそうだ。
Source: RacingNews365
カテゴリー: F1 / ホンダF1 / アストンマーティンF1チーム
