ホンダF1:2020年 第9戦 F1トスカーナGP 決勝レポート
イタリアのムジェロ・サーキットで行われたF1トスカーナGPの決勝で、レッドブル・ホンダのアレクサンダー・アルボンが3位に入り、自身初のF1表彰台登壇を果たした。

レースは、2度の赤旗中断により3回のスタンディングスタートが行われるという荒れた展開になったが、アルボンは力強い走りで3位を守りきり、F1におけるタイ人ドライバーの最高成績を更新した。

マックス・フェルスタッペンは、スタートで素晴らしい蹴りだしを見せたが、その直後にパワーユニット(PU)に問題が発生して後方へポジションを下げると、キミ・ライコネン(アルファロメオ)とロマン・グロージャン(ハース)に挟まれる形となったアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーのクラッシュに巻き込まれ、コースアウトしてグラベルへ。これによって、フェルスタッペン、ガスリーともにリタイアとなった。今回発生したPUの問題に関してはすでに分析を開始しており、原因追求と再発防止を徹底していく。

このスタート直後のアクシデントにより、セーフティカーが出動し、レースは7周目に再開される。しかし、このリスタートでまたも複数のマシンが絡むクラッシュが起き、レースは赤旗中断となる。

この時点でアルボンは4番手、クビアトが7番手。両者ともに中断中にタイヤ交換を行い、アルボン、クビアトともにソフトタイヤを履いてリスタートへ臨む。

レースは10周目からスタンディングスタートで再開されたが、ここでアルボンは7番手までポジションダウン。ここからすぐさま挽回し、5番手まで順位を取り戻した。クビアトはスムーズなリスタートを迎えると、29周目にピットインしてミディアムタイヤに交換。アルボンは32周目に同じくミディアムタイヤへと交換した。

ここから、アルボンは、前を行くダニエル・リカルド(ルノー)とランス・ストロール(レーシングポイント)を追いかける展開となる。3台の差が2秒に迫ろうかという中、ストロールが激しいクラッシュを喫し、レースは再び赤旗中断に。この時点で13周を残しており、チェッカーフラッグまでのスプリントレースとなった。

この中断で全車がソフトタイヤに交換。アルボンが4番手、クビアトは7番手からリスタートする。残り8周となったターン1で、アルボンはリカルドをアウト側から豪快にオーバーテイクし、3番手にポジションを上げる。その後は前方のバルテリ・ボッタス(メルセデス)へプレッシャーをかけながら、チェッカーフラッグを迎えた。

クビアトは7番手を守りきり、今季自己ベストリザルトでフィニッシュした。

田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「今日のトスカーナGP決勝は、2度の赤旗という大荒れの展開の中、力強い走行を続けたAston Martin Red Bull Racingのアルボン選手が3位でフィニッシュし、キャリア初の表彰台を獲得しました。最後は赤旗での再開から残り13周のスプリントレースのような形になりましたが、見事に前のマシンを捉えて結果に繋げたアルボン選手には、お祝いの言葉を贈りたいと思います。Scuderia AlphaTauriのクビアト選手も周囲でクラッシュが多発する中でクリーンにレースを進め、7位入賞といいレースをしてくれました。一方で、フェルスタッペン選手がスタート直後のPUトラブルによりポジションを落とし、そのすぐ後に他車との接触によりリタイアすることとなりました。ガスリー選手もそのクラッシュに巻き込まれ、スタート周回で2台のマシンを失うことになったことは非常に残念に思っています。アルボン選手の表彰台についてはうれしく感じていますが、速さを見せていた週末にPUのトラブルを抱えることになり、我々にとっては厳しいレースになりました。すでにファクトリーでの分析を開始していますが、徹底的に原因究明と対策を行い、次戦からのシーズン後半戦に臨みます」

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
「ここまで来るのは長い道のりでしたが、とてもうれしいです。常に目指してきたことでしたが、いろいろなことがあってたどり着けなかったので、今日表彰台に立てたことは特別な思いです。このチームに来てからずっとサポートしてくれたことへの恩返しになったのもいいことですし、僕の力を示すことができたと思います。タフなレースで、簡単ではありませんでした。このコースは厳しく、特にセクター2では高速コーナーが続きますし、何度もリスタートがあり、多くのことに対応しなければなりませんでした。グリッドからの発進に苦戦していたので、アグレッシブにオーバーテイクしていかなければならないと思っていましたが、マシンは本当によかったですし、ブレーキングもよかったので、それをアドバンテージとして活かしました。最後のリスタートではポジションを2つ落としましたが、表彰台に立てるチャンスを逃してなるものかと火がつき、3位を目指して激しくプッシュしました。今日の結果はとてもうれしいです」

ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
「今日は、体力的にもメンタル面でもとても難しいレースだったので、チーム全体でミスをせずに素晴らしい仕事ができたことを誇らしく思います。僕らにはポイント獲得が重要ですし、今日の結果と自分の走りに満足しています。チームは、2度の赤旗中断という難しい状況でも、素晴らしい仕事ぶりで、戦略も正しく機能しました。僕らの後方では多くの混乱がありましたが、逆に前の方は落ち着いていました。7位というのはとてもいい結果で、ランキングでも前との差を詰めることができました」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
「今日はとてもいいマシンを手にしているという実感があったので、本当に残念です。好スタートを切って、ルイス(ハミルトン)に並びかけようかというところでしたが、そこで急に加速しなくなり、パワーを失って減速してしまいました。これによって中団までポジションを落とし、後ろから追突されました。スタート直後に中団に落ちてしまえば、こうしたクラッシュに巻き込まれやすくなります。とても残念ですし、こうした位置にいるべきではありませんでした。今日はこれ以上言うべきことはありませんが、またもリタイアすることになってチームもがっかりしていると思いますし、競争力を発揮できると見込んでいただけになおさらです。ただ、アレックスがいい結果を出して表彰台に上がれたのはよかったと思います」

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
「今日は最初の1コーナーの後でレースが終わってしまったことを残念に思っています。1コーナーの進入では多くのマシンがサイド・バイ・サイドの状態で、かなり混雑した状況でした。2コーナーでキミ(・ライコネン)とロマン(・グロージャン)の間にスペースを見つけたのですが、最終的には挟まれる形でどこにも逃げ場がなく、接触してしまいました。それで僕のレースは終わってしまいました。だれも責めることができない状況でしたが、大きなチャンスを逃したという意味では残念に思っています。予選では結果につながりませんでしたが、週末を通してペースは良く、今日は順位を上げられる自信がありました。もちろんライバルとポイントをかけてレースができればよかったのですが、パフォーマンスがよかった部分をポジティブにとらえ、この勢いをソチに繋げられればと考えています」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル / F1イタリアGP / アルファタウリ